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10月に入り、大手塾の志望校判定模試も一巡いたしました。夏期講習の成果が出始めた生徒さん、残念ながら実力が出し切れなかった生徒さん、結果は様々だったと思います。どうしても偏差値や合格可能性に目が行きがちですが、まずは、これまでの勉強の成果を得点に結び付けられているかの確認をしっかり行いましょう。これを怠ると、なかなか頑張りと結果が比例してきません。
そこで今回は、主に「理科」で必要性が高まっている「論理的思考」で得点に結びつけるアプローチについてお話を進めていきたいと思います。
学習相談の際、「理科の応用問題が解けない」というお話をよくお聞きします。それは「てこ・滑車」「水溶液・浮力」といった物理や化学の計算が必要な分野は、与えられた図やグラフから解き進めていくアプローチ法を身につけているのに、生物や地学の分野で思考力が必要とされる場合に、覚えている知識を活用して解き進むアプローチ法が身についていないからだと考えられます。
最近の入試傾向としては、ただ知識を暗記していれば得点できる問題よりも、それほど細かい知識がなくても問題文をていねいに読み進めていけば解ける問題が多くなっています。
試しに、今春の立教女学院の問題をご覧いただければと思いますが、問題文の流れにそって考えていけば、それほど知識がなくても解ける問題が多いことがご理解いただけると思います。
この傾向は先に挙げた立教女学院をはじめ、鴎友、東洋英和、学習院女子などの女子人気校や共学校で顕著に見られます。
それでは具体的に今回の合不合テストから一題取り上げてご説明します。大問5の(6)がよい例でしょう。設問ではカシオペヤ座が7月29日に、時計でいう3時の方向に見えているという設定です。このカシオペヤ座が一番低い位置に見える時期に観測できる星座を選ぶという問題です。
「一番低い位置」=「時計でいう6時の方向」であること、星座の見える位置は1ヵ月で30度ずれていくので、270度ずれるのは9カ月後の4月末であることが分かれば、観測できるのは「おとめ座」と導けるはずなのですが、正答率は19.9%でした。
「星座の見える位置は1ヵ月で30度ずれる」ことや、「季節ごとに観測できる星座」は大半の生徒さんの頭に入っていることです。しかし、問題文に与えられている状況設定を正確に理解し、順序立てて考えて行かなくては、答えにはたどり着けないのです。
このように、答えを導き出すために必要な知識は持ち合わせているのですが、段階に応じて知識を活用する術をまだ身につけていない生徒さんが多いのではないでしょうか。
そこで、今後の学習で心がけてほしいことですが、どんどん過去問を解いていくことが大切です。「まだ知識が固まっていない」などのご意見もあると思いますが、これまで述べてきたように「論理的思考力」を養なわなければ解答にたどり着けない学校が増えているのです。
暗記用教材を隅々まで覚えるよりも、過去問などを通して「知識をどのように活用するのか」訓練してください。その中で知らない知識が出てきたときは、その場で覚えてしまえば良いのですから。
そして、理科は決して暗記力ではなく論理的思考力が求められているので、「知らない、分からない」ではなく問題文から何とかしてヒントや突破口を開く糸口を探す練習をして下さい。問題へのアプローチ方法を変えてみると、さほど難しくないと気付いていただけると思います。
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