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第3回は『平面図形(1)』です。
角度問題では、問題の図形の中に、特殊な三角形(特に二等辺三角形)を見つけたり、作ったりして考えるタイプの問題をあつかいます。また、外角の定理がよく利用されます。
面積を求める問題では、実際の入試問題で頻出する注意すべき内容がありますので、確実に理解して進めましょう。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
以下の問題は、入試問題算数の基礎となるものですので、余裕をもって使えるよう、確実に身につけましょう。
二等辺三角形がいくつか与えられた図形の角度を求める問題です。
角Aの角の大きさを1としてはじめます。AB=BCより、角BCAも1ですので、外角の定理より、三角形ABCの外角である角CBDは2となります。BC=CDですから、角CDBも2となり、外角の定理により、三角形ADCの外角である角DCEは3となります。CD=DEより、角ウは角DCEと等しい3となります。ここで、三角形CDBの内角の和180度に注目して、180-84=96度が2の2つ分であることから、96÷4=24より、1は24度です。よって、24×3=72より、角ウは72度です。
弓形といわれる、かげをつけた部分の面積を求める問題です。予習シリーズ40ページの解説にある図を参照して下さい。
おうぎ形の面積から三角形の面積を引いて求めます。かげをつけた部分(弓形)の右はしの点と円の中心を結んでおうぎ形をつくります。中心角AOBが(180-15×2=)150度のおうぎ形の面積は、6×6×3.14×(150/360)=47.1平方cmです。ここから、かげのついていない二等辺三角形の面積を求めて、引きます。二等辺三角形OABで、AOを底辺としたときの高さBCの長さを考えます。ここで、三角形OBCのかたちから、BCの長さを求めます。この三角形OBCは30度、60度、90度の直角三角形で、正三角形の半分になっています。このことから、BCの長さはOB(=OA=6cm)の長さの半分で、3cmです。よって、6×3÷2=9より、三角形OABの面積は9平方cmです。したがって、47.1-9=38.1より、かげをつけた部分の面積は、38.1平方cmです。
この30度、60度、90度の直角三角形は、今後もよく出てきますので、覚えておいてください。
三角形ABCの面積と、その一部である三角形ADFの面積を考えます。
(a) まず、DとCを結び、三角形ABCの面積と三角形ADCの面積の関係を考えます。どちらも辺AB上に底辺を考えると、高さの等しい三角形になりますので、面積比は、三角形ABC:三角形ADC=AB:AD=(1+1):1=2:1です。よって、三角形ADC=三角形ABC×1/2となります。
(b) 次に、三角形ADCと三角形ADFの面積の関係を考えます。どちらも辺AC上に底辺を考えると、高さの等しい三角形になりますので、面積比は、三角形ADC:三角形ADF=AC:AF=(5+3):3=8:3です。よって、三角形ADF=三角形ADC×3/8となります。
(a)と(b)より、三角形ADF=(三角形ADC×3/8=)三角形ABC×1/2×3/8となります。結果的に、AD=AB×1/(1+1)、AF=AC×3/(3+5)で、この割合をかけて、1/2×3/8=3/16より、三角形ADFの面積は、三角形ABCの面積の3/16です。
この面積計算もよく使われますので、確実に身につけて下さい。
第3回は『割合の利用』です。今回は、4年下で学習した割合の復習と、その応用、および、百分率(パーセント、%)や歩合(ぶあい、○割○分)といった、割合のいろいろな表し方を学習します。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
小数や分数で表された割合を、百分率や歩合に直すこと、またその逆がスムーズにできるよう、トレーニングしておきましょう。加えて、相当算、割合の合成、還元算など、複雑な割合の問題を学習します。問題の内容を線分図で整頓することが大切です。
割合の応用である相当算を学習します。
相当算とは、「もとにする量×割合=くらべる量」において、くらべる量と割合から、もとにする量を求める問題です。線分図をかいて条件を整理して考えます。このとき、線分の上の部分に、実際の数量(くらべる量)を、線分の下の部分に割合をかいて整理します(上と下が逆でもかまいません)。線分の上下で、実際の数量と割合のそろう部分に注目して、「実際の数量÷割合=もとにする量」を求めます。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
相当算の基本となる問題です。予習シリーズ32ページの解き方にある線分図を参照してください。
ある本を、全体のページ数の6割(=0.6)よりも8ページ少なく読んだところ、44ページ残りました。もとにする量の0.6、の残りの部分に注目します。0.6の残りは1-0.6=0.4で、この部分が、44-8=36という、くらべる量に相当しています。(線分図をかいておくと、わかりやすくなります。)もとにする量である、本の全部のページ数を□として整頓すると、□×(1-0.6)=36となりますので、□=32÷2/5=80より、この本は全部で、80ページあります。
少し難しいタイプの相当算です。
このタイプの問題を頭の中だけで解こうとすると、間違えてしまうことが多くなります。線分図をかいて、条件をしっかりと整頓することが大切になります。予習シリーズ33ページの解き方にある線分図を参照してください。
もとにする量は5年生全体の人数で、この人数の40%(=0.4)と45%(=0.45)の合計である85%(=0.85)を除く部分が、7+11=18人という、くらべる量に相当することに注目します。もとにする量を□として整頓すると、□×(1-0.85)=18となりますので、□=18÷0.15=120より、5年生は全部で120人です。
還元算、割合の合成、マルイチ算について、学習します。それぞれの内容説明については、予習シリーズ33ページの青いわくで囲まれた部分を参照してください。
還元算について学習します。還元算とは、後から前にもどしていく問題です。途中に実際の数量の入った割合が含まれる場合に使われます。予習シリーズ34ページの解き方にある線分図を参照してください。
持っているお金の40%(=0.4)より100円多い金額でお弁当を買い、残りのお金の35%(=0.35)でケーキを買うと、520円が残るという問題です。最後の関係である、お弁当を買った後の所持金の0.35でケーキを買った残りが520円とわかっているところから考えます。
まずお弁当を買った後の所持金を□円として、□×(1-0.35)=520と整頓できます。□=520÷0.65=800より、お弁当を買った後の所持金は800円とわかります。800+100=900円が、ゆきさんのはじめの所持金から0.4を使った残りとなります。ゆきさんのはじめの所持金を〇とすると、〇×(1-0.4)=900と整頓できますので、〇=900÷0.6=1500より、ゆきさんのはじめの所持金は、1500円です。
このように、部分、部分で相当算を使って後ろからもどしていく解き方もマスターしましょう。
割合の合成により、新たな割合を求めて、相当算を解く問題です。割合の合成とは、割合の割合とも言われるものです。
例えば、Aの0.5の量の、(さらに)0.2の量はAのどのくらいの割合になるか、などを求める問題です。この例では、A×0.5×0.2=A×0.1より、Aの0.1の量となります。もとにする量がことなりますので、くれぐれも割合をたし算しないように気をつけてください。予習シリーズ35ページの解き方にある線分図を参照してください。
ある本を4日間で読みます。1日目に全体の1/3、2日目に全体の1/5、3日目は1日目に読んだページ数の3/4、4日目は39ページを読みました。3日目だけ、もとにする量がちがいます。この割合を、もとである全体に対する割合に直します。ここが、割合の合成で、もとにする量(この本の全ページ数)を1とすると、1日目に読んだページ数は1/3で、その3/4は、1/3×3/4=1/4です。結果、3日間で読んだページ数は、割合で表すと、1/3+1/5+1/4=47/60です。本全体のページ数を□として、□×(1-47/60)=39と整頓できます。よって、□=39÷13/60=180より、この本は全部で180ページです。
第3回は『角の性質』です。予習シリーズ26ページ、28ページ、29ページに書いてある用語をしっかり身につけてください。また、説明をよく読みましょう。加えて、27ページの分度器の使い方もマスターしましょう。
角についての用語を身につけることはもちろんですが、それぞれの用語が、ちらばっている角、はなれている角を1か所にまとめる意味があることを理解しましょう。1か所にまとめることで、角の大きさが求めやすくなります。
予習シリーズ26ページの、「角の大きさ」をよく読みましょう。
直線の角度は180度である、という特別な角度の利用の問題です。
1本の辺が辺の片側の点(頂点といいます)を中心にして1/2(2分の1)回転してできる角度は180度です。よって、問題の図では、120度+ア=180度となります。ですから、180-120=60より、アの角の大きさは60度です。
辺が頂点を中心にして1回転してできる角度が360度であるという、特別な角度を利用します。ア+45度=360度となりますので、360-45=315より、アの角の大きさは315度です。
予習シリーズ28ページの「対頂角」についての説明をよく読みましょう。
「対頂角は等しい」という性質を利用する問題です。
(60度+ア)の角の大きさが130度と対頂角になっていることを読み取ります。つまり、60度+ア=130度となります。よって、130-60=70より、アの角の大きさは70度です。
予習シリーズ29ページの「平行線と角」についての説明をよく読みましょう。「垂直」、「平行」、同位角」、「さっ角」の説明も理解してください。なお、この説明によって、「さっ角」は、「同位角と対頂角」をまとめた使い方であることが、わかるでしょう。「同位角とさっ角」では、角度をつくる直線のうち2本が平行であることが前提となります。これらの性質は角度の問題ではよく使われます。単に理解するのではなく、応用できるように、角度の読み方のトレーニングをしていきましょう。
2本の直線が平行であることから、同位角やさっ角は等しい、という性質を利用する問題です。
問題の図の、「直線あ」と「直線い」は平行ですので、「直線い」で、角アの下の角は、「同位角は等しい」ことにより75度です。よって、ア+75度=180度ですから、180-75=105より、アの角の大きさは105度です。
別解として、アの角と向かって右側のとなり合う角と75度がさっ角の位置関係にあることから、アの右どなりの角が75度となりなりますので、180-75=105よりアの角の大きさが105度になる、とすることもできます。
こちらも平行線について,同位角やさっ角を利用して角度を求める問題です。補助線の引き方が大事になります。
平行線に、ひらがなの「く」の字が,交わっています。予習シリーズ31ページの解き方にある図を参照して下さい。「直線あ」と「直線い」に平行で「く」の字の頂点(アの角)を通る「直線う」をひきます。アの角を「直線う」の上側にある角をイ、下側にある角をウと分けて名付けます。角イは,「直線あ」の上側にある38度と同位角の関係で等しく,角ウは,「直線い」の上側にある53度とさっ角の関係で等しくなります。ですから,ア=イ+ウ=38+53=91 より,アの角は,91度です。
今後も、角度を考える問題では、基本的に今回の内容を使っていくことになりますので、しっかりと理解しておきましょう。
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