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第2回は比(2)です。比例式と比例、逆比と反比例、倍数算を学習します。
まずは、比例式の学習です。比例式とは、2組の比が等号で結ばれた式のことで、比の値(前項÷後項)が等しくなっています。ここで学習する比例式は、比の問題を解く場面において、とても利用度の高い計算方法です。分数・小数のかけ算・わり算も含めて、比例式の性質(外項の積は内項の積に等しい)を使えるようにトレーニングしておきましょう。
また、倍数算は、比の1あたりの量が異なった2組の比を、1あたりの量を等しく(統一)させて考える問題です。なお、分数は、分子/分母の形で表示します。
倍数算をきちんと理解しましょう。倍数算は、一方が不変、和が不変、差が不変の3パターンがあります。問題文を丁寧に読んで、何が不変かを読み取ることが重要です。
比例式と比例について学習します。予習シリーズ17ページの説明を参照してください。
例えば、単価(1つの値段)の等しい品物を買った時の個数と代金は、個数が2倍、3倍、…になると、代金も2倍、3倍、…になりますが、このような関係を比例といいます。私たちの身の回りにある2つの数量の関係において、最も多くある関係です。
比例式を使って、未知数(わからない数)を求める問題です。求め方は次の(1)、(2)の2通りあります。
(1) x:20が3:5と等しいので、20÷5=4より、比の1つ分は4とわかります。よって、4×3=12より、xは、12です。
(2) 比の1つ分を考えず、比例式の性質を利用して求めます。比例式の性質とは、「外項の積は内項の積に等しい」というものです。式で表すと、比例式A:B=C:Dでは、A×D=B×Cが成り立ちます。このことを利用して、x×2/3=3×0.25より、x=3×0.25÷2/3=(1と1/8) (帯分数 1+1/8をこのように表すことにします)となります。
比例式を使って解く文章題です。
単価×個数=代金より、個数が等しいならば、単価と代金は比例します。単価の比が45:30=3:2であれば、代金の比も3:2で、実際の代金の差が75円です。よって、75÷(3-2)=75円が比の1つ分とわかります。75円×3=225円より、持っていったお金は225円です。
ここで75円×2と間違えないように注意してください。3:2は(持っていたお金):(実際に払ったお金)の比になります。比の問題では最後まで式の立て方に気をつけましょう。
逆比と反比例について学習します。予習シリーズ18ページの説明を参照してください。逆比については、特に注意が必要です。逆比とは、逆数(この説明もきちんと理解してください)の比ということで、比の前項と後項を逆にすることではありません。
積が等しい関係から、逆比を考える問題です。
(1) 文章を式にすると、A×3=B×2となります。この答えを1とします。つまり、A×3=1となりますので、A=1÷3=1/3です。また、B×2=1となりますので、B=1÷2=1/2です。A、Bはそれぞれ、かけてある数の逆数になっています。結果として、A:Bが逆数の比になりますので、A:B=1/3:1/2=2:3です。
(2) 上の考え方と同様に、A=1÷4/5=5/4、B=1÷2/3=3/2となりますので、A:B=5/4:3/2=5:6です。
(3) A=A×1ですから、A、B、Cのそれぞれにかけられている数の逆数をつくると、1の逆数は1、(1と1/5)=6/5の逆数は5/6、0.8=4/5の逆数は5/4となります。よって、A:B:C=1:5/6:5/4=12:10:15です。
逆比を利用して解く文章題です。
(1) 大人2人分の入園料と子ども5人分の入園料が等しいので、大人と子ども1人分の入園料をそれぞれA円とB円として式に整頓すると、A×2=B×5となります。よって、A:B=1/2:1/5=5:2より、大人1人と子ども1人の入園料の比は、5:2です。
(2) 1人分の入園料を、大人=5、子ども=2とすると、大人3人と子ども7人の入園料の合計は、5×3+2×7=29となり、これが2320円です。
よって、2320÷29=80円が比の1つ分ですので、80×2=160より、子ども1人の入園料は160円です。
食塩水の問題です。
「食塩水の重さ×濃さ=食塩の重さ」において食塩の重さ(積)が変わらないときには、食塩水の重さと濃さは反比例の関係になります。反比例については、予習シリーズ20ページの説明を参照してください。
食塩水に水を加えても、食塩の重さは変わりません。濃さの比、8%:6%=4:3の逆比である、1/4:1/3=3:4が、食塩水の重さの比となります。食塩水の重さの違いは、100gの水を加えたことによるものです。よって、100g÷(4-3)=100gが比の1つ分です。100×3=300より、はじめ、容器には300gの食塩水が入っていたと求められます。
倍数算について、学習します。倍数算は、比の1つ分が異なる、2組の比において、共通の1つ分を作って(統一して)考える問題です。共通にするために、最小公倍数を利用します。
倍数算の代表である、和が変わらない問題や差が変わらない問題を考えます。
(1) やりとり問題と言われる問題です。和(合計)の数量はやりとり後も変わらないことに注目して、それぞれの前項・後項の和を2組の比の間でそろえます。兄と弟の持っているカードの枚数について、やりとり前は7:3(和は10)ですが、やりとり後は、3:2(和は5)になりました。和を、10と5の最小公倍数である10になるようにすると、やりとり前をそのまま7:3で、やりとり後は、10÷5=2より、(3×2):(2×2)=6:4にします。
比の1つ分がそろいましたので、兄が弟にあげた4枚により、兄は7から6に1減り、弟は3から4に1増えています。つまり、比の1つ分は4枚です。はじめに兄が持っていたカードの枚数を表す比は7でしたから、4×7=28より、はじめに兄が持っていたカードの枚数は28枚です。
(2) 同量の増減問題で、差が変わらないタイプの問題です。お金を使った後も2人の持っているお金の差は変わらないことに注目して、それぞれの前項・後項の差を2組の比の間でそろえます。
姉と妹の持っているお金について、使う前は5:3(差は2)ですが、使った後は4:1(差は3)になりました。差の、2と3を最小公倍数である6になるようにすると、使う前は、6÷2=3より、(5×3):(3×3)=15:9に、使った後は、6÷3=2より、(4×2):(1×2)=8:2になります。
比の1つ分がそろいましたので、姉は15から8に7減り、妹は9から2に同じく7減っています。比の7が使った420円で、420円÷7=60円が比の1つ分です。60×9=540より、はじめに妹が持っていたお金は540円です。
比の1つ分がわかった後、最後にどの数字をかけるかに気をつけましょう。特にやりとり問題では、やりとりの前の値か、後の値のどちらを求めるかで間違わないように注意が必要です。
第2回は『分配とやりとりの問題』です。分配算とは、2つや3つの量の間で、1つの量の○倍,△倍という関係と、合計(和)や差が与えられている場合に、それぞれの実際数量を求める問題です。線分図を書いて、関係を目に見える形にすることが大切になります。予習シリーズのそれぞれの解き方にある線分図を参照してください。
なお、文字化けする可能性がありますので、○に数字を入れた表示は、マル1、マル2などのように表します。
分配算では、線分図に整頓することが大切です。複雑な線分図もかけるように、やさしい内容のときに、トレーニングしておきましょう。また、例題5や6のやりとり問題は、今後も出題されます。解けるようにしておきましょう。
分配算について学習します。
基本の問題です。
(1) 600円を、兄が弟の3倍になるように分けます。弟の分をマル1とすると、兄の分はマル3となります。合計(和)の600円をマルの数の和でわると、600÷(3+1)=150 より、マル1が150円となります。よって、兄がもらうお金は、150×3=450 より、450円です。
(3) アメを2つの箱A、Bに分けていれます。Aに入れた個数はBに入れた個数の4倍で、個数の差は18個です。Bに入れた個数をマル1とすると、Aに入れた個数はマル4です。差の18個をマルの数の差でわると、18÷(4-1)=6 より、マル1は6個です。よって、Aに入れたアメは、6×4=24 より、24個です。
何倍の関係にはんぱな数が増えていたり、減っていたりしている問題です。
予習シリーズ18ページの解き方にある線分図を参照してください。
50㎝のリボンを2本に分けたところ、長い方は短い方の2倍よりも8㎝長くなりました。短い方の長さをマル1とすると、長い方の長さは(マル2)+8となり、この和が50です。はんぱな数をなくして考えます。この問題では、短くします。50-8=42 が、マルの数の合計、2+1=3 です。42÷3=14 より、マル1 つまり、短い方が14㎝ですから、長い方は、50-14=36 より、36㎝です。
兄と弟の持っているお金から同じ金額ずつ減った場合の問題です。
予習シリーズ18ページの解き方にある線分図を参照してください。
同じ数量が増えたり、減ったりする場合には、もともとの量の差は変わらないことに注目します。そのためにも、線分図上では増えたり減ったりする同じ量は、図の左端に寄せるようにしましょう。
兄の800円と弟の350円の差は、2人が同じ金額を出し合った後も変わりません。弟の残りの金額をマル1とすると、兄の残りの金額はマル4と表すことができ、その差であるマル3は、もともとの金額の差(800-350=)450円を表しています。450÷3=150より、マル1、つまり弟の残りの金額は150円です。弟ははじめに350円もっていましたから、350-150=200円をプレゼントの代金として出したことになります。2人が同じ金額を出しましたので、200×2=400より、プレゼントの代金は、400円です。
最後に、数値を2倍することを忘れないようにしてください。
3つの量についての分配算を学習します。基本的には、2つの量と同様ですが、倍の関係や、増加分・減少分が加わって、複雑になります。やはり、線分図に整頓することを心がけましょう。
三角形の角度を考えた分配算の問題です。
予習シリーズ19ページの解き方にある線分図を参照してください。
角Aの大きさをマル1とすると、角Bの大きさはマル2と表すことができます。また、角Cの大きさは、角Bの大きさより20度小さいので、(マル2)-20度と表すことができます。ここで、問題文には出ていませんが、「三角形の内角の和は180度」であるという条件が加わります。角A、B、Cの大きさの合計は、(マル1+マル2+マル2)-20度=マル5-20度となり、これが180度です。
よって、マル1=(180+20)÷5=40となり、40×2-20=60 より、角Cは、60度です。
やりとり算を学習します。
やりとり算といわれる問題で、ここでは、3人の間でおはじきのやりとりを行います。やりとりがあっても、3人の持っているおはじきの合計の個数は、いつも変わらないことに注目します。
A、B、Cの3人が、合計48個のおはじきを持っています。AがBに5個わたし、BがCに12個わたしたところ、3人の持っているおはじきの個数がおなじになりました。
やりとり後からやりとり前にもどしていきましょう。やりとり後は、3人とも、48÷3=16個ずつ持っています(ここがポイント)。
Bの個数の増減を考えますと、はじめに□個持っていて、Aから5個もらい、Cへ12個あげたので、□+5-12=16 となります。逆算して、□=16+12-5=23 より、はじめ、Bは、23個持っていました。
同じく、やりとりの問題です。予習シリーズ21ページの解き方にある線分図を参照してください。
A、B、Cの3人が持っているビー玉の個数を、それぞれa個、b個、c個として、やりとりの結果をこれらの文字を用いて表してみます。
a=b×4、また、AはBに11個、Cに14個わたしたので、Aは(a-11-14)個、Bは(b+11)個、Cは(c+14)個になり、3人の持っているビー玉の個数が等しくなりました。
(1) a-11-14=b+11、つまり a-25=b+11 より、a=b+11+25=b+36 となりますので、はじめに持っているAとBのビー玉の個数の差は、36個です。
(2) a=b×4 より、b=(マル1)個、a=(マル4)個とします。(1)で、(マル4)個と(マル1)個の差は36個とわかりましたので、36÷(4-1)=12 より、Bは、12個持っていました。やりとり後、Bは12+11=23個となり、AもCも同じ個数です。
やりとり後のCは、(c+14)個で、23個ですから、c=23-14=9 より、Cははじめ、9個のビー玉を持っていました。
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