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今回は、5年生の12月度マンスリーテスト対策をお伝えします。また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違いをしないように注意してください。問題は12/15(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたら、メルマガ、フェイスブック、ツイッターでもお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターもフォローしてください!
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今回の範囲は、「仕事算・倍数算・相当算・和と差に関する問題の復習」「平面図形(1)(2)(3)」「立体図形」となることが予想されます。
「仕事算・倍数算・相当算・和と差に関する問題の復習」については、前回のマンスリーの見直しをして、特にあと少しで正解できたのに間違えてしまった問題などは、その原因をしっかりと確認するようにしてください。
今回は「平面図形」「立体図形」について、解説を進めて行きます。単元別の説明の前に、特に出題範囲が広い平面図形全般で注意すべきことについて先に触れます。
なお、「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記させて頂きます。また帯分数の表記は、例えば「2と2/3」であれば「2・2/3」とします。
平面図形の問題で見直しをする際に、間違えた問題や正解はしたけれど理解が曖昧な問題については、「図を自分でかき直す」という手法をぜひ取り入れてください。問題で出された図を自分でかき直して、そのうえで解説を見てポイントを確認する、という流れです。かき直すという作業がはたして有益なのか、時間の無駄ではないか、と思われるかもしれませんが、5年生の今だからこそ大きなメリットがあるのです。
今回の平面図形では「相似」が大きなテーマのひとつになります。後でも説明しますが、相似ではどの部分が対応し合っているのかが大きなポイントになります。自分で図をかき直すことで、その図をより細かに見ることになりますので、どことどこが対応しているのかに気づくことができる可能性が大きくなるのです。
また、今の段階での図は、6年生の問題に比べて非常にシンプルなケースが多く、かき直しもしやすいです。この段階でしっかり図をかく練習をしていれば、6年生になって、例えば立体図形の切断といった難しい問題にあたった際にも、苦がなく図がかけるようになることにつながるのです。
実際の入試問題でも、例えば早稲田中の算数では、自分で図がかけなければ解けないような問題が出されます。しかも「コンパス・定規は持ち込み不可」です。そうした問題にあたって焦らないように、フリーハンドで図をかける練習を早めにしておくようにしましょう。
それでは各論へと入っていきます。
「縮尺1/1500の地図上で面積が48平方cmの土地の実際の広さは何a(アール)ですか」といった問題です。このタイプの問題では数が大きくなりますので、分数式をうまく活用しましょう。また、面積の単位について、a(アール)やha(ヘクタール)が何平方cmになるのかがテストの際にすぐに出せるように、改めて確認しておきましょう。
大前提として、縮尺の問題で長さに関するものの場合は、縮尺を1度かければよいですが、面積の問題では、縮尺を2度かけ合わせることに注意が必要になります。
上記の問題では、まず48平方cmを単位はそのままに、実際の面積とするために、縮尺の1500を2回かけ合せます。式にすると、48×1500×1500となりますが、ここですぐに計算をしてしまわないように気をつけてください。とても大きな数になることで、0(ゼロ)の数を書き間違えてしまうなどのミスが起こる可能性が高くなってしまいます。何より、この後に平方cmからaへと単位を換える計算がありますので、式はそのままにして続けましょう。
平方cmからaに単位を換えるために、100を3回かけ合せたもので、割り算をすることになります。すべてを式で表すと、48×1500×1500÷(100×100×100)となりますが、式のままで解くよりも、分子式にして方が間違いを防ぐことができます。分子に48×1500×1500、分母に100×100×100をおくと、0(ゼロ)を一気に消すことができるためです。結果、分子に48×15×15が、分母に100が残りますが、さらに15と100をそれぞれ5で割ることで、48×3×3を4で割るという式だけになり、12×3×3=108a(アール)という答えに至ることができるのです。
分数式にすることで、できるだけ0(ゼロ)を消すことに気をつけましょう。
今回マンスリーの大きなテーマです。まだシンプルな問題が多い段階ですので、この機会にしっかり基本を固めておきましょう。6年生になると図形以外の単元でも、この相似の考え方が様々なところ(速さとグラフなど)で活用されます。
相似の基本である三角形を底辺に平行な直線で分割するようなかたちや、大きさの異なる相似な三角形を、逆さの状態にして頂点でつなげる砂時計のようなかたちがまず初めに扱われます。相似の解き方の基本である「対応する辺を見つける作業」を、このかたちで練習しましょう。辺の長さが与えられている方の三角形から辺の長さの比を出して、それをもう一方の辺に書き込むことで解きやすくなります。このシンプルなかたちで相似の基本をまず徹底的に固めてください。
間違いやすいパターンは直角三角形の中に垂線を引いて、相似の直角三角形がつくられるようなタイプの問題です。実際に問題を挙げてみましょう。メルマガでは図がかけませんので、この後の文章をもとに、ぜひ図をかいてみてください。
「三角形ABCは角Aが90度で、辺ABの長さが28cm、辺BCの長さが35cm、辺CAの長さが21cmの直角三角形です。点Aから向かい合う辺BCに垂直な線を引き、辺BCとの交点を点Dとします。このときCDの長さは何cmになるでしょうか」
図はかけましたでしょうか。まずCDの長さを求めるにはCDを含む三角形DACを使うことが大前提となります。あとは三角形DACの辺の長さの比がわかれば一気に解決です。この問題のように、三角形の中に、向きが異なる相似な三角形が含まれるような場合、対応する辺を間違えてしまうことがよくあります。視点の切り替えが難しいこともあるのでしょう。そんなときには、角度を活用すると効果的です。
今回の問題であれば、まず角ABCを○、角ACBを●とします。すると各BADは90−○より●となります。ここで隣り合う角CADは90−●より○となり、これで三角形DACを構成する角度がすべてわかります。それを三角形ABCと比べてみましょう。角度の位置関係を使うと、三角形ABCと三角形DACにおいてAB:BC:CA=DA:AC:CD=4:5:3とわかります。そこからCDの長さを21×3/5=12.6(cm)と導くことができます。ぜひ角度を活用する方法を覚えておいてください。
まず、相似の関係にある図形において、相似比(対応する辺の長さの比)がa:bであれば、面積比はa×a:b×bとなることは必須ですので、忘れないようにしてください。ここでも例題を挙げますので、実際に図をかいてみてください。
「三角形ABCに、辺BCと平行な直線DEとFGを、AD:DF:FB=1:3:5となるようにひきます。このとき、四角形DFGEと台形FBCGの面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい」
三角形の内部に2本の直線が引かれた、ピラミッドのような図がかけましたでしょうか。ポイントがいくつかあります。まずAD:DF:FB=1:3:5だからといって、三角形ADEの面積:台形DFGEの面積:台形FBCGの面積=1×1:3×3:5×5と早とちりしないことです。相似比をかけ合せて面積比になるのは相似の関係にある図形に限られます。
次に、三角形ADEの面積:三角形AFGの面積:三角形ABCの面積=(3×3):(4×4):(9×9)となりますが、1+3=4と1+3+5=9といった比の和を用いることができるかどうか、ということにも注意してください。
そして最後に、面積を出すのは公式だけではなく、大きさのわかっている図形どうしをひき算するという方法も使えるということです。今回の問題であれば四角形DFGE、四角形FBCGがともに台形になることから、見た瞬間に、(上底+下底)×高さ÷2、といった面積の公式にあてはめようとしないこと、という意味です。上底も下底も比はわかりますが長さまでは分かっていません。
四角形DFGEの面積は三角形AFG−三角形ADEより、(4×4)−(1×1)=15、四角形FBCGの面積は三角形ABC−三角形AFGより、(9×9)−(4×4)=65とすることができます。よって四角形DFGEの面積:四角形FBCGの面積=15:65=3:13と出すことができるのです。
面積をひき算から求める、という考え方はこれからも頻出になりますので、しっかり覚えておいてください。
相似の関係から求められる辺の長さの比を動かして解くタイプの問題です。まず、以下の手順で図をかいてみてください。
図としては以上になります。正方形の1辺の長さはわかっていませんが、1辺が直角三角形の16cmの辺の上に、その辺と直角をはさむ位置にある1辺が直角三角形の30cmの辺の上に重なるようになり、また直角の向いにある頂点が34cmの辺上にあるように正方形がかけましたでしょうか。ここから、正方形の1辺の長さを求める問題です。
まず、わかりやすいように、図形に記号をかき入れて行きましょう。直角三角形の直角にあたる頂点をAとして、長さ30cmの辺を辺AB、長さ34cmの辺を辺BC、長さ16cmの辺を辺CAとします。次に正方形ですが、辺CA上にある頂点をD、辺BC上にある点をEとします。
直角三角形ABCと直角三角形DECが相似の関係にありますので、AB:AC=DE:DC=30:16=15:8となります。ここでDEの長さをマル15、DCの長さをマル8とすると、DE=DA(正方形の辺どうし)なので、ACの長さがマル15+マル8=マル23となります。よって、正方形の1辺の長さは16×15/23=240/23=10・10/23(cm)となります。
相似によって求められる辺の比を、同じ長さであることを利用して移動させて行く、このような問題はテストでも頻出ですので、気をつけて理解を進めてください。
ここでは相似だけでなく「底辺などの辺の比」も利用して面積比を求める問題について説明します。例えば次のような問題です。やはり文章から図をかいてみてください。
「平行四辺形ABCDの辺AB上に、AE:EB=3:2となるように点Eをとり、BDとECの交点を点Fとします。平行四辺形の面積を420平方cmとしたときに、四角形AEFDの面積を求めなさい」
与えられた辺の比を使って、求めるべき四角形AEFDの面積と平行四辺形ABCDの面積比を求めて正解へと進む問題になります。まず、三角形BEFと三角形DCFが相似の関係にあることと、AE:EB=3:2より、EB:CD=2:(2+3)=2:5となり、BF:DF=2:5となります。ここから、面積の比の値を使って行きます。
AE:EB=3:2、BF:DF=2:5から、三角形BEFの面積を2×2よりマル4とします。隣り合う三角形AEFの面積はマル4×3/2=マル6、ここで三角形ABFの面積がマル4+マル6=マル10となり、BF:DF=2:5より、三角形ADFの面積はマル10×5/2=マル25となります。四角形AEFDの面積は、マル6+マル25=マル31となり、平行四辺形ABCDの面積は、(マル10+マル25)×2=マル70から、平行四辺形ABCDの面積:平行四辺形AEFDの面積=70:31となり、求める面積は420×31/70=186(平方cm)となります。
辺の比から面積比を求めるにあたり、相似だけでなく底辺比も使い、求めた数値を図にかき込んで行くことに注意しましょう。
円やおうぎ形に関する問題で出てくる円周率(主に3.14)ですが、この数値の扱い方次第で問題の解きやすさに格段の違いが生まれることがあります。
式の中に3.14が何回か出てくるときには、その都度計算するのではなく、( )にまとめて一気に3.14計算をする、という方法は塾などでもよく言われていると思います。その点をまずしっかり確認しておきましょう。
例えば次のような式があるとします。
6×6×3.14×1/4+12×12×3.14×1/4+18×18×3.14×1/4+24×24×3.14×1/4
3.14×1/4が共通していますので、
(6×6+12×12+18×18+24×24)×3.14×1/4とするところまでは、すぐに対応できるでしょう。それでも、( )の中の計算がかなりややこしくなってしまいます。そこで、1/4をこの( )の中にかけていくという方法があります。6×6×1/4=9、12×12×1/4=3×12、18×18×1/4=(2×9)×(2×9)×1/4=9×9、24×24×1/4=6×24、とすべてを簡単にできる効果があります。
3.14以外を()の中にまとめるだけではなく、そこからさらに工夫ができないか、考えてみましょう。計算間違いを大きく減らすことができるかもしれません。
3.14の計算工夫は上記のようなかたちだけではありません。具体的な問題を挙げてみましょう。少し図がややこしいので、図をかく手順を説明していきます。
これで図は完成で、問題は次の通りとなります。
「(ア)と(イ)の部分の面積が等しいとき、台形の上底部分の長さは何cmになるでしょう」
(ア)=(イ)ということは、(ア)+(重なり部分)=(イ)+(重なり部分)となることから、結局、「おうぎ形の面積と台形の面積が等しい」ということと同じになります。ここまでは基本ですので、しっかり自力でたどり着けるようにしてください。
このタイプの問題は式のたて方は難しくありませんが、そこからの進め方でスピードと正確さに大きな差が生まれます。
求める台形の上底部分の長さを□cmとすると、おうぎ形の面積と台形の面積が等しいので、以下のような式が成り立ちます。
12×12×3.14×1/4=(□+15)×12×1/2
ここで、左辺の3.14を含む計算をすぐに仕上げてしまわないことがポイントです。12×12×1/4=36から36×3.14と、計算が少しでも楽になったのでそのまま仕上げてしまいたくなるのですが、ここは我慢が必要です。求める□は右辺にうもれていますから、計算はまだまだ続きます。小数を含んだ大きい数をそれからの計算に持ち込むのは、かなり大変なことになります。
ではどうすればよいでしょうか。36×3.14はそのままにしておいて、右辺の計算を少しでも簡単にしましょう。12×1/2を先に計算して、(□+15)×6と整理します。これで、36×3.14=(□+15)×6というだいぶすっきりした式になりました。ここから両辺を6で割って、6×3.14=□+15となり、ここで初めて3.14計算をすればよいことになります。どんなに3.14計算が得意なお子さんでも×36よりも×6の方が楽なはずです。
よって、問題の答えは、6×3.14−15=18.84−15=3.84より□=3.84なので、12−3.84=8.16(cm)となります。
3.14の整数倍(4×3.14や6×3.14)は、多くの塾で覚えさせられます。もちろんその値はしっかり覚えておいたうえで、それをより有効に活用できるように、さらなる計算の工夫を考えるようにしましょう。
相似比を使うことによって、円周率の計算を最小限におさえることができる問題もあります。次のような図をかいてみてください。
以上になります。
3種類の半径からなる3つのおうぎ形A、B、Cが正三角形を取り囲むようなかたちになりましたでしょうか。ここから以下の問題です。
「正三角形の1辺の長さを9cmとしたときに、3つのおうぎ形A、B、Cの面積の合計は何平方cmですか。円周率は22/7とします。」
まず、この問題のように、必ずしも円周率が3.14ではないものもあります。最後まで注意深く問題を読むようにしましょう。
ここで、おうぎ形の半径はAが9cm、Bが18cm、Cが27cmとわかっていますので、それぞれのおうぎ形の面積をAは9×9×22/7×120/360、Bは18×18×22/7×120/360、Cは27×27×22/7×120/360の式から計算で出すことができます。ただ、「×22/7×120/360」で式をまとめたとしても、9×9、18×18、27×27という数値の大きな計算が残ってしまいます。正解率を上げるうえでも、何とか工夫をしたいところです。
そこで相似比を使うのです。おうぎ形Aとおうぎ形B、おうぎ形Cはすべて中心角が120度ですから、もちろん相似の関係にあり、相似比(長さの比)は、9:18:27=1:2:3とわかっています。ここから面積比が(1×1):(2×2):(3×3)=1:4:9となり、おうぎ形Aの面積を(1+4+9)倍すれば、面積の合計が求められますので、以下のような式になります。
9×9×22/7×120/360×(1+4+9)=27×22/7×14=1188(平方cm)
計算の間違いをなくすため、より正解する確率を上げるためにも、解き方の工夫は常に意識するようにしましょう。
ある図形の内側や外側を辺にそって別の図形が動くタイプの問題です。内側を動く場合と外側を動く場合で対応の仕方も変わってきます。
まず内側を図形が動く場合、例えば長方形の内側を辺にそって小さい円が1周する、といったタイプの問題です。どのように図形が動いたかを、与えられた図にかき込んで確認するまでは必須なのですが、そこから「円が通らない部分の面積を出す」という方法と「円が通った部分の面積を出す」という方法があって、前者で解説されるケースが多いと思われます。もちろんその方法も覚えておくべきなのですが、ひとつやっかいなのが「隅の部分」です。円と直角の間にできるこの図形は、「正方形の面積−円の面積」で出すことができるのですが、円の面積が小数になることがほとんどですから、少し計算がややこしくなります。
そこで、円が通った部分の面積を出す方のやり方で、ややこしいひき算がない解法を説明します。図形をより細かくわけることで、計算がずっと楽になる方法です。
円が通った後の図形のうち、円の直径を1辺とする長方形が4つできることをまずおさえます。1辺が円の直径で、もう1辺が長方形の辺から直径2つ分をひいた長さの長方形です。この4つの長方形を除くと、残るは長方形の内側の隅にできる図形になります。どれも合同の図形で、正方形から、先ほど説明した「隅の部分」を除いたかたちになります。この図形に、正方形の向かい合う辺の中点どうしを結んだ2本の直線(プラスのかたち)をかき入れます。この2本の直線で、図形は「小さな正方形3つと中心角が90度のおうぎ形」に分けられることを確認してください。小さい正方形の面積は簡単に出ますので、あとはその数が全部で3×4=12(個)あることに注意です。おうぎ形はいずれも中心角が90度ですので、4つすべてを合わせると1つの円になります。つまり求める図形は「長方形4個、小さい正方形12個、円が1個」と整理できます。これでひき算をすることなく、また3.14計算も最小限におさえられるかたちで面積を求めることができるのです。
外側を図形が動く場合は、内側のときの「隅の部分」のような扱いづらい図形は出てきません。そのかわり図形がどのように動いたかを正確に把握する必要があります。多くは四角形や半円の外側を小さな円が1周するタイプです。はじめのうちは多少時間がかかっても外側を周る円の動きをていねいにかき込みましょう。四角形の頂点や、半円の直径の端の部分を周るように移動するところは、移動を始めたところの円と、移動し終えたところの円をしっかりかくようにしてください。それをかいておけば、角度の関係もとてもわかりやすくなります。
今回の立体図形は、基本的な内容がほとんどになりますが、解き方をしっかり理解して覚えていないと、時間ばかりがかかってしまう問題がいくつかあります。
そこで、覚えておくべき解き方について、ここでは2つのポイントを説明します。
まずは、円すいの側面積です。塾の授業でも「円すいの側面積=母線×底面の半径×円周率」という式を覚えるように指示されているかと思います。その通りで、この式を覚えているかいないかで、問題を解く時間、さらには正答率に圧倒的な差が生まれます。式をしっかり覚えておくようにしましょう。
ただ、式をかたちだけで覚えてしまっていると、曖昧な記憶のままに間違いが生じてしまうことになりかねません。そこで、ここでは「円すいの側面積=母線×底面の半径×円周率」の式の成り立ちを説明します。式を忘れかけた時にはこの成り立ちに立ち返るようにしましょう。
具体的な問題を挙げてみます。底面の半径が8cm、高さが6cmで、母線の長さが10cmの円すいがあるとして、この円すいの側面積を求めることとします。円周率は3.14とします。まずは公式を覚えていない状況として、式を立ててみましょう。円すいの側面を展開図で表すと、おうぎ形になることは大前提としておさえておいてください。円すいの側面積は、そのおうぎ形の面積を求めることになりますので、「半径×半径×円周率×中心角/360度」の式となります。
おうぎ形の半径は、円すいの母線にあたる10cmです。あとは「中心角の360度に対する割合」ですが、ここで重要なことは、おうぎ形の弧の長さと、円すいの底面の円周の長さが同じになる、ということです。これは展開図から立体を組み立てた際に、一致する長さであることから明らかとなります。そこで、おうぎ形の中心角を□度として、以下のような等式を立てます。左辺がおうぎ形の弧、右辺が底面の円周です。 10×2×3.14×□/360=8×2×3.14
ここから式の両辺に共通する、2×3.14を除すことで、式が以下のかたちに変わります。
10×□/360=8
よって、□/360=8/10となります。ここで8/10はあえて約分しないままに、求めるおうぎ形の式に戻りましょう。
10×10×3.14×□/360=10×10×3.14×8/10
と変形できることから、おうぎ形の面積は、
10×8×3.14
と、母線×底面の半径×円周率、の式で求められることになりました。
塾の授業でも説明されていることとは思いますが、このような流れで、「円すいの側面積=母線×底面の半径×円周率」の式が成り立っていることを改めて理解しておきましょう。
もうひとつのポイントは、同じく側面積ですが、回転体の側面積についてです。
立体図形のうち、この回転体を苦手とする生徒さんが多く見られますが、そうした生徒さんの多くが、体積よりも表面積を求めることに難しさを感じていると思われます。
特に、求めるべき側面積に気づかなかった、ということが多く見られます。もともと回転体は、平面図形を自身で立体図形に変換しなくてはならない問題で、同じく立体化する問題でも、展開図や、見取り図の問題よりも取り組みづらく感じられるかと思われます。
その違いのひとつは、展開図や見取り図は、平面を立体に換えるだけですが、回転体は、線分を平面に換える、という作業が求められるところにあり、その変換の際に、側面積を見逃してしまうことが起こってしまうのです。
そこで、側面積を見逃さないための方法をお伝えします。ポイントは「もとの平面のたての線の数」に注目する、ということです。例えば、直線PQがあって、そこから4cm離れたところに、たて5cm、横6cmの長方形があり、この長方形を、直線PQを軸に一回転させたときに、長方形が通過する部分の立体の表面積を求める、とします。
回転してできた立体は、半径10cmの円の中央から半径4cmの円を除いた、ドーナツ型の円を底面とする円柱になります。この立体の側面積がいくつあるか、なのですが、外側の側面と、内側にくりぬかれた部分の側面の2か所になります。
もとの平面に戻って、たての線が何本あるか確かめてみると、長方形のたての辺にあたる2本の直線が該当します。この2本が側面積をつくる直線となります。
このようにして事前に側面積の数を把握しておく方法なのですが、数えるたての線のうち、軸に重なった線は省くことに気をつけてください。
当たり前のように思われる方法かもしれませんが、図形が複雑になった際には、より効果を発揮します。
例えば、カタカナの「コ」を左右逆さまにしたような図形を、やはり軸から離れた状態で回転させる場合では、もとの平面にたての線が、4本あることから、側面が4つになることがわかります。また、長方形の上に直角三角形が乗ったような四角形(台形を倒した形)が軸から離れた状態で回転させる場合は、斜めの線もたてとみなしますので、3本のたての線があり、求める側面積が3つとわかります。
このように、あらかじめ求める側面積の数がわかっていれば、見逃しという、計算の前段階でのミスを防ぐことができます。ぜひ参考にしてみてください。
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