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第16回は『和と差に関する問題』です。つるかめ算の発展的な問題と年令算を学習します。
「必修例題1」は、条件が不足しているつるかめ算で、いもづる算ともいいます。
1本180円のユリの花と1本120円のバラの花を、代金の合計が1500円になるように買います。ユリの花をA本、バラの花をB本買うとして、整頓すると、180×A+120×B=1500円となります。本数であるAとBの和がわかっていません。つるかめ算で解くには条件不足となりますが、このような問題がいもづる算です。いもづる算は基本的には数をあてはめて考えるのですが、計算しやすくするため、(180×A)、(120×B)、(1500)を共通にわれる数で式全体をわって、簡単な数の式にします。そのために、180、120、1500の最大公約数60でわります。
結果、3×A+2×B=25という式を考えて、成り立つA、Bを求めます。A=1、B=11が見つかります。ここからが、いもづる算といわれるものです。芋(いも)が1つ見つかれば、そのつるを引き出していくと、いくつもの芋が見つかるように、1組のAとBが見つかると、そこからAとBの他の組も次々に見つかるという解法です。
この問題では、A=1、B=11から始めて、そこから(3×A)の増える値と、(2×B)の減る値が同じであれば、(3×A)と(2×B)の合計である25は常に一定になることに注目します。そこで、3と2の最小公倍数である6ずつ増減する数の組を考えます。
3×Aで表される数を6ずつ増やすためには、3=3×1の次は、9=3×3、15=3×5=、…というように、Aを2ずつ増やしていくことになります。一方、2×Bは22=2×11、16=2×8、10=2×5、…というように、6ずつ減らすためには、Bが3ずつ減っていく数とすると、合計の25は変わらないままになります。
まとめると、Aは(2×B)の「2」ずつ増える数、Bは(3×A)の「3」ずつ減る数を考えればよいことになります。よって、(A、B)の組は、(1、11)の他に、(3、8)、(5、5)、(7、2)と、全部で4組あります。よって、2種類の花の買い方は4通りです。
説明が長くなりましたが,もう一度読み返して,解き方の流れを理解してください。また、慣れないうちは、予習シリーズP.151の解き方にある図のような表を活用するとよいでしょう。
「必修例題2」は、3種類のつるかめ算です。解き方が(1)と(2)の2通りあります。
1個の値段がそれぞれ60円、90円、110円である3種類の品物A、B、Cを合わせて36個買い、代金の合計が3060円になるようにします。
(1) AとBの個数を1:2の割合にする、という条件より、「Aを1個とBを2個」を1組として買うと、代金は、60×1+90×2=240円です。この代金を1+2=3個で割った、240÷3=80円は、Aを1個とBを2個の割合で買った時の平均の値段になり、この1個80円の品物をDと名付けます。品物Cの買った個数をc個、品物Dの買った個数(品物AとBの個数の合計)をd個として、整頓すると、110×c+80×d=3060で、c+d=36ということになります。ここで、品物Cと品物Dについてのつるかめ算を解いて、dの個数を求めます。
(110×36-3060)÷(110-80)=30より、dは30個です。よって、AとBの個数比、1:2より、30÷(1+2)×2=20となりますので、品物Bは20個にすればよいことになります。
(2) 個数についての条件がない場合には、次のように考えていきます。最も安いAを36個すべて買うものとします。すると、実際よりも、3060-2160=900円安くなっています。
ここから、Aの1個とBの1個を交換すると、90-60=30円増えます。また、Aの1個とCの1個を交換すると、110-60=50円増えます。AとBをx個交換し、AとCをy個交換して、900円にすればよいわけです。
まとめると、30×x+50×y=900を解くことになります。この式全体を10でわって簡単にして、3×x+5×y=90をいもづる算で解きます。(x、y)の組は、まず、(30、0)が見つかります。xは5ずつ減らし、yは3ずつ増やして、組を作っていきますと、(25、3)、(20、6)、(15、9)、(10、12)、(5、15)、(0、18)となりますが、(30、0)と(0、18)は、xやyが0ですので、あてはまりません(1個は買うという条件に合いません)。
よって、5通りですが、Aも入れて合計36個が成り立つかどうかを確認することを忘れないでください。結果として成り立つので、買い方は5通りです。
予習シリーズ153ページの解き方にある表を参照してください。
どちらの解法も、条件を整理して、学習したことのあるつるかめ算のかたちにすることがポイントとなります。
年令算について、学習します。年令算では、登場人物の間の年令の差は、いつも変わらないということがポイントになります。
「必修例題3」は、父と私の年令について考える問題です。
現在、父と私の年令の和は44才で、2年後に父の年令が私の年令の3倍になります。予習シリーズ154ページの解き方にある線分図を参照してください。
(1) 2年後には、2人とも2才年をとっていますから、父と私の年令の和は、44+2×2=48才です。このときの私の年令を1とすると、父の年令は3となっています。和が48才ですから、私は、48÷(3+1)=12才です。よって、2年もどすと、12-2=10より、現在の私は、10才です
(2) 現在の父は、44-10=34才で、2人の年令の差は、34-10=24才です。この差は、何年か前も同じです。そのときの私の年令を1とすると、父の年令は5ですから、比の(5-1)分が2人の差の24才にあたります。24÷(5-1)=6より、私が6才のときとわかります。したがって、10-6=4より、今から4年前です。
式が多くなりますので、最後に何を求めるのかで混乱しないように十分注意しましょう。
「必修例題4」は、登場人物が5人の年令算の問題です。
現在の4人家族の年令の和は、101才で、6年前には祖母もいて、年令の和は145才でした。
(1) 祖母をのぞく家族4人の6年前の年令の和は、全員が6才ずつ少なくなるので、101-6×4=77才でした。祖母を入れた5人の年令の和は145才ですから、145-77=68より、6年前の祖母の年令は、68才です。
(2) 現在、祖母もいれば、68+6=74才で、祖母も入れた5人の年令の和は、101+74=175才です。
10年前には生まれていなかった妹をのぞく、4人の和は127才ですから、この4人が10才ずつ年をとると、127+10×4=167才になります。よって、175-167=8より、現在の妹の年令は、8才です。
第16回は『立方体と直方体(2)』です。立方体・直方体の形やそれぞれの面の形は、予習シリーズ4年上の第14回で学習しました。この学習内容をもとに、今回は、立方体・直方体の表面積や体積を学習します。
まず、表面積について学習します。表面積とは、展開図(立体を辺にそって切り開いた図)の面積のことです。立方体の表面は同じ大きさの正方形6つでできています。よって,立方体の表面積=1辺×1辺×6 です。直方体の展開図を考えると、(たての長さ×横の長さ)の長方形、(横の長さ×高さの長さ)の長方形、(高さの長さ×たての長さ)の長方形が、それぞれ2つずつあります。よって、直方体の表面積=(たて×横+横×高さ+高さ×たて)×2 となります。
「必修例題1」は、直方体の表面積を求める問題です。
たて6cm、横10cm、高さ4cmの直方体ですので上記の式にあてはめて、(6×10+10×4+4×6)×2=248 より、表面積は248平方cmです。
「必修例題2」は,直方体から立方体を切り取った立体の表面積を求める問題です。
複雑に見える立体の場合、前後、上下、左右の6方向から見える面を考えると,考えやすくなります。予習シリーズ122ページ必修例題2の解き方にある図を参照してください。
前から見ると、へこんでいる部分を合わせて、高さ6cm、横9cmの長方形になり、後ろから見た形と同じです。上から見ると,同じくへこんでいる部分を合わせて、たて8cm,横9cmの長方形になり,下から見た形と同じです。右から見ると、同じくへこんでいる部分を合わせて、高さ6cm、たて8cmの長方形になり、左から見た形と同じです。
まとめると、立方体を切り取る前の、もとの直方体の表面積と同じになります。よって、(6×9+9×8+8×6)×2=348より,この立体の表面積は348平方cmです。
体積について学習します。基本は、たて、横、高さが、すべて1cmの立方体の体積を1立方cmとします。そして、この体積をもとにして考えます。この1立方cmの立方体が、たて、横、高さの方向に、何個ずつ積んであるかで、立方体・直方体の体積が決まります。計算すると、たて、横、高さの長さのかけ算の答えと同じになりますので、結局、直方体の体積=(たての長さ)×(横の長さ)×(高さの長さ) で求めることができます。
「必修例題3」は,2つの直方体を組み合わせた立体の体積を求める問題です
それぞれの直方体の体積を求めて、合計します。手前の直方体は、たて4cm、横7cm、高さ(6-2=)4cmですから(このように、図で与えられていない長さも計算で求められるケースが多いです)、体積は、4×7×4=112 より、112立方cmです。奥の直方体は、たて3cm、横12cm、高さ6cmですから、3×12×6=216 より、216立方cm です。よって、112+216=328 より、この立体の体積は、328立方cmとなります。
「必修例題4」も、2つの直方体を組み合わせた立体の体積を求める問題です。
この問題は、底面積(たて×横)に高さをかけて体積を求める方法で解いてみましょう。予習シリーズ123ページ必修例題4の前にある考え方を参照してください。
横の長さ14cmを6cmと8cmのところで切り分けて、左右の底面積を求めます。左の直方体の底面積は、たて10cm、横6cmですから、10×6=60平方cmです。右の直方体の底面積は、たて(10-7=)3cm、横(14-6=)8cmですから、3×8=24平方cmです。高さは、左右のどちらの直方体も8cmですから、(60+24)×8=672より、体積は、672立方cmです。
図形の切り分けができれば複雑に見える立体の体積もスムーズに求められます。
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