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第8回は『速さ(1)』です。速さと比、旅人算と比、を学習します。
速さと比の問題では、
(ア)速度が一定の場合、時間比と距離比は正比例(等しい)
(イ)時間が一定の場合、速度比と距離比は正比例
(ウ)距離が一定の場合、速度比と時間比は反比例(逆比)
メルマガでは、分数は、(分子/分母)の形で表します。また、速度計算では、混乱を避ける意味で、部分的に単位をつけて式を表していきます。
速度、時間、距離の3つの要素のうちのどれが一定かを見極めることが重要です。上に述べたように、何が一定かを読み取って、残りの2つの要素の関係(正比例か反比例か)を使って問題を解いていく思考がポイントになります。
[必修例題1(1)]
時間比=距離比/速度比 を利用します。
P地からQ地までの道のりの2/3を時速6kmで進み、残りの道のりを時速8kmで進んで、全体の時間が1時間28分かかるとき、PQ間の道のりを求める問題です。
道のり=速さ×時間ですから、2/3の区間にかかる時間を求めれば、道のりを求めることができ、全体の道のりを求めることができます。そこで、時間比を考えます。
2つの区間の時間比は、(2/3÷6):(1/3÷8)=8:3 となりますので、
時速6kmの速さで進んだ時間は、(1時間28分)÷(8+3)×8=(88分)÷11×8=64分です。
よって、6km×64/60時間=6.4kmとなります。この区間が全体の2/3ですから、
PQ間の道のりは、6.4÷2/3=9.6 より、9.6kmです。
[必修例題1(2)]
道のりが一定である場合の速さと比の問題です。
一郎君が家から学校へ行きます。同じ時刻に家を出て、分速60mで進むときには学校の始まる時刻に2分遅れ、分速75mで進むときには学校の始まる時刻の4分前に着きます。このとき、家から学校までの道のりを求める問題です。
家から学校までの道のりが同じですので,速度比と時間比は反比例します(逆比になります)。
速度比は、60:75=4:5 ですから、時間比は、1/4:1/5=5:4 となります。
ここで、同じ時刻に家を出ますので、学校が始まるまでの時間は一定です。2分遅れるときと4分早く着くときの差である、(2+4=)6分が、それぞれの速度でかかる時間の差になります(5:4の差)。
分速60mで進むときにかかる時間は、6÷(5-4)×5=30分と求められます。
よって、家から学校までの道のりは、60×30=1800 より、1800mです。
[必修例題4(1)]
池のまわりを動く旅人算の問題です。
同じ方向に走るA君がB君を追いこすのは、A君がB君より池1周分多く進んだときです。また、反対方向に走るA君とB君が出会うのは、2人合わせて池1周分進んだときです。
18分で追いこし、2分で出会いますので、2人の速度の差と、2人の速度の和を比にすると、1/18:1/2=1:9となります。
和差算を考えて、速度比は、A君:B君={(9+1)÷2}:{(9-1)÷2}=5:4
出会うまでの時間(2分)が一定ですから、速度比=距離比です。そこで、A君とB君の出会うまでに進んだ距離をそれぞれ、5と4とすると、池の1周の距離は、5+4=9です。
A君は5の距離を2分で進みますので、池1周の距離9を進む時間は、2分÷5×9=3.6分 より、3分36秒です。
[必修例題4(2)]
平行になっている線路と道路を、電車と自動車が動く場合の旅人算です。
等しい距離での、時間比から速度比を求めます。
「15分間かくで運転されている電車」とは、電車の速度で15分間に進む距離の分だけ離れて、電車と電車が動いていることを意味しています。
「電車と自動車が10分ごとにすれちがう」ということは、前の電車が走っている位置にいる自動車と次の電車が、向かい合って進むときに10分ですれちがうということです。
このことは、電車が(15-10=)5分で進む距離を、自動車が10分で進むということになります。予習シリーズ105ページの解き方にある図を参考にしてください。
青の矢印でかかれた電車が(15-10=)5分で進む長さと、黒の矢印でかかれた自動車が10分で進む長さが同じになります。矢印の向きが逆でも、長さとしては同じになることに気をつけてください。
速度比は、同じ距離を進むのにかかる時間比の逆比ですから、電車と自動車の速度比は、1/5:1/10=2:1です。
第9回は『差集め算』です。例えば、5人の子どもに折り紙を配る場合を考えます。2枚ずつ配る場合と、4枚ずつ配る場合では、配る折り紙の合計枚数には、10枚の差ができます。これは、子ども1人について2枚ずつの差ができて、この2枚ずつの差が5人分で、10枚となるわけです。
つまり、1人についての枚数の差(1つ分の差)に人数(いくつ分)をかけると、全体の枚数の差(全体の差)を求めることができます。
このように、「(1つ分の差)×(いくつ分)=(全体の差)」の仕組みを使って解く問題を差集め算といいます。解法としては、(いくつ分)をそろえて考えます。
各問題の解説にある図を参照して下さい。
上に述べた、(1つ分の差)、(いくつ分)、(全体の差)を読み取る、あるいは問題文の条件から求められるかが重要です。以下の内容をしっかり理解して進みましょう。
差集め算の基本を学習します。
[必修例題1]
1個50円のリンゴを買う予定を、1個30円のミカンに代えたことで、180円のあまりがでました。
リンゴ1個50円とみかん1個30円の差が(1つ分の差)です。同じ個数(いくつ分)を買ったときの、(全体の差)は、あまりの180円になります。
そこで、買った個数を□個として、整頓すると、(50-30)×□=180となります。□=180÷20=9より、買った個数は9個です。よって、1個50円のリンゴを9個買うつもりで持っていったお金は、50×9=450より、450円でした。
差集め算では、最後に何を求めるのか、個数なのか代金なのか、といった点にも十分に注意しましょう。
全体の差は、いくつかを考える。
[必修例題2]
あまった枚数と不足した枚数から、全体の差を考えて、解く問題です。
用意した折り紙を○枚とします。17枚のあまりがあるということは、配る枚数は、(○-17)枚です。また、9枚不足するということは、配る枚数は、(○+9)枚です。この差が、全体の差で、(17+9)枚となります。
1人分の差は(7-5)枚、子どもの人数を□人として、整頓すると、(7-5)×□=(17+9)となります。よって、□=26÷2=13より、子どもは13人います。
問われているのは折り紙の枚数ですので、5枚ずつ配る場合を考えて、5×13+17=82より、折り紙は82枚あります。
[必修例題3]
あまりの数や不足の数から、全体の差を考える問題です。
(1) えんぴつを□人の生徒に配ります。3本ずつ配ると60本あまり、2本追加して(5本)配ると、4本あまります。このことは、1人分の差(1つ分の差)は2本で、全体の差は(60-4)本ということになります。
整頓すると、2×□=(60-4)となります。
□=56÷2=28より、生徒の人数は、28人です。
(2) カードの枚数を○枚とします。8枚ずつ配るためには、(○+25)枚が必要で、5枚ずつ配るためには、(○+4)枚が必要です。よって、全体の差は(25-4)枚となります。
子どもの人数を□人として、整頓すると、(8-5)×□=(25-4)となります。
□=21÷3=7より、子どもは7人います。
[必修例題4]
不足する個数を考える問題です。
かごにクリを9個ずつ入れていくと、5個しか入っていないかごが1個と、何も入っていないかごが2個できる場合、□個のかごにすべて9個ずつ入れるためには、何個不足するかを考えます。
(9-5)+9×2=22より、22個不足することになります。予習シリーズ85ページの解説図をよく見て、何も入っていないかごをどのようにあつかうかに注意しましょう。
また、かごにクリを7個ずつ入れる場合にはクリは、16個あまります。よって、全体の差は(22+16=)38個とわかります。
整頓すると、(9-7)×□=38となります。
□=38÷2=19より、かごの個数は19個となりますので、7×19+16=149より、クリの個数は149個です。
(いくつ分)の数がそろっていない場合の問題です。
難易度が上がりますので、式の立て方をしっかり理解するようにしましょう。
[必修例題5]
予定の個数を□個として、1個45円のたまごを□個買うときの金額と、1個35円のたまごを予定通り、□個買うときの金額をくらべます。
1個35円のたまごを(□+2)個買って、50円があまりましたので、□個買ったことにする(2個減らす)と、35×2+50=120円あまることになります。
1個45円のたまごと1個35円のたまごをそれぞれ等しく、□個買ったときの全体の差は、120円です。
整頓すると、(45-35)×□=120となります。
□=120÷10=12より、予定の個数は12個と求められます。よって、45×12=540より、持って行ったお金は、540円です。
[必修例題6]
難易度の高い問題です。予習シリーズ86ページの解説図を参照してください。
買うミカンの個数11個を、買ったリンゴの個数である8個にそろえます。
ミカン1個とリンゴ1個では、15円の差がありますので、(いくつ分)をそろえて、8個ずつ買ったとすると、15×8=120円の差ができますが、これが8個ずつ買ったときの(全体の差)です。
ここから、ミカンは(11-8=)3個分の代金があまり、リンゴは30円があまりますので、ミカン3個分の代金と30円の差が、それぞれを8個ずつ買ったときの(全体の差)である120円に相当します。
よって、(ミカン3個分の代金)-30=120円となりますので、(120+30)÷3=50より、ミカンは1個50円とわかります。以上より、50×11=550ですから、持っているお金は、550円です。
とりちがえの問題です。
[必修例題7]
予習シリーズ87ページの解説図を参照してください。このタイプの問題はテストで頻出です。式を丸暗記するのではなく、なぜその式になるのか、といった理由まで確認するようにしましょう。
例えば、50円切手を80円切手より1枚多く買う予定が、逆に80円切手を50円切手より1枚多く買ったとすると、とりちがえにより、80-50=30円高くなります。
問題にもどります。予定の代金より実際の代金が、180円高くなるのは、180÷(80-50)=6より、6枚分をとりちがえたからとわかります。
また、とりちがえた結果、代金が高くなるということは、もともとは50円切手を80円切手より6枚多く買う予定だったことになります。どちらを多く買う予定だったかを間違わないように気をつけてください。
合わせて20枚買いますので、和差算で、(20+6)÷2=13より、50円切手を13枚買う予定でした。
第9回は『いろいろな四角形』です。いろいろな四角形の角度・長さ・面積を学習します。予習シリーズ82ページの説明をよく読んでください。各図形どうしの辺や角度の関係も大切な内容ですので、図形の性質を表した流れ、またベン図も理解しておきましょう。
中心になるのは面積計算ですが、角度の問題も大切です。ていねいに理解して進めましょう。
[例題1]
台形、ひし形の角度を求める問題です。
角度問題は,平行線の性質や特別な三角形の性質を利用します。
台形ABCDでは、辺ADと辺BCは平行になっていますので、平行線の性質を利用して、ア+81=180となります。(同側内角の和は180度)
よって、180-81=99より、ア=99度です。
ひし形は4つの辺の長さがすべて等しいので、辺EFと辺EHは等しく、三角形EFHは二等辺三角形となります。ですから、角EHF=角EFH=37度で,よって、角E=180-37×2=106度とわかります。
ひし形は、平行四辺形と同様に、向かい合う角の大きさは等しいですから、角E=角Gです。よって、イ(角G)=106度です。
正方形、長方形の面積計算を学習します。
予習シリーズ84ページ、例題の前にある説明をよく理解しましょう。
[例題2]
(1) 公式「正方形の面積=1辺の長さ×1辺の長さ」
5×5=25より,25平方cmです。
(2) 公式「長方形の面積=たての長さ×横の長さ」
7×4=28より、28平方cmです。
平行四辺形、台形、ひし形の面積の求め方を学習します。これらの図形は、長方形を変化させてできた図形ですので、面積の公式も、長方形の面積の求め方から出発しています。
予習シリーズ85,86ページの、公式の成り立ちを理解して、必ず使えるようにしましょう。
また、底辺と高さの関係は、必ず、直角になっていることに注意してください。
[例題3]
平行四辺形、台形、ひし形の面積を求める問題です。
ア 「平行四辺形の面積=底辺×高さ」
底辺と高さは、垂直の関係になっていることを注意しましょう。6cmを高さとしないよう注意しましょう。
9×5=45より、平行四辺形の面積は、45平方cmです。
イ 「台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2」
上底とは上にある底辺、下底とは下にある底辺のことです。
(5+13)×6÷2=54より、台形の面積は、54平方cmです。
ウ 「ひし形の面積=対角線×対角線÷2」
7×16÷2=56より、ひし形の面積は、56平方cmです。
複合図形の問題です。複合図形とは、2つ以上の図形を組み合わせてできている図形で、長さや面積の公式を工夫して考える問題です。
[例題4]
(1) この図形のまわりの長さは,へこみのない長方形のまわりの長さと等しくなります。(予習シリーズ解き方を参照して下さい。)
したがって、まわりの長さ82㎝は、長方形のたて16㎝、横x㎝より、
(16+x)×2=82 と整とんできます。
逆算して、16+x=82÷2=41、よって、41-16=25 より、x=25cmです。
(2) この図形の面積を、へこみのない長方形の面積から、へこみの部分の長方形の面積をひいて求めます。16×25-8×12=304平方cmです。
また、この図形を直線ABによって、2等分した左側の図形は台形です。
台形の面積は、この図形の面積を2等分したものですから、304÷2=152平方cmです。
そこで、この台形の面積について、
上底=25-12=13cm、下底=ycm、高さ=16cmより、
(13+y)×16÷2=152 と整とんできますので、
逆算して、13+y=152×2÷16=19、よって、19-13=6 より、y=6cmです。
問題演習を重ねて、公式を固めるようにしましょう。このとき、途中式を、公式の通りにできるだけ1つの式で書くことで、公式が覚えられます。また、くり返しますが、底辺と高さは、垂直の関係になっていることを忘れないでください。このことは、問題の図にある直角のマークがヒントになる、ともいえます。
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