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第30回のテーマは「複合図形の面積」です。今回のポイントは、「図形問題を解くための手順の確認と完全定着」です。今回が図形問題の解き方の総まとめです。特に「学び1」から「学び3」までの内容は問題を解く上で、すべて重要な知識や面積を求めるテクニックになります。忘れていたもの、うろ覚えのものがある場合は、徹底的に復習をしていつでも使えるようにしましょう。図形問題はどんな問題でも、解き方が思いつくかどうかが勝負の分かれ目になります。その時に頼りになるのは、自分が持っている知識と、それを自由に使いこなすことです。演習を通して確認し、思いつかなかったときは、解説をよく読んで考え方を身につけていきましょう。また、面積問題を考える時に、「求めることができる図形に分ける」、「大きい図形から小さな図形を引く」、「移動させて求めやすい図形に変形させる」、の3つを組み合わせることが大半です。もちろんじっくりと考えることも重要ですが、典型的な問題に関しては、ある程度知識としてショートカット解けるようにしておくと差がつけやすくなります。
「学び1」では複合図形の知識について、「学び2」では角度から三角形を求めることについて、「学び3」では円の半径を正方形の面積から求めることについて学習します。
「学び1」では、298ページ・300ページ「やってみよう!」の図はすべて重要です。お子様の理解の状況によって、どこまで覚えるかは変わりますが、解き方を覚えておくことは必須となります。特に298ページの図はすべて覚えましょう。詳しく解説しますと、Aはレンズ型と呼ばれる図形です。レンズ型の部分の面積は正方形の面積×0.57で、レンズ型以外の部分1つあたりの面積は正方形の面積×0.215の式で求められることを確認しておきましょう。ただし、これらは円周率が3.14のときにしか使えないので注意が必要です。できれば、なぜ正方形の面積を0.57倍すれば面積が求められるのか、その理由も含めて答えられるようにしておきたいところです。その理解があれば、テストの際に0.57という数値を忘れてしまったとしても、正解に行き着くことができます。余裕があれば四分円から直角二等辺三角形を引いたものを2倍する方法も使えるようにしておきましょう。
Bは色付きの部分を分けて底辺と高さが離れた三角形を2つ作るタイプです。必ず高さがわかる線の対角同士を結ぶようにしましょう。Cはおうぎ形の中心角を三角形の内角の和から合計して求める問題です。半径が同じおうぎ形の場合、中心角を合計して求める手法はよく使います。ぜひこの手法を覚えておくようにしましょう。Dは左斜め下の色付き部分を分割して円の部分に移動させるとレンズ型の半分の面積になります。Eは円・おうぎ形問題の基本である、「円の中心と円周上の結んでいない点を結んで二等辺三角形をつくること」が問われる問題です。このパターンは実際の入試問題でも頻出です。点を結ぶと二等辺三角形が2つでき、1辺の長さは8cmの半分の4cmになり、そのままおうぎ形の半径となります。
300ページの問題も同様に解き方を思いつけるように練習しておきましょう。特にEはヒポクラテスの月と呼ばれる有名図形です。知っていれば一瞬で答を出せるので、覚えていなかったお子様は今回で覚えておきましょう。
「学び2」では、図形問題で30°、45°、60°、90°、120°、135°、150°といった角度があるときは、三角定規の三角形を使うことをいつでも意識出来るようにしましょう。特に、30°、60°、90°の直角三角形では、「斜辺(直角の向いの辺)の長さは一番短い辺の長さの2倍になること」を確実に使えるようにしておきましょう。303ページ「やってみよう!」では、上の図から、正十二角形が12個に分けられているので中心角は30゜になり、頂点から垂線をおろして高さを作ると、長さは10cm÷2=5cmとなり面積を求めることができます。この解法を覚えておくと、平面図形で解ける問題の幅が一気に広がります。
真ん中の図はきちんと角度をかきこむと45°の直角二等辺三角形の相似ができるので、そこから長さを求めると解けます。一番下の図はおうぎ形から白い三角形を引く形ですが、三角形の高さは150°の左側部分に30°・60°の直角三角形が作れるので、10÷2=5cmということがわかります。ですから、10×5÷2=25平方cmです。
「学び3」は円の問題で非常によく使う考え方です。特に正方形はひし形でもあることを利用して、「対角線×対角線÷2」の面積の公式から、「半径×半径」を導いて計算に使います。305ページ「やってみよう!」で確認するとよいでしょう。
演習としては、306ページ~309ページ問1~問5の基本問題はもとより、311ページ問1・312ページ問2の円の移動の問題、問4のおうぎ形の利用問題、313ページ問5の円の周りの長さをもとめる問題、問7の正方形の中の直角三角形問題、314ページ問10の点Pの位置を求める問題を優先して解くとよいでしょう。
余裕のあるお子様は、311ページ~316ページの上記で紹介していない問題を解くとよいでしょう。
第30回のテーマは「平面図形・図形のいろいろな性質」です。今回のポイントは「図形の性質を覚えて、問題でどう使うかを身につける」です。主に多角形の性質や角度について学習する回です。まずは多角形の内角の和や外角の和などの公式がスムーズに使えるように徹底的に復習しましょう。知識として持っていることと、その知識をスムーズに使えるようにすることは別です。知識を身につけたうえで、演習を通して「知識をどう使うか」を学習していきましょう。
「学び1」では対頂角・同位角・錯角について、「学び2」では多角形の内角の和・外角の和・対角線の本数の求め方について、「学び3」では三角形の合同条件について、そして「学び4」では隠れた三角定規の使い方について学びます。
「学び1」は、復習内容となります。特に、同位角・錯角は平行線が出てきたときにだけ同じ大きさになることに注意しましょう。また、角度の大きさを求める問題で、問題文中に「2直線が平行で…」と直接かいてある場合や、長方形・正方形が出てくる場合などに、すぐ錯角・同位角を使うことが思い浮かべられるようにしておくことが重要です。場合によっては補助線を引くこともあります。補助線を引く場所を見抜けるように仕上げていきましょう。
「学び2」では、多角形の内角の和・外角の和・対角線の本数を求める公式をまずは確実に使えるように練習しましょう。できれば、231ページや233ページの説明をもとに、「なぜその公式で求められるのか」を説明できるようにしておきましょう。また、ここには書かれていませんが、1つの内角と1つの外角の和は必ず180°になることも合わせて覚えておきましょう。角度を求める速さが断然アップします。
「学び3」では、合同の定義を学習します。特に、三角形の合同は、上位クラスを目指されるお子様にとって、これからの塾のテストや実際の入試に向けて、いつでも見抜けるようにしておきたいものです。235ページ「やってみよう!」の3つの合同条件を覚えることはもちろんですが、問題で合同を見つけやすくするために、同じ大きさの辺や角度に同じ記号をつけることを改めて徹底しましょう。
「学び4」は非常に重要です。少し時間をかけてでも完全定着できるように取り組んでください。236ページに書いてあるように、図形問題で30°、45°、60°、90°があるときは、三角定規の三角形を使うことをいつでも意識出来るようにしましょう。特に、30°、60°、90°の直角三角形では、斜辺(しゃへん、ななめのへんのことで、直角の向いにある辺を指します)の長さは一番短い辺の長さの2倍になることを確実に使えるようにしておきましょう。236ページ「やってみよう!」では、30°のおうぎ形の半径と円周の交点から垂線を下ろすと直角三角形が作ることができ、おうぎ形から引く三角形の面積が、12cm×6cm÷2=36平方cmと求めることができます。上位クラスを目指すお子様は確実にできるようにしておきましょう。
演習では、237ページ~239ページ問1~8の基本問題はもちろんのこと、241ページ問1・2の図形の性質を使った角度の問題、242ページ問3の角度を求める問題、243ページ問5の二等辺三角形を利用する問題、244ページ問6の折り返しの問題、246ページ問12の角度の和を利用する問題を優先して取り組むとよいでしょう。テストで出やすい問題になります。
余裕があるお子様は、244ページ問8の内角の和の利用問題、245ページ問11のおうぎ形の応用問題に取り組むとよいでしょう。考え方も含めてテストや入試で出やすい問題です。
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