5年生、割合の落とし穴

5年生の算数は、各塾とも7月までに、中学入試で最も重要な「割合」の学習を行います。「割合」の文章題と平面図形の「相似形」は受験算数の最頻出単元で、「割合」と後に学習する「比」を合わせた「比と割合」の理解度が算数の成績に直結します。つまり、割合の授業は「受験算数の最大の山場」です。確実に理解できるまで学習してください。

まず、割合の扱いが上手か下手かはセンスで決まるものではありません。普通の文章読解ができれば何が基準となる数値か(一般的には「もとにする量」といいます)分かります。あとは「200円は100円の何倍?」が理解できれば大丈夫です。

ただし、割合は反復練習が大切で学習量と成績は比例します。その一方で、これまで成績が良くても家庭学習を怠ると、次第に成績が下降する可能性が高いです。

では、「割合」が苦手という生徒さんが多いのはなぜでしょうか?

これまでは、論理的根拠はなくとも何となく「大きい数÷小さい数」と式を立てると正解しましたが、割合では「小さい数÷大きい数」が頻繁に出てきます。しかし「小さい数を大きい数で割る」という考えには慣れていないので、「200円は100円の何倍?」に照らし合わせるなど、正確な理解が出来ていないと正解率が低くなります。

そこで、ご家庭で割合の理解度を把握してください。まず、式で数字を逆にする間違いが目立つ場合、根本的に理解できていません。割合の三用法を徹底的に反復練習しましょう。

次に、授業中のノートやプリントを見て、相当算では線分図、食塩水の濃度では面積図などを書いて考えているか(指導がなされているか)をチェックしてください。
計算方法も、小数の掛け算・割り算は分数で計算しているかどうか。(小数の割り算をやってみて、割り切れないから分数に直していると二度手間ですね。)
また、相当算では「全体を1とする」など、実際の数字と割合が区別できるように書かれているかも大切です。割合には必ず、丸や四角の記号をつけているかチェックしてください。塾でもそのような指導を受けているはずです。

次に、割合の怖いところですが、それはカリキュラムに連続性があるということです。
割合の三用法以降、相当算・売買損益算・食塩水の濃度と続きます。「原価」や「定価」の意味など内容が難しいため、一度遅れてしまうと挽回が難しいので頑張りどころです。

では何をやるのか、それは「基本問題の反復練習」です。どうやって解くのか考えることなく、反射的に解答できるまで反復してください。

塾の教材だけでは演習量不足ですので、「応用自在シリーズ・算数計算問題の特訓」などを活用して数多くの問題を解きましょう。
また、応用問題や発展問題は無理に手を付ける必要はないでしょう。最初に習ったときには難しく感じたことも、全単元を学習し知識が横断的につながると簡単に解けることが多いです。ここでは、無理して難問まで手を広げることなく、基本を完璧にしてください。

このように、習いはじめの反復が重要な割合の学習ですが、「予習シリーズ」で学習を進めている生徒さんには注意点があります。

大手塾の教材を比較すると、SAPIXと日能研は、割合の三用法や相当算などを4回連続で学習し、一気に基礎固めを図りますが、「予習シリーズ」は5年上の第9回、第11回、第16回、夏期講習を挟んで5年下の第2回と細切れのカリキュラムとなっているうえ、各回の授業で割合と平面図形のように2単元ずつ扱いますので、割合を集中的に学習するという点では他塾の教材よりも不都合が生じてしまいます。

一定の間隔をあけて、忘れないように学習するというコンセプトかもしれませんが、割合は反射的に解けるまで反復練習すべきものですので、一気呵成に身に付けることをおすすめします。前述の問題集などを活用して、演習不足を補ってください。

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