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10月になり、今年もあと残り僅かになりました。四谷大塚の「合不合判定テスト」も始まり、「いよいよ受験」という感じですね。
各社の模試では必ず記述が出題されていますね。中学入試で必ず記述問題が出され、しかも配点が大きいという現状を受けてのことです。広い真っ白な解答欄を前にして、どう埋めていいのか戸惑うお子さんも多いのではないでしょうか。今回は国語の記述についてとりあげ、今すぐ、毎日できる対策をご提案します。受験生はもちろん、受験はまだ先という生徒さんにも参考にしてもらえると思います。
まず、何といっても答案を埋めることです。「できたら苦労しない」という声がしそうですが、これは実は重要で、そんなに難しいことではないのです。
模試の採点方式はご存知でしょうか。各社模試は何万人という受験生が対象です。しかもすぐに返却しなければならないことから、大手の模試の記述における採点は「ポイント制」がとられているといわれます。正解に必要と思われる単語が答案に盛り込まれていれば、高い部分点がもらえる可能性があります。そして、解答に挿入すべきキーワードはどこから取られているかというと、説明文の場合、ほぼ本文中からです。さあ、書かないと損だという気がしてきませんか?
では、キーワードを「拾う」作業をする際のコツをご説明しましょう。説明文の場合、筆者の意見について問うものが多いようです。筆者の意見が強く表れている文を中心にまとめるといいでしょう。その場合、本文の最後の1〜2段落と最初の1〜2段落に注目して探してみると、キーワードが見つかる可能性が高まります。問題文で傍線が引かれている箇所があれば、その中に含まれている単語に注目し、同じ単語だけでなく似た言葉にも注目して読んでいくといいですね。物語文の場合は直接的にではなくても、登場人物の気持ちを書かせるものが目立ちます。問題で問われている場面での登場人物の言動や情景描写(特に情景描写に注意)に注目して読んでいきます。根拠となる行動→気持ち、の形でまとめてみましょう。
ただし、難関校の場合はこのように本文を合成するような手法だけでは通用しません。それには下記の二つの理由があります。
では、それぞれの対策法をご紹介しましょう。
まず、中学入試の物語に多く見られるのは戦前戦後の学校や社会などを舞台にしたものです。こういった文章に慣れるために、今から宮沢賢治や太宰治を読む時間はないでしょう。銀本や赤本の過去問も利用して、多読していきましょう。なるべく実際には受験しない学校の問題から選んでいきます。女子校の志望者は男子校や共学校の、付属校を受ける人は進学校の、「時代臭」のする物語文にあたってみるといいです。驚くほど各校が「昔のお話」が好きだと気づくと思います。例えば、市川中学では宮沢賢治の「祭りの晩」という文章が、最初から最後まで出題されています。
さて、ピックアップが済んだら目を通していきましょう。この時、面倒でも音読してみましょう。すべての問題を解いていく時間はないでしょうから、長めの記述だけ解きましょう。また、ノートに文中のわからない言葉や習慣、当時の社会状況などを調べてまとめていくと効果的です。おじいさんやおばあさんなどの年配の方に話を聞いておくのもいいですね。
説明文に関しては、「大人社会の問題意識」が盛り込まれているものが目立ちます。そこで、新聞一面のコラムの要約が有効です。朝日新聞の「天声人語」や読売新聞の「編集手帳」がいいでしょう。音読した後、記事の内容を原稿用紙半分くらい(約200字)に要約します。最初はなかなかうまくいかないでしょうが、難語を調べたり、大人にたずねたりしながら取り組んでみて欲しいと思います。そのうち30分くらいでこなせるようになっていきます。比喩表現などは丸写しせず、わかりやすい言葉に言い換えてまとめていくようにします。
さてこのパターンの問題は骨があります。平成20年度開成中学では随筆を読ませた上で、「あなたが思わず頭を下げずにいられなかった経験はなにか」という問題が出されました。雙葉中学では、手紙文を添削させたり会話文を書かせたりして敬語の理解を試してきます。
対策としてまず、おススメなのが先ほどの天声人語の要約のあと、さらに自分の意見を書く、ということです。自分の意見を人に伝える難しさや適切な表現を選ぶということの大変さもわかります。語彙の整理にもなるでしょう。ただ、これを毎日行うのは大変ですし、そもそも相当な表現力(記述力)が必要です。
そこで提案したいのが、「お手伝いノート」や「ありがとうノート」を作ることです。記述に抵抗がある生徒さんや低学年のお子さんも取り組むことが出来ます。
用意するものは、手帳やメモ帳サイズの小さなノートだけです。最初に日付を書きます。その後、「お手伝いノート」ならお手伝いの内容を2行以内にまとめます。その後、気づいたこと(苦労した点や、工夫したこと、気持ちなど)をやはり2行程度で書きます。
さて、「ありがとうノート」ですが、こちらはお手伝いをしないお子さんや、塾で忙しい受験生でも実践できます。形式は「お手伝いノート」と同じです。ただし、最初の2行に、「その日、人にしてもらって嬉しかったこと」を書きます。小さなことで構いません。その後、自分の気持ちを同じく2行くらいでまとめます。
「お手伝いノート」や「ありがとうノート」の一番のコツは、口を出さずに見守ってあげ、続けてもらうことです。「○○ノート」の目的は道徳的なものではなく、あくまで国語の力を伸ばすことにあります。決して「お説教」しないように気をつけていたただけたらと思います。その後、書くことに慣れてきたらハードルをあげてみてもいいかもしれません。「ありがとう、助かった、よかった、うれしかった、大変、苦労、頑張った」といった使いがちな言葉をNGワードとして少しずつ指定していくといいでしょう。お子さんの力や学年に合わせて加減するようにし、無理に禁止用語を導入する必要はありません。
この「お手伝いノート」や「ありがとうノート」は、低学年から導入できる方法です。もしかすると、優秀な受験生にとっては物足りなく思えるかもしれません。けれども、私は自信を持って有益であると断言します。
面接を課さない男子の難関校では、受験生の考え方や視点が浮き彫りになる出題がされていることは、以前のメルマガでもお伝えしました。開成中学の「頭をさげずにいられなかったこと」は、「感謝したいこと」を毎日意識していれば、まとめやすいと思います。 女子校では多くの学校で面接を課してきます。学校への志望動機や自分の長所、大事にしていることに「ありがとうノート」は応用できるでしょう。 また、多くの人に支えられていることを実感するうちに、社会を見る目も成熟していき、新聞に書かれていることも問題意識を持って読むことが出来るようになるのではないでしょうか。
周囲から受け取るものを見つめなおすことは、自ら考える力を伸ばし、表現の幅を広げてくれます。ひいては子ども達の精神的な成長に繋がるのではないかと思います。とはいえ、まずはあまり硬くならず、ネタ帳のような感覚で取り組んでみてはどうかと思います。その先にきっと、何かが見えてくるはずです。
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