No.1091 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数下対策ポイント 4・5年生(第9回)

<算数 5年下 第9回>

 第8回は『平面図形と比(3)』です。三角形の相似を利用して、長さの比や、その長さの比を底辺の比として、面積比に利用する問題を学習します。第4回で学習した、平行線を使ったピラミッド型やクロス型の相似を見つけることがカギになります。また、太陽の光や街灯の光による影の長さの問題も三角形の相似を利用して考えます。
 なお、文字化けする可能性がありますので、○に数字を入れた表示は、マル1、マル2などのように表します。

<今回のポイント>

 相似な図形の問題では、対応する角をはさむ2辺の長さの比を利用することがポイントとなります。また、影の問題では、太陽光による影の問題と、電灯光による影の問題の解き方の違いに注意しましょう。

【対策ポイント1】
[必修例題1]

 直角三角形の中にピッタリおさまる正方形の辺の長さを求める問題です。問題の図には、ピラミッド型の相似な三角形ができています。この相似な三角形では、対応する(等しい)角をはさむ2辺の比は互いに等しい、という性質を利用します。予習シリーズ75ページの解き方にある図を参照してください。
 辺ABと接している正方形の頂点をDとして、時計回りに、正方形をDECFとします。三角形ABCにおいて、直角をはさむ2辺の比がBC:AC=28cm:21cm=4:3であれば、三角形ABCと相似な三角形ADEにおいても、直角をはさむ2辺の比、DE:AE=4:3となります。ここで正方形DECFにおいて、DEをマル4として、EC=DE=マル4となることがポイントです。よって、AE:EC=3:4と考えることができます。AC=21cmから、EC=21÷(3+4)×4=12より、ECすなわち、正方形の1辺の長さは、12cmです。

[必修例題2]

 正三角形を折った図形において、ある角度を求める問題です。例題の前にある、対称についての説明をよく読みましょう。
 三角形ABDにおいて、外角の定理により、角DAC(角DAEと角EACの和)=角B+角BDA=角B+xです。ここで、角DAEは、折る前の角(A)=60度、また、角B=60度ですから、先の等式(角DAE+角EAC=角B+x)で、等号の左側は60度+角EACで、等号の右側は60度+xとなります。結果として、角EAC=xとなります。そこで、三角形ACEにおいて、角EAC=x、角C=60度、角AEC=34度で、合計が180度です。よって、180-(60+34)=86より、xの角の大きさは、86度です。
 図形の折り曲げでは等しい辺の長さや角度が、どこに移動したかに注目しましょう。

[必修例題3]

 長方形を折った図形の問題です。折った図形は、折る前の図形と(当然に)合同な図形になります。合同な図形では、対応する辺の長さ、対応する角の大きさは等しくなります。また、重なっていない部分の2つの三角形(三角形AEFと三角形DFC)は相似な図形になることを確認しておいてください。相似な図形では、対応する辺の長さの比(相似比)、対応する角の大きさは等しくなります。予習シリーズ77ページの解き方にある図形を参照してください。

(1) 三角形FECは、折る前の三角形BECと合同ですから、三角形BECの面積を求めればよいことになります。辺BC=15cm、辺EB=9-4=5cmです。よって、15×5÷2=37.5より、三角形FECの面積は、37.5平方cmです。
(2) 三角形AEFと三角形DFCは、この頂点の順に対応する相似な三角形です。必修例題1 に述べた、対応する角をはさむ2辺の比は等しいという性質より、AE:EF=DF:FCとなります。AE:EF=4cm:5cm=4:5ですから、DF:FC=4:5です。FC=BC=15cmより、DF=15÷5×4=12cmとなります。よって、12×9÷2=54より、三角形FCDの面積は、54平方cmです。

【対策ポイント2】

 影の問題を学習します。この問題は、大きく2つに分類できます。太陽光による影の問題と、電灯光による影の問題です。考え方が異なることがありますので、それぞれの解き方を理解しましょう。

[必修例題4]

 太陽光による影の問題です。太陽光による影の問題では、文章中に必ず、棒の長さと影の長さが与えられます。この棒の長さと影の長さによる三角形と、問題文にある木の長さと影の長さによる三角形を、相似な三角形として相似の問題を解いていきます。ただし、木の長さと影の長さについては、[へいにできた木の影の先端から木に垂直な線を引いた三角形]を考えることが ポイントになります。予習シリーズ78ページの解き方にある図を参照してください。
 問題文より、棒の長さ(高さ):影の長さ(底辺)=30cm:40cm=3:4です。木の長さを□cmとして、へいにうつった影の長さを引いた、(□-2)mを高さ、木とへいの間の長さ6mを底辺とする三角形が、3:4となります。よって、□-2=6m÷4×3=4.5m、□=4.5+2=6.5より、木の高さは、6.5mです。

[必修例題5]

 電灯光による影の問題です。この問題では、必修例題4と同じように、[人の身長の先端から街灯に垂直な線を引いた三角形]を考え、この三角形と、人の身長と影の長さによる三角形との相似を考えて問題を解いていきます。
(街灯の高さ-とも子さんの身長):(街灯からとも子さんまでの距離)=(とも子さんの身長):(とも子さんから影の先端までの距離)という、関係になります。
 とも子さんの影の長さを□mとして、数値の式にすると、(4-1.5):3=1.5:□となります。□=3×1.5÷2.5=1.8より、とも子さんの影の長さは、1.8mです。ここでは、太陽光による影の問題と同様でしたが、電灯光の問題では、人が移動することによって、影の長さが変化していくケースがあることに、注意が必要です。

<算数 4年下 第9回>

 第8回は『多角形の性質』です。多角形の対角線の本数を求める公式、内角や外角の和を求める公式を学習します。また、面積については、もととなる三角形の面積を求める工夫を学習します。

<今回のポイント>

 前半は、公式の利用です。成り立ちを理解して、しっかり覚えましょう。例題4と5は、多少難問ですが、挑戦してください。

【対策ポイント1】

 予習シリーズにある公式の成り立ちの説明をよく理解しておきましょう。

[例題1]

 多角形の対角線の本数を求める問題です。公式「N角形の対角線の本数=(N-3)×N÷2」の利用です。N=10 ですから、(10-3)×10÷2=35 より、十角形の対角線の本数は、35本です。公式の成り立ちを理解しておきましょう。

[例題2]

 多角形の内角の和を求める問題です。公式「N角形の内角の和=180×(N-2)」の利用です。N=10 ですから、180×(10-2)=1440 より、十角形の内角の和は1440度です。前問と同様、公式の成り立ちをしっかり理解しておきましょう。

[例題3]

 多角形の内角1つの大きさを求める問題です。求め方が、(アとイの)2通りあります。その1つは、外角の和の利用です。

(ア) 例題2の「内角の和」の利用
 九角形の内角の和は、180×(9-2)=1260度で、正九角形ですから、内角1つの大きさは、内角の和を9等分することで求められます。1260÷9=140 より、内角1つの大きさは140度です。
(イ) 「多角形の外角の和=360度」の利用
正多角形では、(ア)で述べたように、内角はすべて同じ大きさです。また、1つの内角とその内角にとなり合う外角の和は180度です。正九角形の外角1つの大きさは、360÷9=40度ですから、180-40=140 より、内角1つの大きさは、140度と求めることができます。

【対策ポイント2】

 角度問題の少し難しい問題です。

[例題4]

 ちらばっている角度の合計を求める問題で、角についての学習済みの性質を利用します。 メルマガでは、図解ができませんので、予習シリーズ77ページの解き方にある図を参照してください。

(1) 解き方にある図で、頂点AとCを結んで、三角形ABCを作りますと、この三角形の 内部に蝶々(ちょうちょ)の羽のような形ができます。解き方にある、わくで囲んだ図を理解しておきましょう。2つの三角形のそれぞれ2つの内角の和(ア+イとウ+エ)は、三角形の外角の定理により、等しくなります。ですから、問題の図にある印をつけた角の大きさの和は、三角形ABCの3つの内角の和に等しいことになりますので、180度です。
(2) ツノのようにでっぱっている7つの角の大きさの和を求めます。まず、この7つの三角形の内角の和を合計します。180×7=1260度です。そして、ここから、それぞれの三角形の印をつけた角以外の2つずつ、合わせて14個の角度の合計を引きます。このそれぞれの角は、この図形の内部にできている七角形の外角です(ここがポイント)。つまり、14÷7=2 より、外角の和が2組できますので、360×2=720度を引きます。よって、1260-720=540 より、印をつけた角の大きさの和は、540度です。

【対策ポイント3】

 工夫して面積を求める方法を学習します。予習シリーズ78~79ページの説明をしっかり理解して進めましょう。

[例題5]

 平行線が使われた図形の面積では、頂点を移動させても面積は変わりません。この操作は等積移動といわれます。また、同じく平行線が使われた問題では、前問にもありました、蝶々の羽の形もよく利用されます。

(1) 正方形の中に3つの三角形がかかれています。底辺は同じ辺の上にありますので、これらの三角形の頂点を正方形の左上の頂点に移動 (等積移動) させると、正方形の対角線を使った直角二等辺三角形になります。つまり、面積は正方形の面積の半分です。6×6÷2=18 より、青い部分の面積の和は、18平方cmです。
(2) 頂角が30度で、等しい辺の長さが6cmの二等辺三角形の面積を求めます。ふつうに考えると、高さがわかりませんので求められません。予習シリーズ79ページの解き方にある図2を参照してください。辺ABを底辺とすると、図2にあるように、頂点Cから辺ABに下した直角の線CDが高さになります。ここに、三角形ACDができましたが、この三角形の3つの角は、30度、60度、90度です。この直角三角形は、例題前の説明にあるように、最長辺の長さが最短辺の長さの2倍になっています。この後も、よく出てきますので、覚えましょう。結果として、底辺ABの6cm、高さAD=6÷2=3cmですから、6×3÷2=9 より、この三角形の面積は、9平方cmです。

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