11月の模試で結果を出すために

入試本番まで100日を切りました。そろそろ本格的に受験校の選定作業に取り掛かる時期かと思います。今回は、9月と10月の模試で、実力を発揮できなかった生徒さんへ、11月の模試で結果を残すために今何ができるのか考えてみたいと思います。

【結果から反省点を導く際のポイント】

大手の塾に通われている方の多くは、塾の先生から「模試や過去問演習での効果的な点数のとり方」を指南されていると思います。その際の指示として一般的なものをもう一度確認してみましょう。

[1] 時間配分の「親子チェック」

得点できるはずの問題にきっちり時間をかけ、難しい問題はある程度「捨てる」のは、テストで高得点を狙うためのセオリーです。そこで、これまでの模試や入試過去問演習の結果をもう一度引っ張り出し、親子で「ここは捨てて、こっちの見直しに時間をかけるべきだったよね。」といった具合の反省会を開くのはかなり有効なことです。その際、ご本人の心の中だけの反省で終わらせるのではなく、ぜひ保護者の方が聞き役になってあげ、ご本人にいろいろ考えを語らせてあげてください。そうすることで、考えがまとまり、教訓を反芻する効果も期待できます。

[2] 見直しの大切さの再確認

見直し(解きなおし)が大切なことは誰でもわかっていますが、私の塾講師経験から考えて、半数以上の受験生は「わかってはいるけど実行はしていない」のが悲しい現実です。本当の意味で身にしみてわかってはいないのです。まあこの辺は、わずか12歳の子供のすることですから、必ずしも理性的に行動できるわけではないのでしょう。であれば、大人が手助けをして「実行する」ところまで持っていってあげましょう。別に難しいことではありません、「ほら、やっぱり計算の見直しは大切じゃないか。」ということを、飽きずに繰り返して聞かせてあげてください。できるだけ冷静に言って聞かせたほうが効果があります。

[3] 補強するべき分野の取捨選択

テストで「弱点」を見つけたとしても、中学受験生は何かと忙しいので、すべての弱点分野を補強するほどの時間はないはずです。そこで、補強するべき分野を選ぶ作業にはぜひ保護者の方が手助けをしてあげてください。具体的には「たびたびテストに出て、たびたび点を落としている分野」「模試だけでなく自分の志望校でもたびたび出題されている分野」「まったくわからないわけではないので、もう一息で点に結び付けられそうな分野」を選んであげるのがいいでしょう。こういった分野を見つけたら、これまでに使用してきた塾のテキスト(概ね、小5以降のもの)を引っ張り出してきて、基本問題を中心に演習するのが効果的ですが、ご本人の学力に応じて練習問題をやらせてみるなど工夫してみてください。また、市販のテキストとしては、日能研ブックスの「ベストチェック」、旺文社の「出る順」、四谷大塚の「四科のまとめ」などが、ポイントがコンパクトにまとめられており問題の検索がしやすく、使いやすいと思います。※「四科のまとめ」は、一般の書店ではなく四谷大塚の校舎窓口で販売しています。

【模試の過去問の利用】

過去問を演習することは、短期的に効果を上げるための有効な手段といえます。模試によっては、過去問を入手可能なものもいくつかあります(四谷大塚の合判は、昨年度の問題を窓口で購入することができます)。 やり方としては、出題分野の偏りをできるだけなくすためにも、「11月分だけを数年分解く」というのではなく、「昨年度の問題を、9〜12月分すべて解く」というほうが無難かと思います。その際、後ろのほうの難しい問題はカットするなど、時間効率と得点力UPのための工夫も必要です。

【まとめ】

本当のことを言えば、模試での高得点というのは「通過点」あるいは「手段」で「目的・目標」はあくまで志望校合格です。ですから、模試の成績を上げる時間が有るのであれば、その分、志望校の過去問を解いて入試本番での得点力を上げるべきでしょう。しかし現場にいる講師の立場から見ますと、この時期に「次の11月の模試の結果次第では…」という状況に立たされている受験生というのは、皆さんの想像よりもはるかに多いのが現実です。そんな方々のために、志望校合格のための勇気をもう一度取り戻していただくための手助けになれば幸いです。頑張ってください!

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