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日能研の5年生は、「比と割合」を活用する学習をしています。保護者会でも、「中学受験では最も重要な単元です」というお話はされているでしょうから、非常に大切な時期ということはご存知と思います。
また「比と割合」の扱いに不慣れですと、算数だけではなく理科の力学や化学計算も苦労することになってしまいます。しかし、「大事なことは分かるが、何に気をつければよいか分からない」という保護者の方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、日能研の5年生に、今、気をつけて欲しいことをアドバイスさせていただきます。
日能研のカリキュラムの特徴として、「比と割合」がスタートしてからは、売買損益・食塩水・面積比と学習内容に連続性があります。
つまり理解が不十分な状態で次週の授業に入ってしまうと、新しい単元の理解も不十分になってしまう可能性が非常に高くなります。実際に、これまでと比較して授業内容の理解が不十分なまま帰宅しているケースが増えていると思います。
また、一回あたりの授業内容で基本から入試問題レベルまで扱います。難しい内容であるため先生の解説の時間が増え、授業中に解く問題数が減りますので、その結果として家庭学習で指示される問題数も少なくなります。
小学生は「比と割合」のように抽象的な概念は不慣れですし、辺の比が3:4である相似形の面積比が9:16であることを学習して間もない頃は、一つの三角形を補助線一本で3:4に分けるだけの面積比でも9:16かなぁと、混乱してしまう生徒さんも多いので、基本問題の反復練習によって使いこせるようになることが非常に大切です。
ところが、前述のように日能研のテキストには幅広い内容が盛り込まれている一方で、基本をしっかり固めるための問題は不足しているように思います。授業や家庭学習で扱う問題数も以前より減少傾向にありますので、何度か反復すると解法を覚えてしまうケースも多いでしょう。
顕著な例として、宿題として指示されている問題は全て復習したが、カリテではその成果が現れていない場合には、解法を覚えていただけということも考えられます。そこで、市販の問題集を使用して基本事項の理解度を確認することを取り入れてみてはいかがでしょうか。
すでに「比と割合」を利用する単元もかなり進んでいますが、どうやら基礎から確認した方が良さそうな場合、例題が穴埋め式で取り組みやすいという観点から、『算数のつまずきを基礎からしっかり』シリーズ(学研)の文章題と図形がおすすめです。
次に、授業内容は理解できているようなので、演習量を増やして基本問題の理解度を高めたい場合、『解き方上手』シリーズ(受験研究社)の文章題と図形問題か、『応用自在シリーズ計算問題の特訓』(学研)がよいでしょう。
ともに主要な単元を網羅していますので、「比と割合」に関する問題だけではなく、中学受験に必要な基礎学力を確立するために最適な問題集です。
両者を比較すると、『解き方上手』は解説が詳しく、『計算問題の特訓』は問題量が充実しているといえます。
さらに成績上位の生徒さんであれば、『出る順』シリーズの文章題と図形に挑戦してみてはいかがでしょうか。その際、現状の学力でどのレベルまで解けるかという判断が難しいと思いますので、塾の先生にアドバイスを受けるとよいでしょう。
とにかく中学受験の算数は、「比と割合」を上手に使いこなせるかどうかが大きな鍵となります。そして上手に活用するためには反復練習が不可欠です。
毎週の授業をしっかり理解し、消化不良にならないことも大切ですが、比と割合を学習しているいま、たくさんの問題を解いておくことが大きなアドバンテージとなります。一気呵成に、攻めの学習に転じてみてはいかがでしょうか。
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