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第9回のテーマは「平面図形 底辺比と面積比」です。高さが等しい三角形の底辺の長さの比が面積の比に等しいことを学びます。今回はこの「底辺比=面積比」の関係をいかに使いこんなすかがポイントになります。
この関係を使えるようになるには、まず、高さが等しい三角形を見つけることがポイントです。ここでは自分で探して自分で見つけることが重要なため、できるだけ粘り強くお子さまに考えさせてください。
さらに、高さが等しい三角形が見つからないときは、自分で作らなければなりません。ここでも自分で線を引いてみることが重要なため、じっくりと取り組むようにしましょう。
今回は高さが等しい三角形を見抜く眼力を高めていきましょう。
「学び1」は高さが等しい図形についてイメージし、「高さが等しい」ということの正確な知識をつけていきます。195ページの上段の図を見てましょう。三角形と平行四辺形と台形が並んでいます。高さとは底辺を地面につけたときに、最も高いところにある頂点から地面に下ろした垂線の長さです(最も高いところにある頂点におもりのついたひもを下げるイメージです)。ここでは実際に高さの線を書いてみましょう。
「学び2」では高さが等しい三角形の「底辺の長さの比と面積の比の関係」について学びます。196ページの上段にある三角形が3つ並んだ図を見てみましょう。3つの三角形の底辺の長さの比は左からa:b:cです。高さが同じため、これを◯とします。面積を表す式を作ると、左からa×◯÷2、b×◯÷2、c×◯÷2となります。「×◯÷2」の部分は同じため、面積の比もa:b:cとなります。したがって高さが等しい三角形の場合、「底辺の長さの比=面積の比」となります。
197ページの「やってみよう!」の一番上の2つの三角形が並ぶ図形を見てみましょう。左側の三角形と右側の三角形の高さは同じです。このように今回扱う高さが等しい三角形は、「底辺が一直線上にあり最も高いところにある頂点が共通する」特徴があります。このイメージを忘れないようにしましょう。
200ページの問3①を見てみましょう。三角形ACDと三角形DCBは底辺が一直線上(辺AB)にあり最も高い頂点(点C)が共通する三角形です(このように、底辺にあたる線が地面についていない場合もあります)。「底辺の長さの比=面積の比」ですから、三角形ACDの面積:三角形DCBの面積の比=辺ADの長さ:辺DBの長さ=8:6=4:3となります。
面積の公式に「高さ」が登場する図形は台形と平行四辺形があります。はじめに高さが等しい2つの台形A、Bを考えます。三角形と同じように図をイメージしてください。台形Aの上底の長さと下底の長さをa、b、台形Bの上底の長さと下底の長さをc、dとします。面積を表す式を作ると、台形Aでは、(a+b)×◯÷2、台形Bでは(c+d)×◯÷2となります。「×◯÷2」の部分は同じため、面積の比は、(a+b):(c+d)となり、「上底の長さと下底の長さの和の比=面積の比」となります。
また、平行四辺形も台形の仲間です。普段、面積を出すときは「底辺×高さ」としていると思いますが、「(上底+下底)×高さ÷2」でも面積を出すことができます。高さが等しい2つの平行四辺形C、Dの場合、それぞれの底辺の長さをa、bとすると面積の比は、(a+a):(b+b)となり、台形と同じように、「上底の長さと下底の長さの和の比=面積の比」となります。平行四辺形の場合、結局、面積比はa:bになりますが、上底+下底で考えることで台形との比較もできます。こうすることで、高さが等しい三角形と台形と平行四辺形の面積の比を求めることができます。
具体的には200ページの問4を使って説明します。問4①は高さが等しい三角形と台形の例です。三角形ABEと台形AECDの面積の比は三角形ABEの底辺の長さと台形AECDの上底の長さと下底の長さの和の比になります。したがって面積比は6:(8+10)=1:3となります。
問4②も同じように考えます。台形ABEDと三角形DECの面積の比が17:8とありますから、(台形ABEDの上底の長さと下底の長さの和):(三角形DECの底辺の長さ)=17:8となります。台形ABCDの上底の長さと下底の長さの和は20+30=50cmとなるため、比の25(17+8)にあたる値が50cmとなります。このことから、比の1にあたる値は50÷25=2cmとなることがわかります。したがってECの長さ(三角形DECの底辺の長さ)は比の8にあたる値ですから2×8=16cmとなります。
三角形の底辺の比と面積の関係だけでなく、台形や平行四辺形の上底と下底の長さの和と面積の関係も使えるようになるとさらに効率よく解くことができます。
「学び3」では高さが等しい三角形を、補助線を引いて作ります。198ページの「やってみよう!」にある台形を見てみましょう。この台形の点Dと点Eを結びます。高さが等しい3つの三角形ができます。方眼を読んで長さの比を決めると、AD:BE:EC=11:13:5であることがわかります(本来は自由に長さをきめてよい設定になっています)。
このことから三角形AEDの面積:三角形ABEの面積:三角形DEC面積=11:13:5となることがわかります。このように図形の面積比を出す場合、高さが等しい三角形を作って考えていく方法は様々な問題を解くときに有効な手段です。必ず身につけましょう。
演習としては199ページから202ページは必修です。「学び2」で学んだことが使えるようになるまで何回も練習しましょう。ポイントは底辺の長さと面積比ですから、これらを明らかにするためにどんどん数字を書き込んでいきましょう。比を表す数の場合は◯などで囲んで、単位のついている数と区別していきましょう。205ページ以降は入試問題レベルの問題が並びます。206ページの問2、207ページの問4、208ページの問5、209ページの問7あたりは入試で見られる典型的な問題です。実力を確かめてみましょう。
第9回のテーマは「速さ 速さの意味」です。今回は速さについての導入です。この単元はともすると公式に頼りがちになり、計算のことばかりが頭の中を占めるため、「公式を忘れた」「単位をそろえなかった」という事態になりがちです。
速さの定義からしっかりと学ぶことで、単位にも注意を払うことができ、自然と公式も受け入れることができます。速さは入試でも必ず出題される単元です。焦らず、じっくりと取り組んでいきましょう。
「学び1」では速さの意味について考えていきます。はじめに「どちらが速いか」を考えます。148ページの例1、例2を読んでみましょう。例1ではAの方が、例2ではCの方が速いことがわかります。
ここで重要なことは、「何を基準にしているか」です。例1では100mという同じ道のりを走っています。道のりが同じ時、時間が短い方が速いことになります。例2では5分という同じ時間を走っています。時間が同じ時、その時間で走った道のりが長い方が速いことになります。このように基準を決める(道のりを一定にする、時間を一定にする)と、どちらが速いのか分かりやすくなります。何を基準にするのか考えながら149ページの「やってみよう!」をやってみましょう。
次に実際に速さを求めていきます。速さを考える場合、基準にするのは時間です。1時間あたり◯km進むことを表したものを速さといい「時速◯km」と表します。同様に1分あたり◯m進むことを表したものが「分速◯m」、1秒あたり◯cm進むことを表したものが「秒速◯cm」です。
150ページの「やってみよう!」を例に説明します。ここでは1秒あたりに進む道のり(秒速)で比べてみましょう。100mを10秒で走るA選手の速さは100÷10=秒速10m、5分(300秒)で2000mで走るB選手の速さは2000÷300=秒速6.66…mとなります。このことからAさんの方が速いことがわかります。このように、速さを比べるときには秒速、分速、時速をそろえると比べやすくなります。分速でも比べてみましょう。
また、151ページではいろいろなものの速さが載っています。実際の速さがどのくらいなのかを知ることはとても重要です。覚えなくてもよいので「だいたいこのぐらい」を実感しておきましょう。文章題を解くときの助けになります。
「学び2」では速さと時間と道のりの関係を覚えましょう。速さの定義がわかっていれば式を作ることができます。152ページの「やってみよう!」を説明します。初めの文章は速さを求める問題です。600kmの道のりを3時間で進む新幹線の速さが時速200kmとあるため、式は600km÷3時間=時速200kmとなります。式の中で時間の単位は時間、道のりの単位はkmとそろっています。このように速さの計算をするときは時間、道のり、速さの単位をそろえて使います。
次の文章は時間を求める問題です。600kmの道のりを時速200kmで進むと3時間かかるとあるため、式は600km÷時速200km=3時間となります。時速200kmの意味が「1時間に200km進む速さ」ととらえることができていれば、式も容易に立てることができます。
最後の文章は道のりを求める問題です。新幹線が時速200kmで3時間進むと600km進みます、とあるため、式は時速200km×3時間=600kmとなります。このことから、速さ、時間、道のりの関係について言葉を使った式で表すと次のようになります。
道のり÷時間=速さ
道のり÷速さ=時間
速さ×時間=道のり
「学び2」のまとめとして、152ページの「学んだことを使う」をやってみましょう。
演習としては153ページから154ページは必修です。154ページの問4は速さの単位を変える問題です。入試で問われるというよりは、問題を解くときに単位をそろえる場面で使います。したがって、確実にできるようにしましょう。
156ページの問1は単純に面白いです!お子さまと一緒に考えてみて下さい。157ページの問2、158ページの問4は速さの文章題です。本格的な文章題は第10回で扱うことになりますが、文章の中から条件を選んで使う練習をしておきましょう。
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