小5の二学期「算数」は基本を大切にしましょう【後編】

先週に引き続き小5二学期の算数について、いわゆる「基本」となる考え方の大切さとその目安について考えていきましょう。

【「速さ」とは何か本当にわかっていますか?】

速さの問題の具体的な解法について触れる前に、「速さ」とは何かについて本当にわかっているのかどうかをチェックする必要があります。たとえば

Q:分速80mは時速何kmですか?

という問題を解けるかチェックしてください。さらにその上で

Q:では、なぜそういう計算になるのですか?

と聞かれて、その理由をきちんと答えられればOKです。しかし、これがなかなか答えられないものなのです。これが答えられないままに、単純に「とにかく分速を時速に直す時は機械的に60倍しておけばいいんだよ!」という公式を丸暗記しただけでは、その後の理解(特に旅人算などで)の妨げになりかねません。

A:分速80mとは、1分間に80m進むことができる速さのことです。これを時速に直すということは、「1時間(60分間)ではどのくらい進めるか?」と尋ねられているのだから、当然「60倍の4800m(4.8km)」進めるのです

と、ちゃんと答えられるようになれば一安心です。

【速さの問題を解く際に、計算式に「単位」をつける習慣が身についていますか?】

受験の算数では、いろいろな場面で「単位をつけなさい。」「単位がそろっているか気をつけなさい。」と言われますが、特に速さの問題においては計算式に単位をつけることが重要です。

「時速なのか分速なのか、またmなのかkmなのか」を間違えてしまうというもったいないことがよく起こります。それを防ぐためというのもあるのですが、しかしもっと大きな問題として「そもそも、今自分が求めた数値が「速さ」「時間」「距離(道のり)」の中のどれなのかがわからない。」という事態がよくおこってしまうのです。複雑な文章題になるとよくあることです。これを防ぐためにも、単位をつけておく習慣はとても重要です。速さの書き方については「時速60km」などと丁寧に書くのもいいですが、「60km/時」といった簡単な書き方でもいいでしょう。この書き方でも、入試の記述欄に書いて十分通用します。

【旅人算において「1分間につき□mずつ差が広がる(縮まる)」という数値を「一種の速さである」という捕らえ方ができていますか?】 これは前の2つのポイントと関連するのですが、旅人算において、「どの数値とどの数値を、かけるべきか、割るべきかがわからない。」ということが起こりがちなのです。たとえば、

A君は分速80mの速さで、B君は分速50mで歩いています。B君はA君の1200m前方を歩いていて、二人は同じ方向に進んでいます。A君がB君に追いつくのは何分後ですか?

というごくごく基本的な問題を解く際に、80m/分 − 50m/分 = 30m/分
という計算をするでしょうが、この30という数値が「速さ」「時間」「距離(道のり)」のうちのどれであるかを即座に答えられますか?

⇒もちろん「速さ」です。なぜならば1分間につき30mずつ差が縮まっていくからです。

これが「速さ」であることがわかれば、迷わず「では距離を速さで割ろう。」という判断ができるのです。

旅人算の問題は、今後「比」とミックスされることで、今後どんどん難しくなってきます。具体的な数字ではなく「比」を使うことで、その数字の意味を具体的にイメージすることがますます難しくなります。そんなときに備えて、計算式に単位をつけ、それが「速さ」「時間」「距離(道のり)」なのかをきちんと考えて解くことができるかどうかが重要なのです。

【まとめ】

今回もキーワードは「目先のテストでの得点にばかり振り回されない」ことです。特に速さの問題はバリエーションが多く、「なんだかよくわからないけど、とにかく公式を覚えてしまえ!」という学習法では、6年生になってから、まったく歯が立たなくなってしまいます。なぜそういう解き方になるのか、きちんと考え、基本を身に着けておくことが、小6になったときの伸びにつながるのです。

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