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第8回は『平面図形と比(3)』です。三角形の相似を利用して、長さの比や、その長さの比を底辺の比として、面積比に利用する問題を学習します。第3回で学習した、平行線を使ったピラミッド型やクロス型の相似を見つけることがカギになります。また、太陽の光や街灯の光による影の長さの問題も三角形の相似を利用して考えます。
「必修例題1」は、直角三角形の中にピッタリおさまる正方形の辺の長さを求める問題です。
問題の図では、クロス型の相似な三角形を考えます。相似な三角形では、対応する角をはさむ2辺の比は等しくなる、という性質を利用します。予習シリーズ75ページの解き方にある図を参照してください。辺ABと接している正方形の頂点をDとして、時計回りに、正方形をDECFと名付けます。三角形ABCにおいて、直角をはさむ2辺の比、BC:AC=28cm:21cm=4:3は、三角形ABCと相似な三角形ADEにおいて、直角をはさむ2辺の比、DE:AE=4:3と同じですので、正方形DECFにおいて、DE=4として、EC=DE=4です。よって、AE:EC=3:4と考えることができます。AC=21cmより、EC=21÷(3+4)×4=12より、ECすなわち、正方形の1辺の長さは、12cmです。
「必修例題2」は、正三角形を折った図形において、ある角度を求める問題です。
三角形ABDにおいて、外角の定理により、角DAC(=角DAE+角EAC)=角ABD+角BDAです。ここで、角DAEは、折る前の角A=60度、また、角ABD=60度ですから、先の等式は、60度+角EAC=60度+角BDAとなり、角EAC=角BAD=Xとなります。つまり、三角形ACEにおいて、角EAC=X、角C=60度、角E=34度で、合計は180度です。よって、180−(60+34)=86より、Xの角の大きさは、86度です。
「必修例題3」は、長方形を折った図形の問題です。
折って重なった図形は合同な図形になり、重なっていない部分の2つの三角形は相似な図形になります。予習シリーズ77ページの解き方にある図形を参照してください。
影の問題を学習します。この問題は、大きく2つに分類できます。太陽光による影の問題と、電灯光による影の問題です。考え方が異なることがありますので、それぞれの解き方を理解しましょう。
「必修例題4」は、太陽光による影の問題です。
この問題では、文章中に必ず、棒の長さと影の長さが与えられます。この棒の長さと影の長さによる三角形と、問題中の木の長さと影の長さによる三角形を、相似な三角形として相似の問題を解いていきます。ただし、木の長さと影の長さについては、[へいにできた木の影の先端から木に垂直な線を引いた三角形]を考えることが ポイントになります。予習シリーズ78ページの解き方にある図を参照してください。
問題文より、実物の長さ(高さ):影の長さ(底辺)=30cm:40cm=3:4です。木の長さを□cmとして、へいにうつった影の長さを引いた、(□−2)mを高さ、木とへいの間の長さ6mを底辺とする三角形が、3:4となります。よって、□−2=6m÷4×3=4.5m、□=4.5+2=6.5より、木の高さは、6.5mです。
「必修例題5」は、電灯光による影の問題です。
この問題では、必修例題4と同じように、[人の身長の先端から街灯に垂直な線を引いた三角形]を考え、この三角形と人の身長と影の長さによる三角形の相似を考えて問題を解いていきます。(街灯の高さ−とも子さんの身長):(街灯からとも子さんまでの距離)=(とも子さんの身長):(とも子さんから影の先端までの距離)という、関係になります。とも子さんの影の長さを□mとして、数値の式にすると、(4−1.5):3=1.5:□となります。□=3×1.5÷2.5=1.8より、とも子さんの影の長さは、1.8mです。
ここでは、太陽光による影の問題と同様でしたが、電灯光の問題では、人が移動することによって、影の長さが変化していくケースがあることに、注意が必要です。
第8回は『分数(2)』です。分数どうしの大小をくらべたり、分数どうしの加減をする場合に必要な、通分や約分の仕方を学習します。分母が同じ分数では、分子が大きくなれば分数は大きくなる、ということはおわかりですね。ですから、分母の異なった分数を分母の同じ分数にして考えます。このために必要なことが、通分という作業です。また、分数の大きさを考える上で、分子・分母をなるべく簡単な数で表すことも大切です。この作業が約分です。これらの通分・約分の作業では、「分数の分子・分母に0でない同じ数をかけても、0でない同じ数でわっても分数の大きさは変わらない」という重要な性質を利用します。なお、分数は、分子/分母の形で表し、帯分数は、整数・分子/分母と表します。
予習シリーズ61ページにある通分と約分の説明をよく読んで、理解しましょう。
「必修例題1」は、約分と通分の問題です。
「必修例題2」は、異分母(分母のことなる)の分数の加減です。
異なる分母の数の最小公倍数を新しい分母として、同分母の加減を行います。
ポイントを整理しますと、通分後の分数の加減では、整数部分・分数部分は別々に加減する。引き算では、繰り下がりに注意する。答えは既約分数(これ以上約分できない分数)で答える、ということになります。
「必修例題3」は、文章問題です。分母をそろえる(=通分する)ことが解法のコツです。
分数、小数の混じった問題では、まず小数を分数に直すことから覚えます。直し方は0.1=1/10、0.01=1/100、0.001=1/1000、などを利用します。例えば、2.34=0.01×234ですので、(1/100)×234=234/100=2・34/100となります。ここで、約分できる場合は約分しますので,2・17/50とします。
「必修例題4」は、分数と小数が混じった数の大小くらべの問題です。
分数で通分するところですが、3つの分数の通分はなかなか難しいものです。この場合は、すべて小数に直すことも一つの考え方です。分数を小数に直す場合、分子÷分母をします。ここでは、割り切る必要はなく、他とくらべて、大小がわかればよいのです。4/5を小数に直して、4/5=4÷5=0.8です。7/9は、7/9=7÷9=0.77…としておきます。よって、小さい方から順に、0.72、7/9、4/5となります。
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