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12月に入り、あとは合不合第四回を残すのみとなりました。志望校選びも大詰めかと思います。さまざまな観点から学校選びが可能ですが、中でも気になるのはやはり大学進学実績ではないでしょうか。そもそも中学受験をする目的も、大学進学を視野に入れてのことだというご家庭も多いのではないかと思います。
もちろん、中学校側もそうした保護者のニーズを肌で感じているはずです。少しでもよい実績を出して優秀な生徒を集めたいと考えていることでしょう。
中学入試問題は、中学校の先生方がお作りになります。その先生方は、普段は自分の学校の高校生に、大学受験指導をされているのです。当然、大学入試問題も解かれています。ですから、大学入試と中学入試は、密接な関係がでてきます。
大学入試で必要な能力は、すでに中学入試でも試されているといっても過言ではありません。
たとえば桜蔭中は、東大に毎年60人近く合格させています。もちろん、偏差値の高い子供を集めることができれば、必然的に合格実績は上がるでしょう。しかし、女子学院の東大実績と比較しても、桜蔭の実績は際立っています。その理由のひとつには、東大に合格しやすい子供を選別しているからにほかなりません。
そこで、今回は桜蔭中入試の国語と、東大入試の国語を比較してみたいと思います。
宇野邦一『反歴史論』
歴史についての評論文でした。内容は次のようなものです。「歴史は、人々の記憶のひとつだと考えるべきで、事実かどうかはわからない。それでも、歴史によって人々の価値観や自己像(アイデンティティー)は構成される。そのような歴史から、自分は自由になることはできるのだろうか。」
星野博美『迷子の自由』
体験と記憶についての随筆文でした。内容は次のようなものです。「本や新聞を通して、我々は体験していないことでも知っていると思っている。しかし、『知っている』というのは錯覚にすぎないのではないか。本当に体験した出来事は鮮やかに記憶することができ、そうした記憶は生きていく上での支えになる。」
文章内容は、当然、東大の問題のほうが抽象的ですし、難解です。桜蔭の文章は、具体例も多く、小学生がイメージしやすい内容になっています。しかし、両者は、ともに「記憶が、自分の生き方やアイデンティティーを決定する」という主題は共通しています。その点で、2008年の東大と桜蔭は、驚くほど類似していました。
この「アイデンティティー」についての文章は、2006年の東大入試でも取り上げられていますし、他の難関大学でも頻出のテーマです。また、桜蔭にかぎらず、中学入試問題においても、特に上位校では好んで出題されています。
(一)「歴史学の存在そのものが、この巨大が領域に支えられ、養われている」(傍線部ア)とあるが、どういうことか、説明せよ。
問一 「猫に見える世界」と「自分が見ている世界」とは、どのようにちがいますか。説明しなさい。
東大の国語でよく出題される形式が、「どういうことか」です。単純に傍線部の内容を、どういうことなのか説明させる問題です。ここで試されているのは、「文脈の中での意味を読み取る論理力」と「正確に表現する語彙力」だと考えられます。
つまり、上記の東大の問題では、「この巨大な領域」とはどんなものか、「支えられ、養われている」とはどういうことかを、文章中での意味を読み取り、表現する力が試されています。他方、桜蔭においても、「猫に見える世界」とはどんな世界か、「自分が見ている世界」はどんな世界かを、文章中での意味を考えて、表現しなければなりません。
この「論理力」「語彙力」は、当然のことかもしれませんが国語の基本です。「すべての道はローマに通ず」ではありませんが、すべての国語の学習は、「論理力」と「語彙力」に通じています。この二つの力を磨くことが、桜蔭入試、ひいては東大入試に役立つといえるでしょう。今回は桜蔭中学をご紹介致しましたが、この二つの力がそのほかの学校の入試対策としても重要であることはいうまでもありません。中学入試の国語は難しい。確かにそうです。しかし、小学生の段階で東大入試に続く国語力を養えることは、中学受験生だけに与えられた特権とも言えるのです。
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