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夏休みが明けると秋の学校説明会シーズンが始まります。6年生はもちろんのこと、4、5年生も多くの説明会に参加することと思います。しかし、ただ参加するだけではもったいないです。記憶は次第に薄れて行きます。「あの中学はどんな感じだったっけ」とか「あの先生はどこの中学だったかな」ということにもなりかねません。的確にポイントを絞って学校をチェックし、必ず記録を残すようにしておきましょう。この記録が後々、志望校選定の最終段階で必ず役に立ちます。
しかし、「的確にポイントを絞ってチェック!」と言われても、特に初めての中学受験であれば、なかなかコツがつかめないはずです。そこで、おすすめしたいのが既存のチェックシートを利用する方法です。受験雑誌などにも出ていますが、ここでは、私たち鉄人会が作成した『学校説明会チェックシート』を元にご説明していきたいと思います。このチェックシートはPDF化して無料で配布しておりますので、ぜひ、鉄人会のホームページ左側の無料ダウンロードコーナーから入手してください。
ダウンロードはこちらからです。
チェックポイントは大項目が5個あり、さらに20の小項目に分かれます。1項目を5点満点で採点すると総合点(100点満点)が出せるようになっています。また大項目ごとに平均点を算出し、右上の『レーダーチャート』に書き込むと学校の実力バランスが一目でわかるようになります。私たちはこれを手前味噌ではありますが『最強の学校説明会チェックシート』と呼んでいます。
では、上から順を追って各項目のチェックポイントについてお話していきましょう。ぜひお手元に置いてご一読ください。
校長先生をはじめとして、説明に立つ先生の雰囲気、話し方をよく見てください。先生全員がダーク系のスーツを着ていて、まるで企業や予備校のような学校もあれば、セーター姿の先生が多い学校などさまざまです。先生の年齢構成も重要なチェックポイントです。若い先生からベテランの先生までバランスが取れているのが理想です。
次に在校生です。制服の着こなしや髪の色、女子であればアクセサリーも要チェックです。中高一貫校は6年間を過ごす大事な環境です。友人の影響はとても大きいものです。 説明会に参加している子たちが入学後に友達として遊びに来ても受け入れられそうか、そんな目で見るといいでしょう。
最後に、学校説明会に集まる父母の持つ雰囲気を確認しましょう。これが説明会ではなく、保護者会だったらと想像してみましょう。自分が違和感なく参加できるようならば安心できます。反対に場違いな感覚があるようなら志望校としては再考を要します。
校風は学校によって様々です。校風が合わない学校に6年間通うことになったらそれこそ悲劇です。子ども自身が中高6年間で何をしたいか、親は何をさせたいのかを親子でよく話し合うといいでしょう。中学を偏差値中心で選んでしまって、後悔するケースは本当に多くあります。家庭の方針やお子さんの性格と校風や教育理念などとの相性をよく見極めましょう。
私立中学はそれぞれに異なった「建学の精神」を持っており、その精神は学校の至るところに脈々と息づいています。この教育理念(建学の精神)に共感できるかはとても大切です。
第一印象は肌で感じるものです。五感を研ぎ澄まして雰囲気を感じてください。良し悪しではなく、その雰囲気が自分に、そしてわが子に合うかどうかがポイントです。
勉強はもちろんですが、スポーツや芸術に時間を使いたいお子さんの場合は、そういった活動を推奨、あるいは許容する学校を選ばなければなりません。勉強以外の活動に力を入れることを快く思わない学校もあります。
細かい校則については、確認しないとわからないことが多いです。禁止事項がほとんどない学校もあれば、驚くほど厳しい学校もあります。お子さんのタイプと照らし合わせて判断しましょう。
校舎等施設の管理状態はどうでしょうか。新築の学校は人気がありますが、古くても管理がしっかりしていてピカピカの校舎からは学校の姿勢が伝わってきます。
図書室の蔵書数、専任の司書の有無。教養教育に力を入れている学校は専門書や大学レベルの書物があるなど蔵書が充実しています。蔵書の種類も確かめておきましょう。
パソコンの年式。どの学校も情報教育には力を入れていると説明しますが、 OSが古過ぎないか、LAN環境が整っているか、チェックしましょう。
食堂はどうでしょうか。清潔感があり、明るく和やかな雰囲気がベストです。学校によっては食堂がない代わりにお弁当を業者に注文できたり、売店が充実していたりとさまざまです。学校説明会などで学食を開放する学校もあります。
プールやテニスコート、武道場などのスポーツ施設はどうでしょうか。都内の学校はグラウンドが郊外にある場合があります。学校から離れていると運動部に所属する場合、帰宅が遅くなるので部活動がどこで行われているかを確かめておくといいでしょう。
大学進学実績は、多くの学校がホームページやパンフレットで公開しています。現役と浪人の区別も重要ですので区別されていなければ学校に確認してみましょう。推薦入試利用者数や推薦による主な進学先もチェックポイントです。
中高一貫校では系列高校へ進みますが、高校への進学条件があるのか、進学しなかった(できなかった)生徒が前年に何名いたのか知っておきたいところです。
学校による補習の有無や特別な受験指導があるのかどうかも調べましょう。大学進学実績の高い学校でも、ほとんど特別な指導をしないことが多くあります。一方、大手予備校と提携して受験情報を学内で提供する学校もあります。
毎日のことですので乗り換えの回数やラッシュに遭うかどうかなどの通いやすさは非常に大切です。駅から学校への通学経路にふさわしくない施設や店舗などがないか。あるいは、学校の周囲に危険な場所がないかも実際に歩いて確認しましょう。
私学では校舎の耐震補強、水や非常食などの備蓄をしていますが、先の東日本大震災での経験や反省を生かし、さらに防災対策に力を入れて欲しいものです。子どもの身の安全をまかせるわけですから不明な点は遠慮なく質問しましょう。
校舎が最新の耐震構造をクリアしているかはもちろんのこと、全校生徒が学校に泊まることを想定した水や食料の備蓄が何日分あるのか、寝袋や毛布、給水機能がストップした場合の仮設トイレの準備の有無や、停電時に自家発電ができるか、投光器などで明かりを確保できるかなどがチェックポイントです。
ただ何よりも大事なのはそれらを使いこなすこと。子どもを安全に家に帰す為の緊急時対応マニュアルがあるかどうか、そのマニュアル通りに行動するための訓練がされているかどうか。設備だけ整えて終わりになっていないかを確認しましょう。ホームページなどで積極的に防災への取り組みを公開している学校もありますが、そういった学校はとても安心できます。
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