No.1220 過去最高の大学合格実績の鍵はTQノート 東京都市大学等々力中学(塾対象学校説明会レポート)

校舎外観(筆者撮影)

実施日:2022年9月28日(水)

今回の内容は以下の3点です。
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1.大学合格実績の大幅アップ
・過去最高の大学合格実績
・実績アップ最大の鍵は「TQノート」
・学年に応じて変える指導法
2.2023年度中学入試要項の変更情報
・英語1教科型、帰国生入試の英語に「語彙の空所補充」の問題が追加
・アクティブラーニング型にグループワーク試験が復活
3. 原田校長先生のお話
・日本一自習する生徒が多い学校 
・「共生」「英知」「高潔」の精神
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1.大学合格実績の大幅アップ

【過去最高の大学合格実績】

 2022年度の大学合格実績は、現役・既卒を含めて、昨年度から以下のように合格者が大幅に増加し、過去最高の結果となりました。

国公立大:2021年度54名→84名
早慶上理:2021年度79名→145名
GMARCH:238名→353名

 大学進学実績の向上は今年度に限られたものではなく、2022年4月に『サンデー毎日』が特集した「過去10年で難関大の合格者数が増えた学校」では、同校における難関大(東京大・京都大・北海道大・東北大・名古屋大・大阪大・九州大・早稲田大・慶應義塾大・上智大・東京理科大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)の合格者数が2012年度の3名から2022年度の467名に大きく増加したとして、過去10年で伸びた学校の代表的な1校として挙げられています。

※大学合格実績の詳細はこちらのページをご覧ください。

【実績アップ最大の鍵は「TQノート」】

 大学合格実績が大幅にアップした要因として、原田豊校長先生は、「メタ認知能力(自学自習力)」の養成を日々積み重ねてきた結果であると話されていました。
 その具体的対策の象徴が「TQ(Time Quest=時間管理)ノート」の作成です。自ら目標を設定して、目標達成のための計画を立て、勉強時間などを書き込む「TQノート」を、生徒は入学時から使っています。日々の生活や勉強のスケジュールを管理することで時間を管理する意識を高めることができているとのことです。
 また、施設面では今年の4月に「都市大等々力リテラシーセンター(TLC)」が完成しました。東京都市大学の校舎であった建物を生徒が自習するためのスペースとして改修し、2階には20時まで(高3は21時まで)開放される150席の自習室が、3階には様々な講座で使われる200席のスタディホールが新設されました。スタディホールは定期試験前には自習室として開放されます。本校舎から通りをはさんで向かいにあるこのTLCは、普段の生活空間から離れられることで集中力が高まり、落ち着いて自習に臨めると人気が高く、18時頃には満席になるとのことです。大学附属校としての利点も活かし、生徒がそれぞれに自学自習できる環境が整えられている点も、同校の高い合格実績を支えている大きな要因と言えます。

「都市大等々力リテラシーセンター(TLC)」の外観(筆者撮影)

【学年に応じて変える指導法】

 実際に教壇に立たれる先生のお話では、上記のような自学自習の体制に加え、「学年に応じて指導の仕方を変える」という教員側の取組みが次第に充実し、それが今年度の合格実績の高さにつながっているのではないか、とのお話がありました。中学生と高校生では勉強への取り組み方も違い、同じ高3でも年度によっての違いはある。そうした学年の個性の違いにまで目を行きとどけられるようになってきた実感がある、とのことでした。そうしたお話からも、生徒の状況をしっかり見ながら、生徒が自分の考えで学習を進められるような環境づくりが積極的に進められていると感じられました。

2.2023年度中学入試要項の変更情報

 来年度入試要項について、一般入試の4教科型、算数1教科型は今年度から変更はありません。
 その他の入試について以下の変更があります。

・一般入試の英語1教科型、帰国生入試の英語に「語彙の空所補充」の問題が追加
 与えられた単語の語形を変化させて英文の空所を補充する問題です。

・一般入試のアクティブラーニング型にグループワーク試験が復活
 2021、2022年度はコロナ禍にあって、グループワーク試験は実施しませんでしたが、来年度から元に戻してグループワーク試験を実施します。グループワーク試験は、与えられた課題をグループで考える形式で、活動の場面などを複数の先生方が評価して、平均を得点とする試験です。

※2023年度募集要項(一般入試)の詳細はこちらをご覧ください。

※2023年度募集要項(帰国生入試)の詳細はこちらをご覧ください。

3. 原田校長先生のお話

【日本一自習する生徒が多い学校】

 2009年4月の共学化、学校名変更から12年、誇り高く高潔な人間性を陶冶することを教育の基本とする「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」とグローバルリーダーの育成を理想の教育像として様々な取組みを行ってきた結果として、「面倒見の良い学校」そして「過去10年で最も進学実績を伸ばした学校」として評価されるようになった、と原田校長は話されていました。
 「面倒見が良い」というのは、何でも手取り足取り教えることではなく、目標に向かって具体的な方法を指示する指導をするという意味である。その最も象徴的な指導が先にご紹介した「TQノート」の導入で、このノートづくりを実践することで、生徒たちは自分が学習してきた内容の「振り返り」ができるようになった、とのことです。
 そして、これまでも「日本一自習する生徒が多い学校」と自負していましたが、TLCの設置で自習する生徒の数が大きく増え、自習室が満席になる事態は、原田校長先生としても驚きであったとのことです。
 自学自習の精神を培ってきた結果が「過去10年で最も進学実績を伸ばした学校」と呼ばれることにつながったのではないか、と話されていました。

【「共生」「英知」「高潔」の精神】

 これまでの成果に甘んじることなく、次の段階を目指して、これまでも行ってきた「共生」「英知」「高潔」の精神を重視した教育をさらに強く推進して行くとのことです。
 「共生」とは集団の中で自分だけが良いと思うことなく、相手の立場を考えて共に高め合う生活の営みを目指すもの、「英知」は徹底的に知識を増やしながら、高いメタ認知能力の習得を目指すもの、そして「高潔」とは自律的な行動ができるように、そして自学自習力を確立できるようになることを目指すものです。
 中高6年間を通して、この3つの精神を軸に生徒がさらなる高みへと昇って行けるように、力を尽くして行くとのことでした。

 われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。

 

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