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ホームメールマガジン宝箱合格に導く魔法の本棚No.1066 2022年入試で注目必至!韓国の話題作家が描く中学生四人の友情物語『ミカンの味』チョ・ナムジュ[著]、矢島暁子[訳](朝日新聞出版)予想問題付き!

No.1066 2022年入試で注目必至!韓国の話題作家が描く中学生四人の友情物語『ミカンの味』チョ・ナムジュ[著]、矢島暁子[訳](朝日新聞出版)予想問題付き!

amazon『ミカンの味』チョ・ナムジュ[著]、矢島暁子[訳](朝日新聞出版)

 映画化もされ大きな話題となった『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者であるチョ・ナムジュによる、中学生四人の友情、悩みや挫折、成長を描いた傑作です。それぞれに悩み、過去の出来事をきっかけとした心の痛みを抱えた四人の中学生女子が、学校の映画部に入部したことがきっかけで出会い、時にぶつかり合い、時に支え合いながら過ごす日々がつづられています。
 中学受験の国語で海外の作家による作品が出題されることは、国内の作品と比べると決して多くはありませんが、受験生の皆さんと同じ世代の人物が主人公になったり、友情や家族といった頻出テーマを題材とした作品などは、出題の対象となる可能性が十分に高くあります。例えば海外の作品を多く出題することで知られる栄光学園中では、2012年度から2021年度の10年のうち5回(2012、2013、2014、2017、2020年度)、海外作品が出題されています。その他にも一部ではありますが、以下のような作品の出題が例として挙げられます。

・慶應普通部2016年度『スモーキー山脈からの手紙』バーバラ・オコーナー[著]、こだまともこ[訳]
・鷗友学園女子中2017年度『テオの「ありがとう」ノート』クロディーヌ・ル・グイック=プリエト[著]、坂田雪子[訳]
・海城中2017年度『書店主フィクリーのものがたり』ガヴリエル・セヴィン[著]、小尾美佐[訳]
・東京女学館中2016年度『カモメのジョナサン 完全版』リチャード・バック

 本作品も海外の作品にはなりますが、描かれているのは中学生女子が心を通わせる物語であり、普段から海外の作品を読み慣れていないお子さんにも十分に理解できる内容であることから、来年度の中学受験で出題対象になる可能性がとても高いと考えられます。

【あらすじ】

≪主な登場人物≫
チャ・ソラン(もの静かなタイプで、自分の平凡さにコンプレックスを抱いている。)
キム・ダユン(成績優秀でクラスの中で目立つタイプ。重い病気の妹がいる。)
イ・ヘイン(素直に人と接することができないタイプ。父親の事業失敗が原因で引っ越しをすることになる。)
ソン・ウンジ(優しく、人と分け隔てなく接することができるタイプ。過去にいじめに遭った経験を持つ。)
ジア(ソランの保育園からの幼なじみ)

≪あらすじ・『ソランの話』≫
※本作品は、四人それぞれの物語を描いた章と、四人の交流が描かれた章で構成されています。ここではその中の、「ソランの話」の章について取り上げます。
 保育園の頃からの幼なじみであったソランとジアですが、五年生の頃にジアが引っ越すことになります。別々の町に暮らしていても同じ塾に通っていた二人ですが、ソランはジアの様子に異変を感じます。ジアは引っ越し先での生活の多忙さに追い詰められていたのでした。

【中学受験的テーマ】

 本作品の中学受験的テーマは、「友人関係」です。ソランが幼なじみのジアとの友人関係の変化をどのように感じているのか、ソランの言葉を追いながら変化の内容を的確に把握することがポイントです。
 これから予想問題をご紹介しますが、この予想問題は順番に解き進めることで、ソランとジアの友人関係の変化を時間の流れにそって理解することができるように作成しています。  
  まず問題を解いて、正解であっても間違いであっても、必ず≪解答のポイント≫を読んで、変化の過程を確認してください。

【出題が予想される箇所】
P.50からP.74の「ソランの話」の以下の部分
・P.50の1行目からP.67の9行目
・P.62の5行目からP.74の13行目

 前半は、ジアとソランの保育園時代から小学五年生になってジアが引っ越すことがソランに告げられるまで、後半は映画館で起きた出来事がきっかけとなり、二人が離れ離れになってしまうまでの日々の様子が描かれています。

≪予想問題1≫
P.63の11行目「とても小さな石ころが一つ靴の中に入ったみたいな気分だった。」とありますが、ここでのソランの気持ちを50字前後で説明しなさい。
≪解答のポイント≫

 まず、ジアに引っ越すことを告げられてからのソランの心情の流れをつかんでおきましょう。
 引っ越しについて伝えられたソランは、ジアに連れられて二人が通っていた保育園に訪れます。ここで以下のような表現が見られます。

一度も見たことのない景色が、ソランの頭にすごく鮮明に浮かんだ。(P.57の7行目)

 この後に、夕焼け空の下でしっかりと手を握り合う二人の女の子の姿が描写されます。この二人はもちろん保育園時代のソランとジアなのですが、その頃に見た景色をソランもジアもまだ幼かったこともあり、はっきりとは覚えていないために、「一度も見たことのない景色」とした表現になっています。当時の景色をはっきりとは覚えていないけれど、手を握り合って日々を過ごす程にジアと親しくしていたことをソランが鮮明に覚えている、と解釈できます。
 そして、その後に以下の一文が記されるのです。

あなたがいて良かった。(P.57の9行目)

 幼い頃からソランにとってジアが、欠けがえのない存在であったことがわかります。

 その後、ソランとジアは離れた場所で暮らしますが、同じ塾に通うことでつながりは保たれていました。ところが、二人で映画館に行った際に、その関係に変化が生まれます。
 問題になっている部分は、映画を見ながらソランがジアに言葉を投げかけた際に、返事もせずに、ただスクリーンを見つめているジアの姿を見てソランが抱いた心情になります。
 この段階では、ジアがなぜ映画に集中できていないのかをソランは理解できていません。ただ、映画が始まる前からあくびをしたり、どこか上の空でいるジアの姿に、一緒にいながらも違和感を抱いていることが読み取れます。ソランがジアに対して怒りなどの強い感情を抱いているのではなく、心が落ち着かない状態であることに注意して答案を作成しましょう。

≪予想問題1の解答≫

 映画を見てはいるが、明らかに集中していないジアが何を考えているのかが理解できず、落ち着かない気持ち。(50字) 

≪予想問題2≫
P.66の16行目「取りつかれたように電話に出た。」という行動から、ソランがジアの状態を気にかけていることがわかります。これより後の箇所に、同じようにジアのことを心配しているソランの行動が示された一文があります。その一文を抜き出し、最初と最後の5文字を答えなさい。句読点も字数に含めます。
≪解答のポイント≫

 予想問題1の場面に続けて、ソランとジアの関係の変化について確認して行きましょう。
 ジアが映画館で、自分に隠れて塾の宿題をしていたことを知ったソランは、ジアが引っ越し先で日々の忙しさに追い詰められていることを知ります。以下の一文に、ジアの状況を不安に感じるソランの心情が表されています。

人は誰でも変わるものだし、しかも私たちは成長し続けている最中だから。私も変わっているのだろう。でも今、ジアは自然な方向と速度で変わっているのだろうか。(P.57の8行目から10行目)

 お互いの成長に伴って、ジアとの関係が変化するのは避けられないと理解しているソラが、ジアの行動に失望や怒りを感じるよりも、不安や寂しさを募らせている点に注意しましょう。
 映画館での出来事がきっかけで、ソランとジアは会うことがなくなります。予想問題2は、夜中にジアの母親からソランに電話がかかってきた場面からの出題になります。
 母親からの電話を通して、ジアの様子を知りたいソラン。以下の一文にそんなソランの心情が込められています。

この電話がジアとつながっている細い糸のように感じられ、電話を切ったら、その糸もぷつんと切れてしまいそうだった。(P.67の11行目から12行目)

 ソランの「心情」を的確に表した文章ではありますが、問題が求めているのはソランの「行動」です。この一文を答えとしないように注意しましょう。
 この一文の少し前に、ソランが電話の向こうにいるであろうジアの声や気配だけでもうかがい知ろうとしている次の一文がありますので、その最初と最後の5文字が答えになります。

何か手がかりを得られるのではないかと、電話の向こうのよく聞こえもしない雑音に全神経を集中した。(P.67の7行目から8行目)

 解答の際には、句読点も字数に含めることに十分注意してください。

≪予想問題2の解答≫

(最初の5文字)何か手がか
(最後の5文字)集中した。

≪予想問題3≫

 

P.69の16行目「ジアもあの赤い月を見ているのだろうか。」とありますが、この時のソランの様子を説明したものとして、最も適切なものを次の中から選び、記号で答えなさい。

ア.ジアとの友人関係が壊れたのは、自分がジアの母親との連絡を絶ったことが原因であると、自分を責めている。
イ.すでに友だちではなくなったジアのことを、いつまでも考え続けてしまっている自分にいら立ちを感じている。
ウ.遠く離れた国にいてもジアを大事に思う気持ちは変わらず、ジアが元気でいることを心から祈っている。
エ.ジアとの連絡を途絶えさせたことを悔やみながらも、自分に隠しごとをしたジアの気持ちが理解できないままでいる。

 

≪解答のポイント≫

 ジアが学校生活にも支障をきたしたことで、ジアの家族は韓国を離れて他の国に移ります。ソランの元にはジアの母親から何度も電話が入りますが、ジア本人が電話に出ることはありませんでした。やがてソランはジアの母親に電話をしないように伝え、そこでソランとジアの関係は途絶えてしまいます。
 韓国でブラッドムーン(赤い月)が観測された夜、月を見ながらソランが抱いた心情が問題の対象になっています。
 問題となった箇所の後に、ソランがジアの母親との連絡を絶った自分に非があると感じている表現があります。「生まれて初めて仲良くなった友だち(P.70の7行目)」など、ジアとの思い出を振り返る言葉を並べた後に続く、以下の表現です。

ジアのことを説明する表現があまりに多く、そんな人は他にいなかった。こうやって関係が終わってしまったのは、自分に責任があると思った。(P.70の10行目から11行目)

 ジアが自分にとって大事な存在であることを改めて認識し、そのジアとの関係を終わらせてしまったのは自分に責任があると、ソランが後悔しています。
 ただ、その後に以下のような表現も見られます。

ジアはあの時、なぜあんなことをしたのだろう。ジアにとって私は何だったのだろう。(P.70の15行目から16行目)

 ここから、ソランの心の中には、ジアとの関係を途絶えさせてしまったことを後悔する気持ちと、いまだにジアがとった行動が理解できないままにいる戸惑いの気持ちがあることがわかります。よって答えはエとなります。
 選択肢の中で、アには自分の行動を悔いる内容は含まれていますが、ジアの行動を振り返る要素が含まれていません。解答にあたっては、問題の該当部の近くだけで判断をするのではなく、人物の心情についての表現を幅広く見渡すように注意しましょう。

≪予想問題3の解答≫

【最後に】

 韓国の作品ではありますが、描かれている友人関係は日本の子どもたちと大きく変わらないものばかりですので、小学6年生(読書好きであれば5年生も)のお子様もリアリティを感じながら読み進められるでしょう。今回ご紹介した箇所には韓国ならではの文化的要素は多く含まれていませんが、作品全体を読み通すと受験をはじめとした学校制度や、食卓の風景など、日本との文化の違いも鑑賞することができます。中学受験頻出の友人関係の変化を読み取る練習になるだけでなく、日本とは異なる国の文化習慣に触れる機会にもなる貴重な一冊です。

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