No.1292 次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(トルコとシリアで強い地震、国連総会・緊急特別会合が開催、トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏が死去)

≪トルコとシリアで強い地震が発生。(6日)≫

シリアから届けられた現地の様子 画像引用元:国連UNHCR協会HP

 2月6日の未明、トルコ南部からシリア北部にかけての一帯で強い地震が発生しました。アメリカの地質調査所(USGS)によると、地震の規模を示すマグニチュードは7.8で、トルコ・シリア両国で合わせて5万人以上が犠牲となり、2011年の東日本大震災以降、世界でも最悪の地震災害となりました。USGSは今回の地震を、トルコ南東部に伸びる活断層の東アナトリア断層付近で発生したとみています。この東アナトリア断層は、アラビアプレートとアナトリアプレートの境界に位置する横ずれ断層です。日本の震度で7か6強クラスの強い揺れが、現地の古い鉄筋コンクリート造の建物を直撃したことで、甚大な被害となってしまったと見られています。

【予想問題】
問題1:

トルコとシリアの位置を下の地図の中からそれぞれ記号で答えなさい。

解答:

トルコ→ア、シリア→ウ

 トルコは西アジアに位置するアナトリア半島(小アジア)と東ヨーロッパに位置するバルカン半島東南端の東トラキア地方を領有しており、アジアとヨーロッパにまたがって位置する国です。面積は日本の約2倍で、宗教はイスラム教が大半を占めています。シリアはトルコの南方に位置し、面積は日本の約半分、宗教はトルコと同じくイスラム教の占める割合が高いです(約90%)。今回の地震は下の地図のようにトルコ南部を震源として発生しました。

震源の位置 画像引用元:ウィキペディア

問題2:

トルコと日本の友好な関係を象徴する出来事として、ある戦争が行われていた1985年に、戦争当事国に滞在していて空爆の危機にあった日本人をトルコ航空の飛行機が救出したことがありました。この戦争の名称を下の中から記号で選びなさい。

A.中東戦争
B.ベトナム戦争
C.イラン・イラク戦争
D.湾岸戦争

解答:

C

 1980年に国境問題をきっかけにイラク軍がイランに侵攻したことから始まったイラン・イラク戦争では、1985年にイラクのフセイン元大統領がイラン上空を飛ぶ飛行機を無差別に攻撃するといった上空封鎖の声明を発しました。日本からの救援機の派遣が航行の安全上の理由から見送られた結果、イランに滞在していた日本人はなす術がなく空港に取り残されていました。そんな中、救いの手を差し伸べてくれたのがトルコで、トルコから派遣された救援機により、日本人215名全員が無事に救出されました。この出来事には、1890年の「エルトゥールル号遭難事件」が背景にあると言われています。1890年9月16日の夜、オスマン・トルコ帝国最初の親善訪日使節団を乗せた軍艦 「エルトゥールル号」が和歌山県串本町沖で 台風による強風と高波を受けて座礁、沈没してしまいました。この事故で約600名もの犠牲者が出る大惨事となりましたが、事故の知らせを聞いた地元の島民の懸命の救助活動により69名を救出することができたのでした。この献身的な救助活動が、その後の日本とトルコの友好関係の原点とされています。

オスマン・トルコ帝国の海軍「エルトゥールル号」 画像引用元:ウィキペディア

問題3:

シリアでは2011年から起こった内戦により多くの国民が海外に逃れています。このように国際的・国内的な武力紛争や戦争から他国に逃れてきている人々を何と言いますか。漢字2文字で答えなさい。

解答:

難民(なんみん)

 「難民」とは、人権的、宗教的な迫害や武力紛争などを理由に他国へ逃れて、国際的保護を必要とする人々のことを指します。また最近では、紛争などによって住み慣れた家を追われたものの、国内にとどまる、あるいは国境を越えずに避難生活を送っている「国内避難民」も増加していると言われています。今回の地震の震源地に近いシリア北西部は、多くの避難民が生活をしている地域です。シリアでは10年以上も内戦が続き、反政府勢力はトルコとの国境に近い北西部に追い詰められ、インフラも多く破壊されてきました。戦火に追われた避難民が生活していた地域が、さらに今回の大地震によって甚大な被害を受けてしまったのです。

≪国連総会、緊急特別会合が開催 ロシアのウクライナ侵攻から1年。(23日)≫

国連総会会議場 画像引用元:ウィキペディア

 日本時間の2月23日夕方から2日間にわたって193か国で構成される国連総会にて、ロシアによるウクライナ侵攻に関する「緊急特別会合」が開催されました。緊急特別会合は、ロシアによるウクライナ4州の一方的な併合を非難する決議を143カ国の賛成で採択した昨年10月以来の開催となります。24日には、ロシア軍の即時撤退とウクライナでの永続的な平和などを求める決議案の採決が行われ、欧米各国や日本など141か国が賛成、ロシアや北朝鮮など7か国が反対、中国やインドなど32か国が棄権した結果、棄権と無投票を除く3分の2以上の賛成で、決議が採択されました。これまで開催されたロシアに対する決議で、賛成した国の数はこれまでで最も多かった143か国とほぼ同じでしたが、反対や棄権などに回った国も50か国近くにまでのぼり、ロシアに対する各国の批判が依然高まっている一方で、国際社会の分断も浮き彫りにされたかたちです。

【予想問題】
問題1:

緊急特別会合で演説をする林芳正外務大臣 画像引用元:外務省HP

緊急特別会合で演説をした日本の林芳正外務大臣は、以下のような言葉でウクライナの平和を求める決議案に賛成するよう呼びかけました。
「平和は□□□□の諸原則に基づくものでなければなりません。 それゆえに、日本は『ウクライナにおける包括的、公正かつ永続 的な平和の基礎となる□□□□の諸原則』と題したこの決議案を支持します。本日お集まりの各国にも、この決議案に賛成票を投じるよう、呼びかけます。」
この林大臣の言葉の中の空欄□□□□に当てはまる言葉を漢字4文字で答えなさい。

解答:

国連憲章

国際連合本部ビル 画像引用元:ウィキペディア

 国連憲章(こくれんけんしょう)は「国際連合憲章」の略称で、国際連合の目的や組織、活動の原則を定めた文書のことです。1945年6月にサンフランシスコ会議で国連憲章が採択され、同年の10月に国際連合が正式に発足しました。国際連合は2度の世界大戦の反省から設立され、安全保障理事会は戦争や紛争を防止する役割を担う機関であるはずでした。その安全保障理事会の常任理事国であるロシア自らが国連憲章を破るといった行動を起こしてしまったことで、国際連合が機能不全になる危険性が指摘されています。

問題2:

現在日本は、国連の非常任理事国に選出されていますが、選出されたのは何回目になりますか。

A.初めて
B.2回目
C.6回目
D.12回目

解答:

D

 日本は2023年より、国連安全保障理事会の非常任理事国として2年間の任期を務めることになりました。1月には議長国にもなり、ウクライナ情勢や北朝鮮問題などで大国間の対立が激化する国際情勢における重大な役割を担っています。非常任理事国の任期は2年ですが、連続して任期を務めることが認められておらず、毎年半数が改選されます。日本が非常任理事国になるのは12回目と国連加盟国の中で最も多いです。

問題3:

第一次世界大戦後に設立された「国際連盟」の設立当初の事務局次長であり、旧五千円札に描かれていた人物は次のうち誰ですか。記号で答えなさい。

A.小村寿太郎
B.新渡戸稲造
C.津田梅子
D.樋口一葉

解答:

B

新渡戸稲造 画像引用元:ウィキペディア

 新渡戸稲造(にとべいなぞう)は、岩手県出身の教育者、思想家で、札幌農学校で学んだ経歴を持ち、農業経済学の研究も行っていました。1920年から1926年まで国際連盟の事務局次長を務めました。キリスト教徒でアメリカでの留学経験もあり、1899年に刊行された著書『武士道』は、原文が英語で書かれていました。東京女子大学の初代学長です。1984年から2004年までの五千円札紙幣の肖像としても知られています。Cの津田梅子は来年2024年発行予定の五千円札、Dの樋口一葉は現在の五千円札に描かれている人物です。

≪トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏が死去。(14日)≫

豊田章一郎氏(2007年4月) 画像引用元:ウィキペディア

 トヨタ自動車名誉会長で、経団連会長を務めた豊田章一郎さんが14日、心不全で死去しました。97歳でした。豊田章一郎氏は、トヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎氏の長男で、1952年に会社に入り、1981年に当時の「トヨタ自動車販売」の社長に就任しました。その後、合併により誕生した「トヨタ自動車」の社長として、アメリカのケンタッキー州に工場建設を決めたほか、カナダやイギリスなどでも現地生産を進め、トヨタ自動車を世界屈指の自動車メーカーへと発展させました。

【予想問題】
問題1:

1970年代以降、日本とアメリカの間で発生したことに代表される、貿易収支の不均衡によって生じる問題を何と呼びますか。漢字4文字で答えなさい。

解答:

貿易摩擦

 「貿易摩擦」とは、輸出と輸入が不均衡となることによって、関係国間の利害関係から生じる諸問題のことです。特に特定の商品で強みを持った国を貿易相手国とした際に輸入超過になると、国内での同様の商品が売れなってしまい、その産業全体の衰退にもつながってしまいます。貿易摩擦の代表例として挙げられるのが、1970年代以降の日米貿易摩擦です。当時の日本の高度経済成長に伴って、自動車やカラーテレビなどの機械類や半導体などが日本にとっての「輸出超過」になり、貿易相手国であるアメリカとの間で貿易の不均衡が発生しました。日本への厳しい批判が巻き起こり、アメリカでは日本車などをたたき壊すパフォーマンスも行われました。
 こうした日米間の貿易で緊張感が高まる中、当時トヨタ自動車の社長であった豊田氏は、アメリカでの雇用を拡大することで事態の沈静化を図る目的で、アメリカ・カリフォルニア州にGM(ゼネラルモーターズ)と合弁工場を設立しました。さらに、アメリカのケンタッキー州にトヨタ単独では初めてとなる工場建設を建設するなど、逆境にありながら海外の拠点を拡大して行きました。こうした豊田氏が推し進めたグローバル化が日米の貿易摩擦を緩和したと言われています。

問題2:

 自動車産業の発展と共に環境問題への配慮もより重要になっています。ガソリンエンジン車の排気ガスが環境に与える影響が問題視される中、電気自動車の開発が進められてきました。ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた動力源を持つ車を□□□□□□車と呼びます。空欄を埋める6字のカタカナを答えなさい。

解答:

ハイブリッド

世界最初の量産型ハイブリッド車である初代トヨタ・プリウス 画像引用元:ウィキペディア

 環境に配慮した「エコカー」には、電気をエネルギーとして、電気モーターで走行する「電気自動車」と、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた動力源を持つ「ハイブリッド車」以外に、「燃料電池自動車」があります。燃料電池自動車は電気でモーターを回して走るという点で電気自動車の一種と言えますが、電気自動車が外部からバッテリー充電を行うのに対して、燃料電池自動車は車の中で発電をしながらモーターを回して走ります。電気自動車のように外部から電気を充電するのではなく、専用のタンクに圧縮した水素を補給して、水素と酸素の化学反応によって動力源を得るのが燃料電池自動車です。
「ハイブリッド」について、「ハイブリット」と誤表記しないように気をつけましょう。

問題3:

愛知県豊田市のように特定の企業が、その地域に多大な影響力を持っている都市を「企業城下町」と呼びます。関東地方にある以下の企業城下町の場所を地図の記号から選んで答えなさい。
※地図上のは、おおよその位置を表します。

 

A.日立市
B.野田市
C.府中市

解答:

A → オ 、B → ウ 、C → エ

 Aの日立市は茨城県にある、「日立製作所」の企業城下町です。Bの野田市は群馬県にある「キッコーマン」の、Cの府中市は東京都にある「東芝」のそれぞれ企業城下町です。また、地図上のアは栃木県矢板市で「シャープ」の、イは群馬県太田市で「SUBARU(旧・富士重工業)」の企業城下町となっています。関東地方だけでも他にもいくつもの企業城下町があり、全国的に見ても、静岡県磐田(いわた)市(ヤマハ発動機)、三重県鈴鹿市(本田技研工業)など、北海道から九州にわたって数多くの企業城下町があります。

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