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今回は、5月に行われた四谷大塚の組分けテストと、サピックスのマンスリーテストを題材に講評を行い、お子さんの現状分析に役立てて頂きたいと思います。
まず四谷大塚の組分けテストです。
テキストの内容に沿った標準問題を中心に出題されており、予習シリーズの練習問題まで正確に理解できていた生徒さんは、しっかり得点できる構成でした。
ただし、大問8の平面図形と大問9の投票数の問題は難しく、大問8(2)はSコース生にとっても難しかったと思います。
その他は、答えに到達できる問題であったと思いますが、大問2(8)正六角形の面積比、大問5数列の(2)、大問6旅人算の(2)、大問7の図形の移動での正解率が、成績に大きく影響したと考えられます。
今回の範囲である割合・速さ・図形の移動・規則性は、入試での出題比率が高い単元ですので、大問7までの内容の理解度が、入試本番でもそのまま得点に反映されるといえます。
特に速さは、線分図を書くのか、ダイヤグラムを利用するのか、それとも速さと時間の比に注目するだけで解けるのかなどの判断が重要ですが、素早く判断するためには相応の演習量が必要ですので、夏休み終了時までの重要課題と考えてください。
また、大問9の投票数の問題は、これまでに取り組んだ経験のない生徒さんが多いと思いますが、入試では正解すべき問題になりますので、復習して理解しましょう。
Sコース生は全て、Cコース生は大問7まで、B・A・αコース生はまず大問4までを目安に復習してください。
次にサピックスマンスリーテストです。
大問5の円すいの側面の展開図が直角二等辺三角形になる問題や、大問6タクシー料金の(3)で一ひねりされた出題もありましたが、概ねテキストの内容に沿った標準問題が中心に出題されており、難問や思考力問題は出題されていませんでした。
ただ、今回の範囲は小数・分数やタクシー料金・立体図形など計算処理が多い単元であったため、計算の正確さが得点に大きく影響したと思われます。
注意すべき点は、大問2(5)既約分数の特徴とその和の求め方、大問2(7)スタート位置をずらす問題での速さ比の利用、大問3(3)循環小数と分数の関係、大問3(4)水そう円柱を沈める高さの変化は、これまでにくり返し学習している内容です。
得点できていない生徒さんは、ただ単に解き直しをするだけでは今後も間違える可能性が高いですので、根本からていねいに復習し正確に理解しましょう。
また、大問4(2)立体図形の切断面、大問6タクシー料金の(1)(2)は新出単元ですが基本問題であり、特に立体の切断は今後さらに求積や二方向からの切断など難しい問題に取り組んでいくことになりますので、正解できるように訓練してください。
偏差値50前後の生徒さんであれば、全ての問題を復習することが可能でしょう。それが難しい、あるいは偏差値40前半くらいまでの生徒さんは、まずは大問4までを目安に復習してください。
最後に、どちらのテストも「計算ミスや条件の読み間違いがなければ、もっと高得点が取れたのに」と、悔しい思いをした生徒さんが多いと思われます。しかし、近年の入試問題は最難関校でも易化傾向にあり、ケアレスミスの数で勝負がついてしまうと言っても過言ではありません。「ミスしないように」や「見直ししなさい」と、つい言いたくなると思いますが、ミスを減らすために何をどうすれば良いか具体的な対策が立てられるように、テストでのミスを分析して日々の学習で実践していってください。
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