No.1035 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数上対策ポイント 4・5年生(第10回)6年生(第9回)

<算数 6年上 第9回>

第9回は『総合回』です。今回は、基本問題・練習問題を通して、大切と思われる問題を取り上げます。なお、メルマガでは、分数は(分子/分母)の形で表します。

<今回のポイント>

 総合回です。まずは基本問題を解いて、弱点を発見しましょう。その上で、練習問題に触れて、思考力・知識力を身に付けましょう。

【対策ポイント1】

 立体図形の問題を考えます。

[基本問題3]
 直方体から2個の三角すいを切り取った立体について、体積と表面積を求めます。

どのように切り取ったのか想像ができない場合には、予習シリーズ別冊解答解説52ページの図を参照して下さい。ただし、どのような立体になるのかを考えることも、中学入試に必要です。
(1) 切り取った三角すい1つは、1辺6cmの正方形の底面を対角線で2つに分けた直角二等辺三角形を底面として、高さは直方体の高さである12cmです。この三角すい2つの体積を直方体の体積から引くことになります。
6×6×12-6×6÷2×12÷3×2=432-144=288 より、体積は、288立方cmです。
(2) 表面は、(ア)正方形である底面と、(イ)もとの直方体の残りである底辺6cm、高さ12cmの三角形4つが側面にあり、(ウ)切り取った三角すいの切断面が2つです。
ここで、(ウ)の面積が重要です。切り取った三角すいは、底面の1辺の長さと高さが1:2になっている特別な三角すいです。予習シリーズ81ページの基本問題3を参照して下さい。
(ア)6×6=36平方cm、(イ)6×12÷2×4=144平方cm、(ウ){12×12-(6×6÷2+12×6÷2×2)}×2=108平方cm
よって、36+144+108=288 より、表面積は、288平方cmです。

[練習問題1]
 円すいを高さの半分のところで底面に平行な面で2つに切り分けた立体について考える問題です。

(1) 2つに分けた上の立体を立体a、下の立体を立体bとしたときの、体積比を求めます。
もとの円すい(a+b)と、立体aは相似です。その相似比は、高さから2:1とわかります。相似比が2:1のとき、体積比は(2×2×2):(1×1×1)=8:1となります。
よって、体積比a:b=1:(8-1)=1:7です。
(2) もとの円すいの展開図から、側面のおうぎ形を考えます。側面のおうぎ形の中心角は、360×(底面半径/母線)の公式より、360×3/12=90度となり、四分円です。
円すいを2つに分けた下の立体bですので、側面の四分円も半径6cmの四分円を切り取った図形です。この図形から、最短に巻きつけた糸の下の部分を取り除いた面積を求めます。予習シリーズ別冊解答解説52ページの図を参照して下さい。
  糸の下の部分を取り除いた図形は、直角二等辺三角形で、その面積から半径6cmの四分円の面積を引いた面積になります。
  12×12÷2-6×6×3.14÷4=43.74 より、面積は、43.74平方cmです。

【対策ポイント2】

 数と規則性の問題を考えます。

[練習問題3]
 倍数の個数を考える問題です。

 2、3、5、7で割り切れる数は、それぞれの数の倍数です。1から100までの整数を書いたカードから、2、3、5、7の倍数を取り除いた後に残っているカードは何枚あるかを求める問題です。
 普通に考えていくと、とても煩雑です。そこで工夫した考えで進めていきます。
 割り切れない数を書き出していきますが、2、3、5の3数で割り切れない数を、この3数の最小公倍数である30までで書き出してみます。
{1、7、11、13、17、19、23、29}の8枚あります。この続き数は、この8個の数それぞれに30を加えた、31、37、41、…となり、結局、残るカードの数は、100までの数を30で割ったときに、{ }の中の数があまりとなる数です。
よって、100÷30=3組あまり10 で、8枚ずつ3組と、あまりの10の中に、1と7の2枚ありますので、8×3+2=26枚が割り切れずに残るカードです。
 ここから、7で割り切れるカードを除かなければなりません。(7×1=)7、(7×7=)49、(7×11=)77、(7×13=)91 が除かれますので、4枚少なくなります
結果、26-4=22 より、最後に残っているカードは、22枚です。

【対策ポイント3】

 速さの問題を考えます。

[練習問題2]
 周囲1.6kmの湖のまわりを兄と弟が走る旅人算の問題です。

(1) 弟が出発した4分後に同じ場所から兄が出発して、5分後に弟に追いつきます。
出発した地点から、追いつき・追いつかれた地点までの道のりは同じですから、速さ比と時間比は反比例になります。
この道のりを、弟は(4+5=)9分、兄は5分で進みますので、兄と弟の時間比は、5:9で、その逆比である1/5:1/9=9:5 より、速さ比は、9:5です。
(2) 弟が2周する時間と、兄が3周する時間の比は、道のりの比÷速さ比ですから、2/5:3/9=6:5で、この時間の差は2人の出発する時間の差である4分です。
4÷(6-5)×5=20 より、兄の3周する時間は20分となり、600m×3÷20=240m より、兄の速さは、分速240mと求められます。
兄は、弟を追いこすまでに5分かかりますので、240×5=1200 より、出発地点から、1.2kmのところです。

<算数 5年上 第10回>

第10回は『総合』です。基本問題において、第6回から第9回までの基本が理解できているか、確認しましょう。

<今回のポイント>

総合回ということで、練習問題を中心に進めてみます。解くための基本は、基本問題と同じです。問題内容を丁寧に読み解き、整頓することで、正答につなげられます。

【対策ポイント1】

[基本問題 第6回・円(2)の第3問]
円に関連した長さや面積の問題です。
(1) 頂点Bを中心とする四分円の半径をa cm、頂点Cを中心とする四分円の半径をb cmとします。頂点Dを中心とする四分円の半径は2cmです。
aとbの和は、辺BCの長さですから、a+b=10cmです。また、aとbの差は、長方形のたての長さを考えると(AB=CD=aより)、a-b=2cmです。
和差算の考えにより、aの長さは、(10+2)÷2=6cmとわかります。また、bの長さは、10-6=4cmです。和差算の考え方はこのように他の単元で用いることが多くありますので、注意してください。
かげの部分のまわりの長さは、3つの四分円の弧の長さと、辺AD上の直線の長さの合計です。 (6+4+2)×2×3.14÷4+(10-2)=6×3.14+8=18.84+8=26.84より、かげの部分のまわりの長さは、26.84cmです。
なお、まわりの長さを求める問題では、鉛筆やシャープペンでまわりをなぞることをお勧めします。まわりをなぞることで、まわりの長さにはどの部分が含まれるかがミス無くわかります。弧の長さに気が向いて、半径などの直線部分を入れないミスが多くありますので気をつけましょう。また、この問題の前の第2問でも、まわりをなぞることで、つながる部分が判断できて、計算がまとまります。
(2) 長方形の面積から3つの四分円の面積を引いて求めます。
長方形の面積は、6×10=60平方cmです。3つの四分円の面積の合計は、(6×6+4×4+2×2)×3.14÷4=14×3.14=43.96平方cmです。よって、60-43.96=16.04より、かげの部分の面積は、16.04平方cmです。
ここでの計算式のように、円周率の入った計算では、できる限り3.14を最後に計算することを心がけましょう。

【対策ポイント2】

[練習問題の第2問]
食塩水の問題です。なお、分数は分子/分母の形で表します。
(1) 6%の食塩水120gに含まれる食塩の重さは、120×6/100=7.2gです。また、15%の食塩水240gに含まれる食塩の重さは、240×15/100=36gです。
2種類の食塩水を混ぜると、食塩の重さは7.2+36=43.2gになり、食塩水の重さは120+240=360gになります。
よって、43.2÷360×100=12より、食塩水Aの濃さは、12%です。
(2) 変わっていない量が何かに注目しましょう。食塩水のうち何gかを捨てて、同じ重さの水を加えますから、最後の食塩水の重さは、初めの食塩水の重さと同じ360gです。また、濃さが8%になりましたので、360×8/100=28.8より、食塩の重さは28.8gになっていて、このことから、捨てた食塩水の中に、(7.2+36-28.8=)14.4gの食塩が含まれていたことになります。
この捨てた食塩の14.4gは、濃さが12%の食塩水でしたから、捨てた食塩水の重さを□として、整頓すると、□×12/100=14.4となります。
よって、□=14.4÷12/100=120より、捨てた食塩水Aは120gとわかります。
このような食塩水の問題では、過程をしっかり式にできるように、練習を重ねましょう。

【対策ポイント3】

[練習問題の第4問]
売買損益の問題です。
利益=売価(売った値段)-原価(仕入れた値段)です。求めるものは仕入れ値ですが、定価から求める流れで進めましょう。
(1) 定価の3割5分引きで売るとは、割合にして定価の1-0.35=0.65で売ることになり、同様に定価の4割引きで売るとは、定価の0.6で売るということです。
原価はどちらの場合も同じですから、利益の差は、定価の0.65と0.6の差ということになります(ここが、ポイントです)。よって、(130-20)÷(0.65-0.6)=110÷0.05=2200より、定価は2200円です。
ここで、定価の0.65で売ると130円の利益になりますから、2200×0.65-130=1430-130=1300より、原価(仕入れ値)は、1300円です。売買損益の問題では、最後に何を求めるのかに細心の注意を払ってください。
(2) 仕入れた個数80個をすべて定価で売ると、(2200-1300)×80=72000円の利益になりますが、実際の利益は56600円です。
この差の72000-56600=15400円は、定価の2割引きによって、利益が減少したものです。
定価の2割は、2200×0.2=440円ですから、15400÷440=35より、35個は値引きして売ったことがわかります。よって、80-35=45より、定価で売ったのは45個です。
なお、この問題の解法は、つるかめ算によるものです。

【対策ポイント4】

[練習問題の第5問]
差集め算の問題です。
個数と代金どちらも値が異なるところが複雑ですので、個数をそろえて考える方針で進めます。

文字を使って整頓します。チョコレートをA個買ったとすると、アメは(A+6)個買ったことになります。また、アメの代金をP円とすると、チョコレートの代金は(P+150)円となります。
式にすると、アメは20円×(A+6)=P円、チョコレートは50円×A=(P+150)円となります。
買った個数をチョコレートのA個にそろえると、アメの代金は、6個分安くなりますから、(P-20×6)円、つまり(P-120)円となります。
個数の差と代金の差の関係をわかりやすくするためには、アメの20円×A=(P-120)円と、チョコレートの50円×A=(P+150)円、という2つの式を縦に並べてかくとよいでしょう。アメとチョコレート1個ずつの値段の差(1つ分の差)は50-20=30円で、代金の差(全体の差)は、120+150=270円です。よって、A=270÷30=9より、買ったチョコレートの個数は、9個と求められます。

<算数 4年上 第10回 >

第10回は『総合』です。基本問題において、第6回から第9回までの基本が理解できているか、確認しましょう。

<今回のポイント>

総合回ですので、少しレベルをあげた練習問題を取り上げます。解くための基本は学習済みの内容で、この内容をどのように使っていくか、という部分を理解して進めましょう。
また、面積の単位をしっかり身に付けましょう。

【対策ポイント1】

 面積の単位を学習します。
 予習シリーズ96ページの説明をよく理解しましょう。

 面積の単位は、長さの単位を利用して、平方cm、平方m、平方kmを使ってきました。ここでは、面積特有の単位を学習します。面積特有の単位には、a(アール)、ha(ヘクタール)があります。
 長さの単位を利用した面積単位と面積特有の単位の関係を理解しておいてください。
この関係は、正方形の面積を使って理解することができます。
1辺の長さ1mの正方形の面積は1平方mです。この1辺の長さ1mを10倍した、1辺10mの正方形の面積は、10×10=100平方mで、この広さが1aとなっています。
 つまり、1辺1mの正方形の面積1平方mから、1辺を10倍すると、面積は100倍になり、面積単位が、1aとなります。
 その後も同様に、1辺の長さを10倍すると、面積は100倍になり、そのときに面積単位が変わっていきます。
 まとめると、1平方m →(100倍) 1a →(100倍) 1ha →(100倍) 1平方km

[基本問題 第13問]
 面積単位の問題です。
この機会に、解いて理解しましょう。

【対策ポイント2】

[練習問題 第3問]
小数や分数の問題です。分数は、分子/分母の形で表します。
単位のついていない分数と、単位のついている分数の違いに注意しましょう。
(1) 単位のついている、3/5mは、1mの3/5ということです。1m=100cmで、3/5は、5等分したうちの3つ分ということです。
よって、3/5mは、100÷5×3=60より、Aさんが取ったリボンは60cmです。
(2) はじめのリボンの長さは1.5m=150cmですから、Aさんが取った残りのリボンの長さは、150-60=90cmです。
90cmの5/6(単位がついていません)は、90÷6×5=75cmで、これより2.5cm短い長さは、75-2.5=72.5となりますので、Bさんは、72.5cmの長さのリボンを取りました。
よって、90-72.5=17.5より、リボンは17.5cm残りました。

【対策ポイント3】

[練習問題 第4問]
 四角形、三角形の角度問題です。

 正方形、正三角形はどちらも辺の長さがすべて等しい図形です。
(1) 三角形CDEは、辺CDとCEの長さが等しいので、二等辺三角形です。
そして、角DCEは、正方形の角90度から正三角形の角60度を引いた30度です。
よって、(180-30)÷2=75 より、角CDEの大きさは75度です。
(2) 角DEF=角CED-角CEF として考えます。
角CED=角CDE=75度
三角形CEFは、辺CEとCFが等しく、角ECF=角DCE+角DCF=30+60=90度ですので、直角二等辺三角形です。よって、角CEF=(180-90)÷2=45度となります。
したがって、角DEF=角CED-角CEF=75-45=30 より、角DEFは30度です。

 角度問題は、二等辺三角形や正三角形など特別な三角形の角を利用することが多いです。これらの三角形は、等しい長さの辺を持っています。ですから、等しい辺を見つけることが大切です。そのため、図の中で、長さが同じ辺には同じマークをつけることを習慣としましょう。

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