<算数 5年下 第17回>
第17回は『図形の移動(1)』です。図形の辺上を動く点について、移動する点の速さ、スタートする点、動く方向を注意することが大切です。また、自分で図形をかいて、長さを書き込んでみると、よりわかりやすくなります。各問題について、予習シリーズ解説の図を参照してください。
【攻略ポイント1】
「必修例題1」は、三角形の頂点と辺上を移動する点によってできる図形について、面積や、その面積ができる時間を考える問題です。
毎秒2cmの速さで出発する点Pが直角三角形ABCの頂点Aを出発して、直角三角形の辺上を、頂点Bを通り頂点Cまで進みます。
- 毎秒2cmの速さで9秒間動きますから、2×9=18 より、18cm進みます。頂点Aから18cmの長さは、頂点Bを通って18−12=6cmの地点です。角Bは直角ですから、BPの長さ6cmを底辺として、ABの長さ12cmが高さになります。6×12÷2=36 より、三角形ABPの面積は、36平方cmです。
- 面積が60平方cmで、ABの長さ12cmを高さとして、底辺の長さを求めると、60×2÷12=10 より、BPの長さは10cmです。これは、頂点Aから、12+10=22cmの長さを点Pが動いたことになります。速さは毎秒2cmですから、22÷2=11 より、点Pが頂点Aを出発してから11秒後です。
「必修例題2」は、2点が長方形の辺上を移動する問題で、基本は旅人算です。
長方形ABCDの辺上を、点PはAから毎秒1cmの速さで、点QはCから毎秒4cmの速さで、同時に出発して反対方向に進みます。
- 2点P、Qが出発するときの、離れている長さAC(=AB+BC)は、8+12=20cmです。2点P、Qがそれぞれの速さで向かい合って進みますから、旅人算の出会いの問題と同様です。よって、20÷(1+4)=4 より、2点PとQは4秒後に重なります。
- 2回目に重なるのは、1回目に重なった後、2点PとQが合わせて長方形の1周の長さ分を移動したときです。1周の長さは、(8+12)×2=40cmですから、1周分移動するのにかかる時間は、40÷(1+4)=8秒間です。よって、5回目に重なるのは、1回目の4秒と、8秒を4回ですので、4+8×4=36 より、36秒後です。
【攻略ポイント2】
「必修例題3」は、グラフから、点の移動する時間と図形の面積の関係を読み取る問題です。
台形ABCDの辺上を、点PがAを出発して、毎秒1cmの速さで矢印の方向(A〜B〜C)に動いたときの、点Pの動いた時間と、三角形PCDの面積の変化をグラフから読み取ります。グラフより、点Pは10秒でAB間を、16−10=6秒でBC間を動きますので、AB=1×10=10cm、BC=1×6=6cmです。
- グラフより、点PがAにある(0秒)ときの三角形PCD(ACD)の面積は20平方cmで、辺をADとすると高さは(AB=)10cmです。よって、AD×10÷2=20より、AD=20×2÷10=4となりますので、ADの長さは4cmです。また、グラフより、点PがBにある(10秒後)ときの三角形PCDの面積は30平方cmで、底辺をBCとすると高さは(AB=)10cmです。BC×10÷2=30より、BC=30×2÷10=6となりますので、BCの長さは6cmです。
- グラフより、点Pが辺AB上にあるとき、(0から10の)10秒間で、面積は(20から30の)10平方cm増えますので、1秒間あたり10÷10=1平方cmずつ増えます。よって、(24−20)÷1=4より、三角形PCDの面積が24平方cmになるのは、4秒後です。
また、点Pが辺BC上にあるときは、(10から16の)6秒間で、面積は(30から0の)30平方cm減りますから、1秒間あたり30÷6=5平方cmずつ減ります。(30−24)÷5=1.2より、10秒から1.2秒後ですので、10+1.2=11.2となり、三角形PCDの面積が24平方cmになるのは、11.2秒後です。
【攻略ポイント3】
「必修例題4」は、円周上を移動する点の問題です。円の中心と移動する円周上の2点をそれぞれ結んでできる2本の直線の作る角度を考える問題です。そのため、点の移動の速さを、角度を用いて表すことが必要になります。
円Oの周上を、1周するのに18秒かかる点Pと、1周するのに12秒かかる点Qが同時に点Aから、反対方向に動きます。
- 点Pは1周360度を18秒で動くことになりますので、360÷18=20 より、点Pの速さは毎秒20度です。同様に、360÷12=30 より、点Qの速さは毎秒30度です。点PはAを同時に出発して、1秒間に20+30=50度はなれますから、直角=90度はなれるのは、90÷50=1.8 より、1.8秒後です。
- P、O、Qの順に一直線上に並ぶのは、2点PとQが180度はなれるときです。180÷50=3.6 より、3.6秒後です。
<算数 4年下 第17回>
第17回は『速さ(1)』です。速さの問題は、中学の入試でよく出題される問題の1つです。まずは、基本をしっかりと身につけてください。速さとは、一定の時間で進む道のりを表したものです。一定の時間が1秒の場合を秒速、1分の場合を分速、1時間の場合を時速といいます。このように、速さの単位は、時間の単位と長さの単位を合わせて使いますので、単位換算(単位を変える)の場合に注意が必要です。なお、分数を使う場合、分数は、分子/分母の形で、帯分数は、整数・分子/分母の形で表示することにします。
【攻略ポイント1】
「必修例題1」は、単位換算の問題です。
- 秒速4mは、1秒間に4m進む速さで、分速□mは、1分間に□m進む速さです。1分=60秒ですから、4mを60回くり返して、1分間に進む道のりになります。4×60=240 より、分速240mです。
- 秒速5mは、1秒間に5m進む速さで、時速□kmは、1時間に□km進む速さです。1時間=60分=3600秒、1km=1000mですから、5mを3600回くり返した道のりを、m(メートル)単位からkm(キロメートル)単位に直します。5×3600÷1000=18 より、1時間で18km進むことになりますので、時速18kmです。
- 時速3kmは、1時間に3km進む速さで、分速□mは、1分間に□m進む速さです。1時間=60分、3km=3000mですから、3000÷60=50 より、1分間で50m進む速さ、つまり、分速50mです。
- 時速72kmは、1時間に72km進む速さで、秒速□mは、1秒間に□m進む速さです。1時間=3600秒、72km=72000mですから、72000÷3600=20 より、1秒間で20m進む速さ、つまり、秒速20mです。
【攻略ポイント2】
速さの3公式を覚え、使えるようにしましょう。
「必修例題2」は、道のりと時間から速さを求める問題です。
速さ=進んだ道のり÷かかった時間、の公式を覚えて使います。
- 分速□mを求めます。道のりの単位はm、時間の単位は分ですから、そのままの数値を使って、840÷12=70より、歩く人の速さは、分速70mです。
- 時速□kmを求めます。道のりの単位はkm、時間の単位は時間ですから、20分を時間の単位に直します。60分=1時間より、20分=20/60時間つまり、1/3時間となります。よって、15÷1/3=45より、走る自動車の速さは、時速45kmです。
「必修例題3」は、速さと時間から道のりを求める問題です。進んだ道のり=速さ×かかった時間、の公式を覚えて使います。
- 分速60mで16分進みますから、60×16=960より、進んだ道のりは、960mです。
- 時速72kmの速さで、1時間45分進みます。45分は、45/60=3/4時間ですから、1時間45分は1・3/4時間となります。よって、72×1・3/4=126より、進んだ道のりは、126kmです。
「必修例題4」は、道のりと速さから時間を求める問題です。かかった時間=進んだ道のり÷速さ、の公式を覚えて使います。
- 1200mの道のりを分速75mの速さで進みますから、1200÷75=16より、かかった時間は、16分です。
- 24kmの道のりを時速40kmの速さで進みます。24÷40=24/40=3/5より、3/5時間ですが、分の単位に直します。1時間=60分より、3/5時間=60分×3/5=36、よって、36分かかります。
なお、速さの3公式を覚えることについて、公式3つをそれぞれ覚えることで混乱してしまうようでしたら、かけ算の形である、[速さ×時間=進んだ道のり]を覚えて、この形に整頓したうえで、逆算する解法もお勧めです。例えば、必修例題4の(1)では、□分として、75×□=1200から、□=1200÷75=16と求めます。
速さの問題は、これからも、多くの種類の問題を学習することになりますので、基本である今回の内容をしっかり身に付けましょう。
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