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たとえば「1268」のような、4けたの数字を使って10をつくるという遊びをされたことのある親御様もいらっしゃると思います。「1268」であれば、8+(6÷2-1)=10や、2×8-6×1=10などの計算で10をつくる、「テンパズル」や「メイクテン」と呼ばれることもあるこのゲームは、ちょっとした時間でお子様の数字の感覚を鍛え、お子様の算数脳を活性化させる強力ツールとなりえます!
このゲームがもたらす効果として、普段から数に触れること、しかも遊びの感覚で触れられることで、数への抵抗を払拭するという点がまず大きいです。
さらに、より直接的に計算能力をアップさせる効果もあります。
例えば上記の「1268」では、おそらく一番大きな数字の「8」に、まず目が行くことでしょう。8+2=10から、「2」を相手として見つければよい。2そのものがあるけれど、これを使ってしまうと、「1」「6」が残ってしまう(すべての数字を使う、というルールです)。
では、別の方法で2をつくるにはどうするか。「1」に着目すると、1+1=2または3-1=2で2をつくることができる。そこで6÷2=3とできるので、6÷2-1=2になる…
意外にも多くのステップを踏むことになりますね。これを頭の中だけで進める練習をしておくと、暗算能力もアップするだけでなく、ひとつの方法でうまくいかなかった際に、別の方法を試してみよう、試行錯誤をしてみようという粘り強さも身につけられる可能性が高いのです。
複雑な計算に臨む際には、あきらめずに数式に立ち向かっていく、という粘り強さが必要になります。より複雑な計算を解かなければいけない高学年のお子様にこそ、このゲームをおすすめしたいです。
このゲームは机に向かって解くのではなく、例えば学校や塾の行き帰りといった、「ちょっとした時間」行うことにこそ意味があります。日常にあふれている数字に興味関心を持つ時間をできるだけ多くすることで、数字への感覚を研ぎ澄ませて頂きたいのです。
ですので、どうか親御様から「算数の勉強になるから」とはおっしゃられずに、遊びの感覚で、「どっちが速くできるか競争してみようか?」などのお声かけをされることをおすすめします。気楽に数字と戯れる時間を、どうか大切にされてください。
私共が子供の頃には、電車に乗る際に切符を使っていました。この切符の端に4けたの数字が掲載されていることを覚えておられるかと思います。切符というのはこのゲームを行ううえで最適のアイテムでした。というのも、駅で下車する際に切符は手放さなければならないので、おのずとゲームに制限時間が設定されるようになります。その時間内に10をつくる、友達と一緒であれば、互いに時間を競って計算に集中する、という独特の緊張感を楽しむこともできました。
今でももちろん切符は販売されていますが、ICカードがありますので、切符を使っていらっしゃるお子様は決して多くないのではないでしょうか。では切符に代わる4けたの数字が掲載されたものと言えば何があるでしょうか。思いつくままに以下に記します。
ちょっとした時間に数字と戯れることが習慣となると、お子様の算数脳が大いに活性化されるでしょう。ぜひ試してみてください!
以上、中学受験の現場から貝塚がお伝え致しました。
中学受験鉄人会 入試対策室
室長 貝塚正輝
(筑波大学附属駒場中高卒)
頑張っている中学受験生のみなさんが、志望中学に合格することだけを考えて、一通一通、魂を込めて書いています。ぜひご登録ください!メールアドレスの入力のみで無料でご登録頂けます!