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2014年度の中学受験には、どのような特徴があったでしょうか。ここでは塾が発表した合格実績をもとに、今年の塾情勢について、独自の数値を使って分析した結果をご紹介します。
分析に用いた数値は「学校発表の合格者人数に対する塾の合格者の割合」です。以下「学校比」とします。
たとえばある塾の駒場東邦中への合格者数が50名と発表されたとします。学校は合格者数を公表しています(2014年度の駒場東邦の合格者数は270名)から、50名がどれくらいの割合を占めているか大体のイメージはできますが、その値が大きいのか小さいのかは、いまひとつ把握しづらいところです。
そこで塾ごとの学校比を算出することで、どの学校でどの塾がより高い割合を占めたのかなどがわかるようになります。
学校比算出のための数値のデータ元は以下の通りです。 ・分析対象の塾:サピックス、日能研、早稲田アカデミー、市進学院
・塾の合格実績:各塾のHPで発表された数値
・学校発表の合格者数:各学校のHPで発表された数値&四谷大塚説明会資料で発表された数値
学校比の算出方法は以下の通りです。
学校比=塾の合格者数÷学校発表の合格者数×100
今年もサピックスの強さが目立ちました。主な難関校の学校比で50%以上になった学校を挙げてみると、以下の通りになります。( )は昨年の数値です。
と、昨年と同じ11校になりましたが、そうそうたる学校が並びます。
開成、桜蔭は65%前後と、昨年からさらに学校比が上がり、駒場東邦、聖光学院、筑波大附属は合格者の約6割、筑波大附属駒場は昨年から若干数値が下がったものの、65%の占有率と、相変わらずの強さを見せています。特筆すべきは慶應普通部で、全合格者数の72%をサピックス生が占めるという、凄まじい結果になりました。
その他、昨年から学校比が大きく上がった学校として、以下が挙がります。
いずれも今年の入試で話題になった学校です。学習院中等科は、他大学受験やグローバル化への対応が高く評価されている上に、同じ大学付属校の青山学院中等部で、入試日が2月2日から3日に移動になったこともあってか、受験者数が増加しました(第1回259名→374名、第2回186名→268名)。また本郷は、入試日を昨年までの2月2日、3日、5日から1日、2日、5日に変更したことから、1日の第1回入試で多くの受験生を集めました(募集80名に対し、応募308名)。
こうした今年を代表する人気校でも学校比を大きく上げているところに、サピックスの強さがうかがえます。
日能研は地域としては神奈川で強く、また女子校に強い特徴があります。今年の実績でもフェリス女学院で5%、横浜共立で8%、横浜雙葉では22%のアップと、神奈川女子御三家の実績でいずれもサピックスの学校比を上回り、日能研ならではの強さを見せつけました。栄光学園、聖光学院、浅野の神奈川男子御三家の実績では、昨年から三校とも数値を上げたサピックスに及びませんでしたが、それでも栄光学園では5%のアップと大きな伸びを見せ、神奈川ではサピックスと2強の位置を保つ結果となりました。大いに注目すべきは横浜雙葉で、昨年はサピックスに抜かれる結果となりましたが、今年は大きく数値を上げてサピックスの学校比を上回り、約50%という見事な結果になりました。
その他、東京女子御三家のうち雙葉で5%のアップを見せ、他塾が軒並み数値を下げた青山学院で、微増ながら学校比を上げました。
また、千葉の昭和学院秀英で学校比を上げて市進学院を抜いたところに、広い地域をカバーする日能研の強さがうかがえます。
早稲田アカデミーですが、まずは早稲田大学の附属校・系属校の実績が以下の通りです。
早稲田中は昨年から8%も学校比を上げ、サピックス(34.33%)に一気に迫る勢いで、面目を大いに躍如させました。他2校の学校比は他を圧倒し、早稲田大学高等学院では数値を下げたものの、合格者の半数以上が早稲田アカデミーという高いレベルを保っています。
慶應3校も微減、微増ながらすべてサピックスに次ぐ数値で、早慶付属校の実績ではサピックスとの2強体制を築いていると言えます。
その他の大学付属校の実績でも早稲田アカデミーの強さがうかがえました。学習院中等科ではサピックスの学校比には及ばないものの、昨年から5%以上アップ、同じく学習院女子でも5%のアップという結果となりました。今年の早稲田アカデミーの実績でひとつのトピックと言えるのが、明治大明治での学校比15%のアップです。明治大学の人気もあり、毎年高い人気を誇る同校で、学校比44%という圧倒的な数値を出しました。
男子御三家の武蔵では昨年からさらに数値がアップし、サピックス(24.86%)、日能研(24.29%)をしのぐ結果となり、今年高い人気を集めた頌栄女子学院でも大きな数値の伸びを見せました。
今年度は塾HPによる合格実績で合格者数が発表されていない学校が多く、残念ながら全貌を分析するには至りませんが、それでも、もともと千葉県・市川市から塾展開をスタートしたこともあり、千葉地区での市進学院の実績は、これまでも高い評価を得てきました。
今年も茨城になりますが、江戸川取手では学校比30%以上と、他塾の倍以上の実績を挙げました。また、昭和学院秀英でも、大きな数値のアップを見せた日能研に抜かれはしたものの、それに次ぐ高い値を保っています。千葉地区最難関のひとつである東邦大東邦も、昨年から微増となりました。
また、埼玉の栄東、開智といった競争の激しい難関校で、学校比の微増を見せています。
その他、前述の通り今年の話題となった本郷や、毎年高い人気を誇る立教新座では微増を成し、日本女子大附属、桐朋、あるいは男子御三家の麻布でも昨年から学校比をアップさせています。
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