中学受験国語の新定番「象徴的存在」とは何だ!?

ここ数年の中学受験国語を見ていて、新たな定番となりそうなものが『象徴的存在』です。塾の入試報告会でも繰り返されている内容ですが、ショウチョウテキ…と言葉だけ見てみると何やら抽象的でわかりづらい印象があります。その意味は「一見関係がないと思われるが、実は登場人物の心情・人間関係などを象徴的に表しているもの」と言えます。

例えば、「雨の中で殴り合いの大喧嘩をしている同級生、お互いに力尽き果ててグラウンドに寝転がると、ウソのように雨が上がり、綺麗な虹がかかる」といった場面。いかにもありそうな展開で、GReeeeNの曲が流れてきそうですが、ここで親御さんであれば、最後にかかる「虹」が、ふたりのこれからの心のつながりを表しているものだ、とピンと来るでしょう。この「虹」が友情といった抽象的な内容を具体的に表す象徴的存在になっているのです。

虹を見てピンとくるというこの感覚は、親御さんの世代であれば当たり前のことでも小学6年生には難しいことです。それは映像としてのイメージがつかめないからでしょう。大人はこれまでにドラマや映画など、様々な映像作品に触れてきていますので、先ほどの例が「いかにも」と感じるように、経験から対象を見る目が自然と養われています。例えば夕焼けのシーンがあれば、「孤独を表しているのかな」「早く家に帰りたいという気持ちかな」など、色々な引き出しからその意味するところを探るでしょう。

その過程を小学生に求めてもなかなか無理があるとも言えます。それでも入試問題で出される以上は、対策を講じなければなりません。もちろん、過去問などで象徴的存在が出されている文章に数多く触れて、感覚を養うことが一番の対策ですが、普段の生活の中で、ぜひ親御さんから生徒さんへ象徴的存在を意識するように伝えて頂きたいのです。

具体的にどのようにすればよいのか。その題材はテレビ番組に溢れています。

例えば先日感動の最終回を迎えたフジテレビの『マルモのおきて』。この最終回に象徴的存在が登場していました。録画した方はぜひ見直して頂きたいのですが、主人公のマルモが親友から預かった双子の兄弟を実の母親に返す場面、芦田愛菜の演じる薫がマルモにビニールボールを手渡します。その場でマルモは、二人との別れのつらさが先立ち、ボールについては気にもとめません。まずここにポイントがあります。入試問題で出題される象徴的存在も、はじめは「たいして意味のない存在」として登場するのです。それが後になって一気に存在感を出してくる。その変化を意識する必要があります。涙にくれて帰途につくマルモ。もちろんここでもボールについては何の説明もありません。

そして家に帰って改めてボールを見ると、そこには双子からの感謝のメッセージが書かれているのです。ここで「ボールは手紙がわりだった」と早合点してはいけません。それだけでは答案としては半分も点数がもらえません。その後にマルモが棚にビニールボールを置くのですが、そこにはお互いに野球部であった親友との思い出の野球ボールがあるのです。その隣に双子から渡されたビニールボールが並べられます。ここでこのボールの象徴する意味が明らかになります。野球ボールが親友との友情の証であり、ビニールボールがマルモと双子が家族になった証であることから、このドラマではボールが人物どうしの心の深いつながりを表すものとして扱われていることがわかります。

この例も親御さんからすれば何ということもない当たり前のことでしょう。それでも小学生にとっては意外に把握できないものなのです。ぜひお子さんに「このボールってどういう意味があるんだろうね」と問いかけてみて下さい。そしてできればそれを文章にして書かせてみて下さい。感動にひたっているところで水を差すようになってはいけませんので、まずは素直にストーリーを追ってから、もう一度見直して考えさせるのがようでしょう。

ここでは『マルモ』を例にしましたが、テレビドラマや映画は象徴的存在の宝庫です。ぜひまずは親御さんが象徴的存在を探す目でドラマをチェックして、教材として活用してはいかがでしょうか。夏休みの気分転換も兼ねられる有効な手段です。

最後にここ数年で出題された象徴的存在を扱った過去問を紹介します。

  • ■麻布中 平成23年度 井上ひさし『あくる朝の蝉』での「蛍」と「蝉」
  • ■麻布中 平成20年度 安東みきえ『循環バス』での「窓ガラス(鏡)」
  • ■開成中 平成23年度 中沢けい『うさぎとトランペット』での「烏」
  • ■桜蔭中 平成21年度 橋本紡『橋をめぐる いつかのきみへ いつかのぼくへ』での「永代橋」
  • ■芝中 平成23年度 第1回 森浩美『こちらの事情』での「カラスウリ」
  • ■学習院女子 平成23年度 A入試 今江祥智『枯葉』での「枯葉」

選択肢問題か記述問題かの違いはあっても、すべての学校でそれぞれ象徴的存在が何を意味するかが問題になっています。こうした上位校の傾向は今後も続き、他校が同じように踏襲して取り入れることが予想されます。ぜひ早めに見る目を養うように心がけましょう。

われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜび、大切なお子さんの合格のためにプロ家庭教師をご指名ください!

メールマガジン登録は無料です!

頑張っている中学受験生のみなさんが、志望中学に合格することだけを考えて、一通一通、魂を込めて書いています。ぜひご登録ください!メールアドレスの入力のみで無料でご登録頂けます!

ぜひクラスアップを実現してください。応援しています!

ページのトップへ