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サピックスの入室テストは難しい、という印象を強く持っておられるご家庭も多いかと思われます。たしかに見るからに複雑なパズルの問題や、ルールを長文で説明するゲーム形式の問題を見ると、これを3年生で解けるものだろうか…と不安になられるのも無理はありません。
ただ、サピックスが求めているのは高度な計算技術や解法ではありません。大事なのは、問題への取組み方、そして考える力です。
そこで、そうした取組み方、考える力を中心に、入室テストに臨むお子様方に、ぜひ気をつけておいて頂きたいポイントを第1位から第5位までランキングにしましたので、ぜひポイントをしっかり踏まえて入室テストに臨んでださい!応援しています!
さらにこちらの算数予想問題と組み合わせれば入室テスト対策は鬼に金棒です。ぜひ入室テスト合格を実現してください。応援しています!
サピックスの入室テストと言えば、パズルやゲームなどを題材とした推理・論理の問題が最大の特徴です。一見すると、どのように解けばよいのかわからないような、複雑に見える問題もありますが、そうした問題にも「ルール」がしっかりと設けられています。このルールをいかに正確に理解するかが、入室テスト攻略の第一のポイントです。ルールさえ理解できていれば、スムーズに正解に行き着ける一方で、ルールを踏まえていなければ、思わぬミスをしてしまったり、解答に行き詰まってしまいます。
ここには、「いかに素直に問題に向き合えるか」を試そうというサピックスのねらいがうかがえます。計算力や、解答の技法はサピックスに入室してからじっくりと鍛えてあげられる。その前段階として、問題をよく読んで、ルールを正しく理解する、という素直な取り組み姿勢を持っていて欲しいという意向があると考えられます。
複雑に見える問題もルール自体はいたってシンプルです。大事なのは、そのルールに合わない解き方をしないこと。当たり前のように思われるかもしれませんが、制限時間のあるテストでは、つい焦ってルールを忘れてしまうことが多く見られるのです。
対策として、お子様がパズル型の問題を読んだ後に「どんなルールだった?」と聞いてみてあげてください。その質問に答えることで、頭の中が整理され、ルールの理解が曖昧になることが避けられますし、ルールを見つけなくてはいけない、という意識が強く働くようになります。
そして、実際に問題を解く際には、ルールにあたる部分に線を引くなど、マークをしておくとよいでしょう。視覚的にルールを気に留める効果がありますし、問題を解く過程でルールを忘れてしまうリスクを防ぐことにもなります。
ルールを理解するというのは、当たり前のことと思われるかもしれませんが、入室テストの大問3以降の問題は、図も含めて情報量がとても多く提示されます。その量に圧倒されて、つい大事なルールを見逃すことは何としても避けたいところです。
そして、入室テストの制限時間である40分は、現3年生のお子様にとっては集中が持続するギリギリの時間と考えられます。その時間内に30題近い問題数を解くとなると、かなりスピーディーに解き進めなくてはいけません。限られた時間の中で問題文を正確に理解するためには、ただ漫然と問題文にあたるのではなく、「ルールを正しくとらえる」という意識をしっかり持って臨むことが不可欠です。ぜひテスト対策の中で、お子様にルールを理解することの重要性をしっかりと持たせてあげてください。
【第1位】でもご紹介しました、大問3以降の問題を解くうえでの「ルール」。そのルールを守ったうえで、次に大事になるのが、「もしも○○だったら」という仮定の考え方です。これは、たし算やかけ算の計算結果をもとにした数の大小関係や、あてはまるケースを論証するタイプの問題で多く見られます。
4年生以降の受験算数でも重要な考え方となる「もしも」ですが、この考え方が苦手な受験生がとても多いのです。答えとなる候補から、ルールにあてはまらないものを取り除く、という作業が面倒に感じられ、負担になってしまうのでしょう。それだけに、問題で提示される条件をふまえて、この「もしも」の考え方を正しく使えるかどうかが、算数の力を大きく伸ばすかどうかのポイントになります。
3年生のお子様にとって、問題の条件を正しく活用することははなかなか難しいと思われるかもしれませんが、先程のルールと同じく、入室テストで設けられる問題の条件は、数の大小をはじめとしたシンプルなものですので、恐れることはありません。
対策として、やはり親御様の声かけが抜群の効果を発揮します。まずはお子様に何も言わずに問題を解かせてみましょう。そこでお子様が、条件を使って当てはまらないケースを正しく外すことができた際には、おおいに褒めてあげてください。とてもレベルの高い作業を自分がクリアできた、という達成感がお子様のモチベーションを大きく上げることはもちろん、大事な「もしも」の考え方を使いこなすきっかけにつながります。
ただ、何のヒントもなくすぐにこの「もしも」の考え方が駆使できるお子様は決して多くありません。まずはお子様にじっくり考えさせたうえで、行き詰まったときに「もしも○○だったらどうなる?」とヒントを出してあげてください。そこでお子様が当てはまらないものを外せた場合は、やはり褒めてあげて頂きたいのです。
仮定に基づく論証という高いハードルを越えるためには、お子様のモチベーションをアップさせることが不可欠ですし、それができるのは親御様をおいて他にありません。ぜひお子様との二人三脚で、「もしも」の考え方を身につける練習を進められてください。
入室テストでは、最初の大問1で、9題の計算問題が出されます。その半分以上は、たし算、引き算、かけ算、わり算(あまりのあるものも含みます)の四則計算と、計算の途中が空欄になっている「還元算」のタイプですが、最後の2、3題で、単位を使った計算が出されることが多くあります。
例えば、「5km60m-3km800=○km△m」といった問題。4年生より上の学年で、小数の計算に慣れていれば、5km60m-3km800=5.06km-3.8km=1.26km=1㎞260m、といった進め方もできますが、3年生の段階では、小数計算ではなく、「単位をかえて計算する」方法で進めることになります。
この問題であれば、「1㎞=1000mから、mにそろえる」かたちです。5060m-3800m=1260m=1㎞260mと、最後に単位を㎞とmのかたちにもどす手間はかかりますが、くり下がりの引き算に気をつければ、スムーズに正解に行き着くことができます。
大事なのは、単位の換え方をしっかり覚えておくことです。単位変換を間違えてしまっては、せっかく計算が正しくできても正解に行き着くことができなくなってしまいます。長さ・重さ・容積そして時間の単位をテストまでに確認しておきましょう。
また、先にも触れましたが、入室テストは問題数、難度からすると制限時間が短く、時間の使い方がポイントになります。大問1の計算はできる限り速く進める必要がありますので、単位の換え方をゆっくり思い出している時間はありません。問題を見てすぐに単位が換えられるように、暗記を徹底的に固めておきましょう。
大問2の小問集合では、様々なタイプの問題が出されますが、その中でも「規則性の問題」が出されることが多くあります。数やご石が並ぶ(数列)タイプの問題や、図形の並び方の規則を考えさせる問題などです。大問2で出される問題の多くは、内容を正しく式にできれば、計算を含めて難度は高くない問題が多いですが、この規則性と図形の問題は、難度の高い問題が出されることがありますので注意が必要です。
規則性の問題のうち、図形を組み立てる場合などの規則を問うタイプでは、自分の手を使って図形を書き出すことで解答まで行き着く、「力技」とも言える方法が有効になることもあります。一方で、数やご石が並ぶタイプの問題では、書き出しをするのに大きな手間がかかってしまうことが多いため、規則性を見つけた後は、計算を使って解く方がよいでしょう。
「○△●●●△○△●●●△○△●●●△○△●●…と左から記号がならべていきます。左から32番目までに△は何こあるでしょうか。」という問題を例に考えてみましょう。記号を32こ書き出すこともできますが、記号を書く手間、そして書き間違うリスクを考えると、より確実な方法で解き進めたいところです。
そこで、このご石の並び方が、「○△●●●△」のくり返しであることに気づくことがポイントになります。6つの記号で1組とすると、32番目までに何組並んでいるのか。
ここで計算の出番です。32÷6=5あまり2より、「○△●●●△」の組が5こと、組のはじめの2個「○△」までが並びます。そこで△の数は、1組に△が2個に、あまりの2個のうち1個を足して、2×5+1=11(個)と求めることができます。
規則性の問題をはじめ、大問2ではテスト全体を通しても、何としても得点を重ねたいところです。今回ご紹介しました計算を使う方法など、できる限り時間をかけずに正確に解き進める方法を身につけておくようにしましょう。
入室テストで特に出題頻度の高い単元に「立体図形」の問題があります。立体図形と言っても、4年生以降に習う体積や表面積を求める問題が出ることはありません。問われるのは、つみ木のつみ重ね方や、その見方といった「立体感覚」の使い方です。
様々な方向からの視点を使いこなす力を試すこのタイプの問題は、公式を使えば解ける体積や表面積とは違った難しさがあります。サピックス新4年の入室テストを特徴づける単元のひとつであるこの立体図形の問題を攻略することが、テスト全体の点数を上げるポイントとなります。
覚えておいて頂きたい解き方として、「段ごとに立体をとらえる」方法をお伝えします。例えば、いくつかのつみ木をつみ重ねた立体で、つみ木の数を求める場合などに大きな効果を発揮します。解き方はとてもシンプルで、つみ重なった立体を、地面に平行な段に分けて、その段ごとにいくつのつみ木があるかを数えるというものです。
手間がかかりそうに見えますが、入室テストで出題されるつみ木問題は、一見しただけでは数を把握するのが難しく、また数え方のきまりを設けずに、闇雲に数えようとすると数え間違いを起こしやすいように「巧妙に」つくられています。ミスを減らし、確実に得点をとるためにも、ぜひとも段ごとに立体を見る解法を覚えておいてください。
この段ごとに立体を見る解き方は、つみ木の数を答えるだけでなく、今後の受験算数の演習を進める中で、立体に色を塗る問題や、穴を通す問題といった応用型の難問を解く際に、フル活用することになります。今のうちに基本的な解き方を身につけておくと、大きなアドバンテージを得られますので、ぜひ試してみてください。
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