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第6回のテーマは「割合と比 比の意味と操作2~比の決定・比例配分・逆比・比の合成~」です。前回は比の基礎を学びました。今回は実践編です。文章題で使う比例配分の考え方、速さや仕事算でも登場する逆比など比の使い方を学びます。そのため演習問題では色々なパターンの問題が数多く掲載されています。学習時間の計画をたてて、取捨選択をして取り組みましょう。
「学び1」では比例配分について学びます。120ページの兄弟でクッキーを分ける漫画を見てみましょう。兄:弟=5:3で分ける場合、121ページにあるように3通りの考え方があります。
方法②の線分図を見てみましょう。兄:弟=5:3で分けますから、兄のところに⑤、弟のところに③と書かれていて、合計が⑧であることがわかります。このことから⑧=16枚、①=16÷8=2枚とわかります。したがって兄の枚数は⑤=2×5=10枚となります。
方法②では比を表す数字が◯で表されていて、クッキーの枚数が単位付きの数字で表されているため、比の数字と単位付きの数字を混同することがないためお勧めの書き方です。また、上記のように①にあたる量を出してから、求める値を出していくプロセスはとても重要です。後に指定する演習問題も同じようにやってみましょう。
「学び2」では逆比について学びます。逆比とは逆数の比のことです。例えば2:3の逆比は(2分の1):(3分の1)=(6分の3):(6分の2)=3:2となります。項が2つの比の場合、初めの比の順番がひっくり返っていることがわかります。
123ページの「やってみよう!」の下にある項が3つの比の逆比もやってみましょう。項が3つの場合、初めの比の順番がひっくり返る形にならないことがわかります。ひっくり返るのは項が2つの比の場合だけですので、気をつけましょう。
124ページ、125ページでは逆比の具体例について学びます。例えば栄冠への道を30ページやる場合、1日1ページずつやると30日で終わります。1日2ページずつにすると15日で終わります。この場合、1日あたりにやるページ数が1(ページ):2(ページ)に対して、終わるまでの日数は30(日):15(日)=2:1となり、逆比の関係になることがわかります。自分だったら1日何ページやって何日で終わるかを考えてみましょう。
「学び3」では比を普通の数と同じように扱えることを学びます。126ページの「やってみよう!」は10円玉と50円玉の合計金額の比を求める問題です。「説明その1」から「説明その4」まで比べてみましょう。どれも似たような計算をしていますが、結果は同じです。「説明その1」から「説明その4」になるにつれて抽象度(比を使う割合)が増えていきます。比はこのように普通の数として扱っても割合の関係が成り立ちます。ただし、あくまでも割合であることに注意しましょう。
128ページの「やってみよう!」の国語と算数のプリントを終える日数の例では「説明その1」から「説明その3」の解法が示されています。理解がなかなか進まない場合は「説明その3」にあるように具体的な枚数を設定して計算するとよいでしょう。比はルールを守りながら使えば、幅広い解き方で使えることがわかります。
演習としては129ページから130ページは必修です。すべての問題が「学び1」~「学び3」までの内容となっています。比の使い方の基本が身についているかどうかしっかり確認しておきましょう。今回は132ページ以降たくさんの問題が並びます。132ページから135ページにかけての問1~問10は標準的な難易度の問題です。問7や問8は問題文の条件から比を導き出す練習です。入試問題でも使う技術ため練習しましょう。
問11以降はやや難度が高い問題です。問11は条件整理の要素を含む問題です。また正方形の重なり部分をテーマにした問14も入試問題でよく見る形式のものです。まだまだ物足りない場合は問17、問18にチャレンジしてみてください。
第6回のテーマは「場合の数 図形を使った場合の数」です。扱う題材は図形ですが、前回同様、丁寧に順序よく調べていくことには変わりありません。図形の問題ならではのかくれた条件に注意しながら調べていきましょう。
「学び1」では図形をぬり分ける場合の数を考えます。95ページの「やってみよう!」では旗を3色でぬり分ける場合の数を調べていきます。樹形図を使った方法を思い出しましょう。ばらばらに調べるのではなく、自分の決めた基準にしたがって調べていきます。
例えば1番左の「N」の文字を赤とします。すると「O」は青、「1」は緑となります。また「O」は緑、「1」は青とすることもできます。同様にして「N」を青とした場合や緑とした場合も考えてみましょう。きちんと基準を決めて調べていけば抜けもれなく調べることができます。色を並べるときも、数字を並べるときも、人の名前を並べるときも考え方は同じことが分かります。
「学び2」では図形の個数を数えていきます。96ページ、97ページでは正方形の個数を数えています。この場合も基準をきめて、順番に数えていきます。
1辺が1ます分の正方形は25個あります。次に1辺が2ます分の正方形を数えます。左上から作っていくとよいでしょう。そして正方形を右に1ますずつずらしていきます。すると正方形は4つできることがわかります。次にもとの位置まで正方形をもどして、下に1ますずらし、その後右に1ますずつずらしていきます。
このように左上から順に調べていくと1辺が2ます分の正方形は16個できることがわかります。続いて1辺が3ます分の正方形、1辺が4ます分の正方形、1辺が5ます分の正方形というように数えていきます。続きは自分で数えてみましょう。
「学び3」では決まった形の中に図形をしきつめていきます。98ページで、長方形に板をしきつめていくときに、板を縦に並べる(「タ」と表します)方法と横には並べる(「ヨ」と表します)方法があります。ここでは「タ」「ヨ」を使って順番に考えていきます。
板を左上から右下に向かってしきつめていきます。はじめに1枚の板を左に「タ」に並べます。残り2枚の板の並べ方は「タ」「タ」、「タ」「ヨ」、「ヨ」「タ」、「ヨ」「ヨ」のいずれかになります(樹形図を思い出してください)。図形の場合、並べ方や選び方によって問題の意図に合わない場合があることに注意しましょう。この場合、「タ」「タ」「ヨ」や「タ」「ヨ」「タ」に並べてしまうと長方形の中におさまりません。したがってこの場合は「タ」「タ」「タ」、「タ」「ヨ」「ヨ」の2通りになります。
次に1枚の板を左に「ヨ」に並べます。残り2枚の板の並べ方は「タ」「タ」、「タ」「ヨ」、「ヨ」「タ」、「ヨ」「ヨ」のいずれかになります。長方形におさまる組み合わせは「ヨ」「ヨ」「タ」の1通りとなり、はじめの分と合わせて3通りとなります。すべての場合の数を調べたので、これで抜けもれや重複なく数えることができました。99ページの問題もやってみましょう。
演習としては100ページから102ページは必修です。自分の決めた基準で順序よく調べるのですが、調べながら問題の条件にあっているかどうか確認しながら進めましょう。100ページの問2では「線を境にしてとなり合う場所は異なる色となるようにします」とありますが、入試問題ではこのことを「ぬり分ける」と表現します。あわせて覚えておきましょう。
101ページの問4、102ページの問5は大きい長方形の置き方を決めてから、残りの図形の置き方を考えるとよいでしょう。104ページ問3は斜めに正方形を作ることができることに注意して取り組んでください。103ページ問4は入試でもよく見られる形式の問題です。ぬり分けることに注意しながら取り組みましょう。105ページの問6は問題文の条件から自分で図形を描いて考えていく問題です。ぜひチャレンジしてみてください。
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