No.1031 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数上対策ポイント 4・5年生(第8回)6年生(第7回)

<算数 6年上 第7回>

 第7回は『数と規則性(2)』です。約数・倍数とその応用について学習します。

<今回のポイント>

 約数・倍数についての仕組み(連除法など)、素因数分解の利用をしっかり身に付けて、
様々な問題を解くことが大切です。ここに取り上げた問題は、中学入試にも様々な形で出題されています。

【対策ポイント1】

[必修例題1(3)]
 約数の個数の問題です。素因数分解を利用して考えます。

 「27の約数は4個あります。約数を4個もつ整数を小さい順に並べるとき、27は何番目になるか。」
 約数の個数が4個の整数は、素因数分解すると、a×b(aやbは素数)となるか、a×a×aとなります。このa×a×aの形も考えるのが、この問題のポイントです。
 素数である、2,3,5,7,…の素数の組み合わせを考えていきます。
 2×3=6、2×2×2=8、2×5=10、2×7=14、3×5=15、3×7=21 となりますので、
21は,6番目です。

【対策ポイント2】

[必修例題2(2)]
 割り算とあまりの問題ですが,倍数を考える問題です。

 「ある3けたの整数に5を加えた数は3の倍数になり、3を加えた数は5の倍数になります。このような3けたの整数で最小の整数を求めなさい。」
 求める数を□として,文字を使って整とんすると,□+5=3×○、□+3=5×△と表せます(○や△は、整数)。
 ここで、□+5に3を加えた(□+5+3)は3の倍数です。同様に、□+3に5を加えた(□+3+5)は5の倍数です。結果として、□+8は,3の倍数であり、5の倍数ですから、最小公倍数である15の倍数となります。
 15の倍数である3けたの整数で最小の整数を求めます。
100÷15=6あまり10 より、15×7=105 ですが、□+8=105では,□は3けたになりませんので、もう1つ大きい 15×8=120 を求めます。
 よって,求める3けたの整数は、120-8=112 です。

【対策ポイント3】

[必修例題5]
 素因数分解の利用の問題です。

 1×2×3×…×Nと、1からある数まで順にかけた積をAとします。
(1) Aが156で割り切れたとき、最小の整数Nを考える問題です。
156を素因数分解すると、2×2×3×13となります。
ですから、Aには素数の13がふくまれますので、最小の整数Nは、13です。
(2) N=30のとき、つまり1から順に30までかけた積Aを、3で割り続けるときの割る回数を考える問題です。
3で割れるのは、3の倍数ですから、3の倍数が何個あるかが問題になります。30までの3の倍数の個数は、30÷3=10 より、10個です。
ですが、(3×3=)9は2回割れます。また、(3×3×2=)18も2回割れます。また、(3×3×3=)27は3回割れます。よって、10のほかに追加として、(9の)1回、(18の)1回、(27の)2回ありますので、10+1+1+2=14回割れます。
よって、割りきれなくなるのは、15回目です。
(3) 同じくN=30のとき、積Aは一の位から連続して0が何個並ぶかを考える問題です。0のつく整数の10を素因数分解すると、2×5で、100を素因数分解すると、2×2×5×5です。
このように、末尾(整数の右はし)に0がつく整数は、素因数分解したときに、素数として2と5が組んで入っています。ここで、素数2は1から順にかけた数では、1つおきにありますので、素数5の個数が0の個数を決めることになります。
30までの5の倍数の個数は、30÷5=6 より、6個ですが、(5×5=)25には2個ありますので、6個に(25の)1個を追加して、5の倍数は、6+1=7 より、7個あります。
よって,0が一の位から7個続きます。

<算数 5年上 第8回 >

第8回は『売買損益』です。売買損益の問題は、品物の売り買いについて、利益や損(失)を考える問題です。用語が多く使われますので、まず、用語を整頓しておきます。
原価(げんか)とは、お店が(問屋などから)品物を仕入れるときの値段のことで、仕入れ値(しいれね)ともいいます。
定価(ていか)とは、お店が品物を売るときの通常の値段のことです。
また、この定価から金額を変えて、お店が実際に売ったときの品物の値段を、売価(ばいか)または、売り値(うりね)といいます。ほとんどの場合、売価は定価から値引きをした(定価よりも安い)値段で決められます。この定価または売価が原価より高い値段の場合の金額の差が、利益またはもうけ、となり、低い値段の場合の差が、損(失)です。
 お店では、普通、原価の○割や○%(利益率=利益の割合)を利益として、原価に加えて定価を決めます。
これを式で表すと、定価=原価×(1+利益率)、となります。また、定価の○割や○%(値引き率=値引きの割合)を値引きして、定価から引いて売価を決めた場合、これを式で表すと、売価=定価×(1-値引き率)、となります。この2つは、公式として覚えましょう。

 また、売買損益では小数計算を多用します。小数点の扱いに気をつけて、計算を正確に進めるように注意しましょう。
 なお、文字化けしますので、○に数字を入れた表示は、マル1、マル2などのように表します。

<今回のポイント>

売買損益の問題では、原価、定価、売価といった用語の使い分け、並びに公式を早く身に付け、これらを使って仕組みを理解しましょう。その上で、必修例題5,6は,しっかりと理解しましょう。

【対策ポイント1】

[必修例題1]
売買損益の公式の練習問題です。
(1) 原価は240円、利益率は2割5分(=0.25)ですから、
定価は、240×(1+0.25)=300より、300円です。
(2) 小数を使った利益率を□とすると、400×(1+□)=480となります。
よって、480÷400=1.2ですから、□=1.2-1=0.2より、0.2を歩合で表して、2割増しとなります。

[必修例題2]
同様に、売買損益の公式の練習問題です。
(1) 値引率は1割5分(=0.15)ですから、
売価(売り値)は、1200×(1-0.15)=1020より、1020円です。
(2) 小数を使った値引き率を□とすると、400×(1-□)=260となります。
260÷400=0.65ですから、□=1-0.65=0.35より、0.35を歩合で表して、3割5分引きです。

【対策ポイント2】

[必修例題3]
原価との差を考えて、利益や損(失)を求める問題です。

定価は、200×(1+0.4)=280円となり、売価は、280×(1-0.1)=252円です。
原価が200円ですので、252-200=52より、売価が原価より52円高いので、利益は52円となります。

 予習シリーズの75ページにもありますが、仕入れ値の4割と、定価の1割とでは、もとにする量がちがいますので、0.4-0.1=0.3から3割増し、という計算をしないように気をつけてください。(1+0.4)×(1-0.1)といった、割合の「連続したかけ算」(割合の合成といいます)になることを、よく理解してください。

[必修例題4]
計算の元となる原価を求める問題です。

原価を1として、公式の形で進めていきます。
定価は、1×(1+0.4)=1.4となり、この定価1.4を使って、売価は、1.4×(1-0.2)=1.12となります。
この売価である1.12と原価である1との差、1.12-1=0.12が利益です。
これが150円に相当しますから、150÷0.12=1250より、1とした原価は1250円と求められます。

【対策ポイント3】

[必修例題5]
定価を元にして、2通りの売価を表し、原価との差を考えます。
(1) 予習シリーズ75ページの解き方にある線分図を参照してください。
定価をマル1とすると、2割引きの場合の売価は、マル1×(1-0.2)=マル0.8となりますが、利益(売価-原価)は60円ですから、売価-利益=原価となりますので、原価は、マル0.8-60円と表すことができます。
また、3割引きの場合の売価は、マル1×(1-0.3)=マル0.7となり、損(原価-売価)が15円ですから、売価+損=原価となりますので、原価は、マル0.7+15円と表すことができます。
結果として、マル0.8-60=マル0.7+15と表されます。線分図の通り、マル0.8とマル0.7の差であるマル0.1が、60円と15円の合計75円に相当します。
マル0.1=75ですから、75÷0.1=750より、マル1である定価は750円とわかります。
(2) 定価が750円と求められましたので、2割引きの売価は、750×(1-0.2)=600円となります。よって、仕入れ値は600-60=540円です。

【対策ポイント4】

[必修例題6]
品物の個数が複数個あるときの売買損益の問題です。

完売(仕入れた個数がすべて売れること)していないときは、注意が必要です。
利益は、売り上げた個数分の売り上げ金額の合計から、仕入れた個数すべての仕入れ金額の合計を引いて計算します。つまり、利益=売り上げ金額-仕入れ金額、となります。
仕入れ金額は、原価200円に仕入れた個数100個をかけた、200×100=20000円です。それに対して、売り上げ金額は以下の2つで表されます。
(ア) 200×(1+0.25)=250より、250円の定価で、100-30=70個を売りました。
(イ) 80円を値引きした、250-80=170円の売価で、30-5=25個を売りました。
(ア)の売り上げ金額は、250×70=17500円です。(イ)の売り上げ金額は、170×25=4250円です。
(ア)と(イ)を合わせた、売り上げ金額の合計は、100-5=95個の分で、17500+4250=21750円です。
よって、95個分の売り上げ金額の合計から、100個分の仕入れ金額の合計を引きますので、21750-20000=1750より、利益は1750円です。
 この問題のように、売れ残りがあっても、利益の計算では、仕入れ金額の合計を売り上げ金額の合計から引くことに注意してください。

<算数 4年上 第8回>

第8回は『三角形の角』です。いろいろな形の三角形の角度について学習します。

<今回のポイント>

三角形の内角の和、外角の定理、また、特別な三角形である二等辺三角形、正三角形、直角三角形の角について、しっかり身につけましょう。この基礎が、四角形以上の多角形の角の問題に応用できます。

【対策ポイント1】

 予習シリーズ72ページの用語の説明をよく読みましょう。また,73ページの角の表し方も注意しておきましょう。

[例題1]
三角形の内角についての問題です。

 内角の和は、ア+54+45=180度ですから、180-54-45=81より、アの角の大きさは81度です。

[例題2]
三角形の外角の定理の問題です。

外角の定理により,ア=78+41=119度です。

この「外角の定理」は、とても重要です。言葉で表すと、「1つの外角はその外角ととなり合わない、残りの2つの内角の和に等しい」となります。
図形の角度を求める問題では、非常に多く使われますので、逆の使い方(外角が与えられている内角を求める)とともに、必ず理解して使えるようにしましょう。

【対策ポイント2】

二等辺三角形や正三角形の角度について、学習します。
予習シリーズ74ページから75ページの説明をよく読み、理解しましょう。

[例題3]

(1) 図の左側は、二等辺三角形です。二等辺三角形の等しい辺の足もとの角は底角とよばれ、「二等辺三角形の底角の大きさは等しい」という性質があります。
よって、ア+36+36=180度となりますので、180-36×2=108より、
アの角の大きさは108度です。
(2) 図の右側も、二等辺三角形です。42度の角を頂角とよび、その他の2つの角が底角なので等しい大きさです。
よって、42+イ+イ=180度となりますので、(180-42)÷2=69より、
イの角の大きさは、69度です。

【対策ポイント3】

 直角三角形・直角二等辺三角形について、学習します。
予習シリーズ75ページの説明をよく読みましょう。

[例題4]
直角三角形、またその代表といえる三角定規の角度の問題です。

 問題の(図2)の図形において、2つの三角定規(直角三角形)が重なっている部分の三角形に注目します。
この三角形を三角形Pと呼ぶことにすると、三角形Pの3つの角のうち、左側の角は、30度、60度、90度の直角三角形のうちの1つの角と同じ30度の大きさです。また、三角形Pの右側の角は、直角二等辺三角形の1つの角と同じですから、45度です。
よって、三角形Pの3つの内角の合計は、ア+30+45=180度ですから、180-(30+45)=105より、アの角の大きさは、105度です。

【対策ポイント4】

 複合図形について学習します。
 複合図形とは、三角形や四角形が組み合わさってできている図形です。

[例題5]
 正方形と正三角形を組み合わせた図形において、角を考える問題です。

(ア)  正方形の角ABCは90度で、正三角形の角EBCは60度です。
よって, 90-60=30より,ア=30度です。
(イ) 正方形と正三角形が1つの辺で重なっています。この2つの図形の辺はすべて等しい長さです。
辺ABと辺EBは等しい長さですので、三角形ABEは二等辺三角形になります。
角ア=30度より、底角である角BEAは,(180-30)÷2=75度です。また、角CEDは同様に75度で、角BECは正三角形の1つの角ですから60度です。
  よって、360-75×2-60=150 より、イ=150度です。

 

 

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