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「首都圏模試は簡単だから、上位校の判定には向かない」との認識が広く持たれているように思われます。確かに、中堅校を志望している受験者層が多いと推測される首都圏模試よりも、上位校、最難関校の志望校判定にはサピックスや四谷大塚の公開模試の方が向いているという考え方は否定できないところです。ただし国語については、「首都圏模試は簡単である」という認識は捨てて下さい。首都圏模試の国語は決して簡単ではなく、見直しの仕方によって上位校、難関校受験の対策にも十分なり得るのです。
今回は首都圏模試の国語について、昨年の9月から12月に実施された第3回から第6回の模試を題材に、その攻略法をお話します。
昨年実施された首都圏模試は、どの回も制限時間45分で150点満点です。10月の第4回で詩の問題が出されましたが、基本的な大問構成は、読解問題は物語文読解が1問と説明文・論説文読解が1問、その他に語句・文法問題が3問、漢字の書き取りが1問(5題出題)のパターンです。
注目すべきは平均点で、第3回(9月)58点、第4回(10月)62点、第5回(11月)79点、第6回(12月)88点と、回が進むにつれて点数が上昇していますが、それでも9月の平均点が満点の4割にも満たないというのは余りに低すぎます。この点数の低さに首都圏模試の気をつけるべきポイントが隠されているのです。
首都圏模試の国語読解問題、特に説明文・論説文は語彙レベルが非常に高く、明らかに大人向けの文章をそのまま持ってきたと思われるものが目立ちます。これは中堅校を目指す受験生、国語が苦手な受験生にとっては非常に厳しい問題となります。例えば第3回の第2問では「余計な刺激に対する活動部位が、不可避的に発生」するといった表現が注釈なしで現れ、しかもこの部分と同じ意味の二字の語句を文章中から抜き出すといった問題が出されましたが、この問題の全体正答率は1.7%でした。その他にも「プラグマティズム(第4回・第1問)」「スコッチやブランデー(同)」「リアル世界(第5回・第2問)」「ネットコミュニティ(同)」「mixiやTwitter(フリガナつき)(同)」「コロニー(第6回・第2問)」などの語句が注釈なしで登場します。
しかもこうした語句が文章を理解するうえでの重要な役割を持つことがあるのです。第6回の第2問には「外回りの最中、会社から指示を受けて別の現場に急行、という経験をおもちの方もいらっしゃるかもしれません。」との文章がありました。大人が読む文章をそのまま問題に使ったとしか思えません。
お子さんには、難しい語句を含む文章があっても皆がわからない可能性が高いので驚かないこと、できる限り語句の内容を推測して、わからなければ諦めて先に進むこと、をしっかり伝えて下さい。そして見直しの際に、その語句の意味をしっかりと親御さんが教えてあげる、という流れで進めるようにして下さい。
首都圏模試の国語の大きな特徴のひとつが、記述問題が出ないことです。読解問題は、接続詞や副詞の穴埋めや、書き抜き問題、そして問題の大半を占める選択肢問題で構成されます。このうち、書き抜き問題の難度は非常に高くなることがあります。先ほど触れた第3回の第2問にあった説明文の問題以外に、物語文でも、例えば第3回の第1問で、主人公の心理を表す言葉として「ジェラシー」を文書中から書き抜かせる問題がありました。テレビなどでもよく出てくる言葉ではありますが、この言葉が注釈もなく、問題として出されて対応できる受験生は少ないと思われます。この問題の全体正答率は8.2%でした。
書き抜き問題についても、お子さんには考えてわからなければ抜かして構わない、と伝えて下さい。さらに、時間をかけ過ぎることは絶対に避けること、その時間があれば他の問題の見直しに使うことを徹底して下さい。
首都圏模試の選択肢問題は、書き抜き問題ほどは難度が高くないものが多く、また難解な語句がわからなくても対応できる問題が多いです。それでも選択肢を見てすぐに正解できるほどに容易なレベルではないので、教材として妥当な良問が多いと言えます。例えば第3回・第1問の問5は、問題該当部の一段落前にある「アルトはできません。まだ…」の「まだ」という主人公の心のつぶやきに気づかなければ正解に行き着けないようになっています。多くの問題が問題該当部の近くを注意して見ることで正解できますが、その注意の度合いが低いと大事なポイントを見逃してしまうことになります。消去すべき選択肢も、一見正しく見えて文章中に書かれていないなど、様々なパターンの間違いがありますので、選択肢問題対策の教材として有効に活用できます。
首都圏模試の選択肢問題については、上位校や難関校を目指す受験生も演習する価値は大いにありますので、ぜひ活用して下さい。
首都圏模試に限らず、テストでは時間配分がどこまで徹底できるかが大きなポイントになります。記述問題があるテストでは、そこにどれだけの時間を費やせるかを考える必要がありますので配分計算が少し複雑になりますが、首都圏模試の場合は記述問題が出題されることがほとんどありませんので、時間配分が比較的やりやすいと言えます。
ひとつの方法は問題1問にどれだけの時間を使うかを決めておくというパターンです。選択肢問題に対しては、時間をかければかけるほど迷って、結果間違えてしまう受験生が多くいます。決めた制限時間内に解答したらその問題にはもう振り向かず次へ進む、と決めておけば、余計な迷いの時間がなくなるというメリットもあります。また、出題傾向が急に変わって記述問題が出てきたとしても、他の問題の制限時間を決めておけば、そこから残った時間を記述にあてればよい、と考えられます。そのためにも、時間が少し余る計算で問題ごとの時間配分を決めておきましょう。理想としては、首都圏模試の過去問が購入できますので、実際の過去問を解いてみて、問題によってかけられる時間を決めるとよいでしょう。
公開模試の役割はお子さんの現状を知るための偏差値を出すだけのものではありません。見直しを徹底することで、模試はお子さんの課題を抽出できる有効な教材となるのです。首都圏模試の国語は、選択肢問題、書き抜き問題が中心で、記述問題がないという特徴があるため、お子さんと親御さんが一緒に見直しを進めやすいと言えます。記述問題の場合、模範解答があってもそれと同じである必要はなく、家庭で見直しをしても採点基準がわかりづらいですが、選択肢問題や書き抜き問題は答えがひとつと決まっているため、お子さんにとっても正誤のポイントがわかりやすいのです。
ただしここで気をつけなければならないのは、問題の正誤だけにとらわれないことです。選択肢問題の答えが不正解の場合はもちろん、正解の場合もその根拠をしっかりお子さんと確認するようにして下さい。「何となくアにして正解だった」のでは問題を解く意味がありません。お子さんが確かな根拠を持って問題に正解したかどうか、不正解でもどこまで考えることができていたのか、そうしたプロセスを確認することが国語の演習では極めて重要になります。
また首都圏模試ならではの見直しの注意点ですが、先に触れた通り、難しい語句が解答のポイントになるなど、難度が高過ぎる問題が含まれていることがあります。そうした問題は得点できなくても止むを得ないとして、取るべき問題がどこまで取れているかに主眼を置くように考えましょう。問題の難度を測る目安のひとつが全体正答率です。難度が高すぎる問題は自ずと全体正答率も低くなっているため、得点できなくても止むを得ずと判断できます。首都圏模試でも他の公開模試と同様に問題ごとの全体正答率が公表されますので、その数値を参考にして下さい。
全体正答率を基準に考えると、より具体的な見直しができます。例えば2011年度の第3回(11月実施)の国語について見てみると、全体正答率45%以上の問題の点数を合計すると88点となり、平均を9点上回る計算になります。そこで平均点を目指すお子さんの場合は、全体正答率45%以上の問題でどれだけ得点できたかに主眼を置いて問題を見直して、課題を把握するという流れで進めることができます。この基準とする全体正答率はお子さんの現状、目標によって違ってきますので、塾の先生などと相談してもよいでしょう。
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