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第12回は『平面図形(3)』です。復習テーマは、多角形・円・おうぎ形の回転移動・転がり移動・平行移動です。新出テーマは、円の転がりと回転数です。なお、分数は、分子/分母 の形で表します。
移動する点の長さについては、公式的な部分もありますので、重要問題チェックでしっかり復習しましょう。面積についても、公式的な部分(センターラインの公式など)もありますが、円の回転移動における「すき間」など、注意すべきところに気をつけてください。
円の転がりと回転数について考えます。
同じ半径の固定された円Pのまわりを円Qがすべることなく回転する問題を学習します。 予習シリーズの解き方にある図を参照してください。
(1) 解き方の(図1)にあるように、回転する円Qの円周に記号を付けて考えるとよいです。各場所でのハートのマークは、(図2)のようになります。
(2) (図2)にあるように、円Pのイ(円周の1/4)で、円Qは半回転しています。また、円Pのウ(円周の1/2)で、円Qは1回転します。よって、円Qが円Pのまわりを1周してもとの位置に戻るまでの間に、円Q自身は、2回転することになります。
半径の比が2:1の円Pと円Qの場合の回転を考えます。前問と同様、固定された円Pのまわりを円Qがすべることなく回転してもとの位置に戻ります。解き方の図を参照してください。
(1) 解き方の図にある、青の太線に注目します。ここがポイントです。円Qが回転した長さを表しています。この長さは、円Pの円周上では、弧ABで、円Qの円周上では弧BCです。円P、Qの半径を2、1として、弧AB=2×2×3.14×ア/360、弧BC=1×2×3.14×イ/360 ですから、2×ア=1×イ となり、逆比の関係から、ア:イ=1:2 です。また、図において、平行線のさっ角によりアとイは和が360度です。よって、360÷(1+2)=120 より、ア=120度、イ=120×2=240度 です。
(2) 円Qの矢印の向きがスタートと同じですので、円Qは1回転しています。(1)より、円Pの円周上を120度回転すると、円Q自身が1回転します。よって、360÷120=3 より、円Qは、もとの位置に戻るまでに、3回転します。この回転数の問題は、かなり難問と思われますが、ここで理解して、演習を繰り返しマスターしましょう。なお、予習シリーズ130~131ページの「回転数の公式」も理解の一助になりますので、よく読んでください。加えて、センターラインの利用も理解しましょう。
第13回は『速さとグラフ』です。速さの3公式、平均の速度、進行を表すグラフ(ダイヤグラム)、その他の速さの問題を学習します。なお、分数は、分子/分母の形で、また帯分数は、(整数と分子/分母)の形で表します。
速度問題は、中学入試において、出題される頻度が極めて高い分野です。また、応用の問題を今後も多く学習しますので、基礎をきちんと身に付けましょう。
速度の3公式を使う問題で、復習です。速度の問題では単位換算が重要になります。時速○kmならば、時間の単位は時間を、距離(=道のり)の単位はkmを使います。分速○mならば、時間の単位は分を、距離の単位はmを使います。基本的には、問われている単位にそろえて計算をします。また、単位換算では分数計算が多く行われます。正確な分数表記ができるように気をつけましょう。
(1) 速度である、分速□mを求めますので、距離単位はmを、時間単位は分を使用します。2.7km=2700mです。速度=距離÷時間の公式により、2700÷15=180より、分速180mで走ります。
(2) 距離、□kmを求めます。距離=速度×時間の公式において、速度が時速42km、時 間50分を時間の単位に直して、50/60時間として計算します。42×50/60=35より、35km進みます。
(3) 時間、□分を求めます。時間=距離÷速度の公式により、速度を分速○mにするところですが、遠回りになりますので、そのまま、時速10kmを使って計算します。8÷10=0.8より、0.8時間で、この数を分に直します。1時間=60分ですので、60×0.8=48 より、48分かかります。
平均速度の問題です。「平均速度=距離の合計÷時間の合計」となります。速度をたして2で割ることではありませんので、注意しましょう。もともと速度の計算は、動きはじめから速度が一定であるわけではなく、距離の合計を時間の合計で割るという平均の考えです。2つの平均をたして2で割っても全体の平均を求めたことにはなりません。例えば、3人の体重平均と2人の体重平均から5人の体重平均を求める場合でも、正しくは、5人の体重合計を5で割ることにより求める、ということと同様です。
(1) 1200mを、750mと(1200-750=)450mに分けて、それぞれの速度による時間を求
めます。750÷125+450÷45=6+10=16 より、合計16分です。よって、公式により、1200÷16=75 ですから、平均速度は、分速75mです。
(2) 行きにかかる時間は、800÷200=4(分)、帰りにかかる時間は、800÷50=16(分)です。距離の合計=800×2=1600m、時間の合計=4+16=20分ですので、1600÷20=80 より、往復の平均速度は、分速80mです。
ダイヤグラムを学習します。ダイヤグラムとは、たて軸に距離を表し、横軸に時間を表して、距離と時間の関係を表したグラフのことです。このグラフを読めるようにすることが、今後の速さの問題を解くうえで大切になってきます。予習シリーズ141ページの例題3の前にあるグラフの読み取りについて、よく読んで理解しましょう。
(1) グラフのアは、花子さんが家から1.4km進んだ時間を表しています。花子さんの歩く速さ分速50mで、1.4km=1400m進みましたので、1400÷50=28 より、アは28(分)です。
(2) グラフの読み方としては、直角三角形を作って読みます。走る部分のグラフを直角三角形の斜めの辺、横軸が底辺、たて軸が高さにあたる三角形として考えると整頓できます。たて軸(距離)は、3.2-1.4=1.8km=1800mで、横軸(時間)は、立ち止まった10分を入れた50-(28+10)=12分です。よって、1800÷12=150 より、走る速度は、分速150mです。
速さのつるかめ算を学習します。
家から学校までの800mを、はじめは分速50mで歩き、途中から分速70mで歩いて、14分で学校に着きました。文字を使って整頓します。分速50mで歩いた時間をa分として、50×a=Am、分速70mで歩いた時間をb分として、70×b=Bmと表します。このとき、a+b=14、A+B=800となります。かけ算の関係が2つあり、積(かけ算の答え)の合計が与えられていて、かける数の合計が与えられていますので、つるかめ算の問題になります。分速50mで全体の距離を行くと仮定することからはじめます。(800-50×14)÷(70-50)=5より、分速70mで歩いた時間は5分です。
速さと周期について学習します。
秒速4cmで20秒進んでは5秒停止するロボットがあります。ロボットは、20秒で、4×20=80cm進みますが、5秒停止しますので、結果として、20+5=25秒間で80cm進むことになります。この25秒間で80cmを1周期とします。
(1) このロボットのスイッチを入れてから1分20秒後の進んだ距離を求めます。1分20秒=80秒を、25秒間の周期に分けますと、80÷25=3あまり5 より、3周期と5秒です。このあまりの5秒で、4×5=20cm進みますから、80×3+20=260 より、ロボットはスタートのA地点から、(260cm=)2.6mはなれたところにあります。
(2) 80cmを1周期として、AB間の10m=1000cmは、1000÷80=12あまり40ですので、12周期と40cmです。このあまりの40cmを進むのに、40÷4=10秒かかります。よって、25×12+10=310 より、スイッチを入れてから(310秒=)5分10秒後です。
第13回は『周期を考える問題』です。この問題は一般に,周期算といいます。数や文字がくり返しかかれている列において、また、同じ模様(もよう)の図形において、くり返しのパターンを{周期}といいます。この周期に注目して、特定の数や文字や図形が、列の中に何個あるかを考えたり、□番目にくるものは何かを考える問題です。
周期算では、割り算のあまりがポイントとなります。あまりが何を表しているのかをきちんと考えましょう。また、曜日問題は、日数計算にミスが多いようですので、注意して下さい。加えて、過去にもどる曜日問題もしっかりできるようにしましょう。
記号、数字の周期を考えます。
白い丸と黒い丸を合わせて75個並べた列について考える問題です。まず、周期を考えます。はじめから3番目にくる白丸に注目して、{黒、黒、白、黒}の4個を1つの組(=周期)とします。
(1) 75÷4=18あまり3より、18組と3個となります。よって、あまりの3より、周期の3個目が最後ですので、最後に並べた記号は、白です。
(2) 黒は1組の中に3個あります。18組それぞれに3個ずつと、あまりの3個の中に黒が2個ありますので、3×18+2=56より、黒は56個です。
1、2、3の3種類の数を、あるきまりで並べた数列についての周期算の問題です。周期は、{1,2,3,2,1}の5個1組です。
(1) 34÷5=6あまり4より、6組と4個ですから、はじめからかぞえて34番目は、あまりの4より、周期の4個目にくる2です。
(2) 1組{1,2,3,2,1}の和は、1+2+3+2+1=9です。あまりの4個の和は、1組5個のうち最後の1が1個足りないのですから、9-1=8となります。よって、9×6組+8=62より、34番目の数までの和は62です。最後の1個である1に注目して、9×(6+1)組-1=62とする計算もあります。
(3) 和の300を1組の和である9でわります。300÷9=33組あまり3となります。ここで、あまりの3は、和としての3であることに注意しましょう。周期のはじめの数からたし算をして、1+2=3より、周期の1番目と2番目の2個あまるという意味です。よって、5個×33+2個=167個より、最後に加えたのは、167番目の数です。
図形の周期算の問題です。
正六角形と正方形が順にくり返されている図形です。ですが,正方形の右はしのたて棒とその右にある正六角形の左はしのたて棒が重なっていますので、この棒をどう考えるかがポイントになります。正方形の右はしの棒を本数に入れずに、8本でできている図形を1組としてくり返しとします。150÷8=18あまり6 より、18組と6本です。正六角形は各組に1個でき、あまりの6本で正六角形が1個できます。よって,1×18+1=19 より、正六角形は19個できます。
曜日の周期について、学習します。基礎知識として、それぞれの月が何日間あるかを覚えておく必要があります。1月は31日、2月は28日(4年に1度のうるう年では29日)、3月は31日、4月は30日、5月は31日、6月は30日、7月は31日、8月は31日、9月は30日、10月は31日、11月は30日、12月は31日です。
日付と曜日の問題です。解くための手順としては、まず日数計算、次に曜日計算となります。日数計算とは、○月○日から×月×日までの日数を計算することです。月の途中から数える場合に注意が必要です(解き方の中で説明します)。また、曜日計算は周期算の考えで、7日ごとに分けた(7で割る)ときのあまりが重要になります。
(1) 6月23日から8月12日までの日数を数えます。6月中の日数(23日から30日まで)は、30-23+1=8日間です。この場合、(30-23)にして計算すると、23日が入らなくなりますので、(+1)が必要です。この部分を注意してください。7月はすべての日数を数えて31日間、8月は(1日から12日まで)12日間です。よって、日数は合計して、8+31+12=51日間となります。次に曜日計算ですが、この51日を、1週間の7日ずつに分けますので、51÷7=7週あまり2日となります。このあまりの2日は、数え始めた6月23日の火曜日から曜日がくり返していますので、あまりの1日目も火曜日で、2日目は水曜日です。よって、8月12日は、水曜日です。
(2) 5月10日から6月23日までの日数を数えます。5月中の日数(10日から31日まで)は、31-10+1=22日間です。6月は(1日から23日まで)23日間です。日数は合計して、22+23=45日間です。曜日計算で、45÷7=6週あまり3日となりますが、ここでは、前にもどっていくことを考えますので、(6月23日の)火曜日から{火、月、日、土、金、木、水}という周期です。よって、あまりの3日は、火、月、日となりますので、5月10日は、日曜日です。
数の操作と周期を考えます。
同じ数を何回かかけ合わせた積の一の位を考える問題です。3*35は,3を35回かけることを表しています。この積の一の位はいくつかを求めます。実際に3を35回かける計算をすることは大変です。そこで、1回、2回、3回、…と、順に計算していき、結果を調べます。ここが、ポイントですが、3を1回かけるところから始めますが、1回かけるとは、何にかけるのでしょう。……それは、1にかけるのです。この1回目を忘れることによるミスが多いようです。注意して下さい。
2回目の積は1回目の積に3をかけて求め、3回目の積は2回目の積に3をかけて求めます。以下その繰り返しです。また、積は一の位の数字だけが問題になっていますので、そのことを考えて進めましょう。
3*1=1×3=3、3*2=3×3=9,3*3=9×3=7(27とはしません),3*4=7×3=1,3*5=1×3=3,3*6=3×3=9,……規則が見えました。3,9,7,1,3,9,…… と周期{3,9,7,1}より4個1組になっています。35÷4=8あまり3 より、(あまり)3個目は7です。よって、35回かけた積の一の位は7ですので、3*35=7です。
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