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第2回は『平面図形と比-相似の利用』です。形が同じで、大きさが異なる図形を相似といいます。予習シリーズ18ページの説明をよく読んで理解しましょう。
相似な図形は、中学受験の図形の中でも入試頻出度がとても高い単元です、この回で、基本事項をしっかり理解して進めましょう。
相似の問題では、例題3以降の問題のように、何組かの相似関係にある図形が組み合わさるケースがとても多くあります。まずは平行線をヒントに、相似の関係を見つけられるようにしましょう。また図を自分でかくことで,理解が深まります。
相似な三角形は、平行線を利用して作られることがとても多くあります。代表的なものとして、クロス型とピラミッド型を学習します。予習シリーズ18ページおよび20ページの枠内の説明をよく読み、使えるよう身につけましょう。
相似な図形において、対応する(重なる)辺の長さの比を相似比といいます。また、相似な図形の面積比は、相似比の数を2回ずつかけた数の比になります。相似比が a:b の場合、面積比は (a×a):(b×b) となります。
相似な三角形の辺の長さを求める問題です。
(図1) クロス型の相似の問題です。
ABとCDが平行ですから、三角形OABと三角形OCDは相似な三角形で、相似比は、対応する辺である、ABとCDの長さの比を使って、AB:CD=6:9=2:3です。OB:OCも2:3ですから、2:3=4cm:a cm の比例式より、a=3×4÷2=6cmです。
(図2) ピラミッド型の相似の問題です。
ABとCDの平行より、三角形OABと三角形OCDは相似な三角形で、相似比は、OA:OC=9:(9+6)=3:5です(この部分に注意しましょう)。AB:CDも3:5ですから、3:5=b cm:20cm より、b=3×20÷5=12cmです。
また、予習シリーズ18ページの枠内にありますように、OA:AC=OB:BDとなりますので、9:6=c cm:5cm より、c=9×5÷6=7.5cmです。
相似な三角形の面積比の問題です。例題1と同様、三角形OABと三角形OCDは相似な三角形です。
(図1) 相似比OA:OD=8:6=4:3 より、面積比は、三角形OAB:三角形ODC=(4×4):(3×3)=16:9です。
(図2) 相似比OB:OD=6:(6+3)=2:3 より、面積比は、三角形OAB:三角形OCD=(2×2):(3×3)=4:9ですので、三角形OAB:台形ACDB=4:(9-4)=4:5です。
相似の利用を学習します。<今回のポイント>に述べましたように、平行線に注目して、相似な三角形(クロス型やピラミッド型)を発見して、解くトレーニングです。
相似な三角形が何組か入った図形の問題です。
(1) BPとPCを1辺にもつ、相似な関係になっている三角形を見つけます。相似な三角形PABと三角形PDC(クロス型)が見つかりましたか。相似比は、AB:CD=21:28=3:4 ですので、BP:PC=AB:CD=3:4です。
(2) PQを1辺にもつ三角形と、相似な三角形を見つけます。三角形BPQと三角形BCDのピラミッド型の相似な三角形が見つかります。相似比は、3:(3+4)=3:7です。よって、3:7=PQ:28cm より、PQ=3×28÷7=12cmです。
高さの等しい三角形の面積を考える問題を学習します。高さの等しい三角形では、底辺の長さ比が、面積比になります。
平行四辺形ABCDの中の相似な三角形を考えます。
(1) 三角形ABFと三角形EDFはクロス型の相似です。DE:EC=2:1 より、AB=DC=2+1=3ですので、BF:FD=AB:DF=3:2です。
(2) 三角形ABFと三角形AFDは、高さの等しい三角形ですから、面積比=底辺比となります。(1)より、底辺比である、BF:FD=3:2 は、三角形ABFと三角形AFDの面積比になりますので、面積比は3:2です。平行四辺形ABCDの面積が40平方cmですから、2等分である三角形ABDの面積は20平方cmです。よって、20÷(3+2)×3=12 より、三角形ABFの面積は、12平方cmです。
長方形の中の相似な三角形を考えます。前問と同様ですが、比の統一を考える問題です。
(1) 三角形AHFと三角形CHBはクロス型の相似です。AH:HC=AF:BCで、AF:BC=(12-8):12=1:3 より、AH:HC=1:3です。
(2) 三角形ABGと三角形CEGもクロス型の相似で、AG:GC=AB:EC=8:(8-4)=2:1です。ACの長さは、(1)より、AH:HC=1:3(和 1+3=4)であり、AG:GC=2:1(和 2+1=3)です。同じACの長さを4と3の最小公倍数12で統一します。AH:HC=1:3=[×3] 3:9、AG:GC=2:1=[×4] 8:4として、AH:HG:GC=3:(8-3):4=3:5:4です。
予習シリーズ23ページの解き方にある線分図を参照してください。
(3) 三角形BGHは、三角形ABCの一部で、(2)の結果より、三角形BHAと三角形BGHと三角形BCGの面積比は、それぞれの三角形の底辺比AH:HG:GC=3:5:4と同じです。三角形ABC=12×8÷2=48平方cmですから、48÷(3+5+4)×5=20 より、三角形BGHの面積は、20平方cmです。
図形問題では、三角形などの多角形をアルファベットと使って表すことが多いですが、面倒に思わず、必ずどの図形なのかを確認して学習を進めましょう。
第2回は『分配とやりとりの問題』です。分配算とは、2つや3つの量の間で、1つの量の○倍,△倍という関係と、合計(和)や差が与えられている場合に、それぞれの実際数量を求める問題です。線分図を書いて、関係を目に見える形にすることが大切になります。
予習シリーズのそれぞれの解き方にある線分図を参照してください。
なお、文字化けする可能性がありますので、○に数字を入れた表示は、マル1、マル2などのように表します。
分配算では、線分図に整頓することが大切です。複雑な線分図もかけるように、やさしい内容のときに、トレーニングしておきましょう。また、例題5や6のやりとり問題は、今後も出題されます。解けるようにしておきましょう。
分配算について学習します。
基本の問題です。
(1) 600円を、兄が弟の3倍になるように分けます。弟の分をマル1とすると、兄の分はマル3となります。合計(和)の600円はマル4となりますので、600÷(3+1)=150 より、マル1が150円となります。よって、兄がもらうお金は、150×3=450 より、450円です。
(2) アメを2つの箱A、Bに分けて入れます。Aに入れた個数はBに入れた個数の4倍で、個数の差は18個です。Bに入れた個数をマル1とすると、Aに入れた個数はマル4です。差の18個はマル3となりますので、18÷(4-1)=6 より、マル1は6個です。よって、Aに入れたアメは、6×4=24 より、24個です。
何倍の関係にはんぱな数が増えていたり、減っていたりしている問題です。予習シリーズ18ページの解き方にある線分図を参照してください。
50cmのリボンを2本に分けたところ、長い方の長さは短い方の長さの2倍よりも8cm長くなりました。短い方の長さをマル1とすると、長い方の長さは(マル2)+8となり、この和が50です。
はんぱな数をなくして考えます。この問題では、短くします。50-8=42 が、マルの数の合計、2+1=3 です。42÷3=14 より、マル1 つまり、短い方が14cmですから、50-14=36 より、長い方は、36cmです。
兄と弟の持っているお金から同じ金額ずつ減った場合の問題です。予習シリーズ18ページの解き方にある線分図を参照してください。
同じ数量が増えたり、減ったりする場合には、もともとの量の差は変わらないことに注目します。2本の線分図をかくときは、(増えたり減ったりする)同じ量は、上下そろえて、図の左端に寄せるようにかくと、このこと(もとの量の差が変わらない)がわかります。
兄の800円と弟の350円の差は、2人が同じ金額を出し合った後も変わりません。弟の残りの金額をマル1とすると、兄の残りの金額はマル4と表すことができ、その差であるマル3は、もともとの金額の差(800-350=)450円を表しています。
450÷3=150より、マル1、つまり弟の残りの金額は150円です。弟ははじめに350円もっていましたから、350-150=200円をプレゼントの代金として出したことになります。
2人が同じ金額を出しましたので、200×2=400より、プレゼントの代金は、400円です。最後に、数値を2倍することを忘れないようにしてください。
3つの量についての分配算を学習します。基本的には、2つの量と同様ですが、倍の関係や、増加分・減少分が加わって、複雑になります。やはり、線分図に整頓することを心がけましょう。
三角形の角度を考えた分配算の問題です。予習シリーズ19ページの解き方にある線分図を参照してください。
角Aの大きさをマル1とすると、角Bの大きさはマル2と表すことができます。また、角Cの大きさは、角Bの大きさより20度小さいので、(マル2)-20度と表すことができます。ここで、問題文には出ていませんが、「三角形の内角の和は180度」であるという条件が加わります。
角A、B、Cの大きさの合計は、(マル1+マル2+マル2)-20度=マル5-20度となり、これが180度です。よって、マル1=(180+20)÷5=40となり、40×2-20=60 より、角Cは、60度です。
やりとり算を学習します。
やりとり算といわれる問題で、ここでは、3人の間でおはじきのやりとりを行います。やりとりがあっても、3人の持っているおはじきの合計の個数は、いつも変わらないことに注目します。
A、B、Cの3人が、合計48個のおはじきを持っています。AがBに5個わたし、BがCに12個わたしたところ、3人の持っているおはじきの個数がおなじになりました。
やりとり後からやりとり前にもどしていきましょう。やりとり後は、3人とも、48÷3=16個ずつ持っています(ここがポイント)。
Bの個数の増減を考えますと、はじめに□個持っていて、Aから5個もらい、Cへ12個あげたので、□+5-12=16 となります。逆算して、□=16+12-5=23 より、はじめ、Bは、23個持っていました。
同じく、やりとりの問題です。予習シリーズ21ページの解き方にある線分図を参照してください。
A、B、Cの3人が持っているビー玉の個数を、それぞれa個、b個、c個として、やりとりの結果をこれらの文字を用いて表してみます。a=b×4、また、AはBに11個、Cに14個わたしたので、Aは(a-11-14)個、Bは(b+11)個、Cは(c+14)個になり、3人の持っているビー玉の個数が等しくなりました。
(1) a-11-14=b+11、つまり a-25=b+11 より、a=b+11+25=b+36 となりますので、はじめに持っているAとBのビー玉の個数の差は、36個です。
(2) a=b×4 より、b=(マル1)個、a=(マル4)個とします。(1)で、(マル4)個と(マル1)個の差は36個とわかりましたので、マル1は、36÷(4-1)=12 より、Bは、12個持っていました。やりとり後、Bは12+11=23個となり、AもCも同じ個数です。やりとり後のCは、(c+14)個で、23個ですから、c=23-14=9 より、Cははじめ、9個のビー玉を持っていました。
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