入試で狙われそうな今月の理科時事問題(国際キログラム原器が役目終える、4K・8K衛星放送開始、ジオエンジニアリング、ミノムシから世界最強の糸」)

今月は、“国際キログラム原器が役目終える”と“4K・8K衛星放送開始”と“ジオエンジニアリング”そして“ミノムシから世界最強の糸”について取り上げてみましょう。

<国際キログラム原器が役目終える>

11月16日、パリ郊外のベルサイユで国際単位を検討する国際度量衡(どりょうこう)総会が開催されました。この総会で、7つの基本単位の内でただ一つ人工物として130年間使用され続けてきた“国際キログラム原器”が役目を終え、「原子の数」あるいは「電磁力」を基にする重さの定義に変更されることが決まりました。

『キログラム原器ってなに?』

皆さんが上皿天秤で試料の重さを測る時に使用する分銅と似ていますが、全ての重さの基準となるもので、直径・高さとも39mmの白金とイリジウム合金製の1kgの分銅です。この国際原器は世界で1個しかなく、1889年以来、パリ郊外の国際度量衡局で大切に保管されてきました。精密な複製は40個製作され、各種計測器の精度の確認などに使用されています。日本では茨城県つくば市の産業技術総合研究所に「日本国キログラム原器」として保管されています。

『基本単位ってなに?』

皆さんは様々な物の量を表す時に基準となる量を思い描きますよね。欧米では昔から足の大きさを単位とする「フィート」(英語で足を意味し約30cm)を使用し、東アジアではひじから手首までの前腕の長さが「尺」(しゃく、約30~38cm)の基準となりました。しかし、地域や統治者によってもその基準はバラバラだったので、国際交易が盛んになると単位の違いが取引の障壁となったのです。
そこで1960年『国際単位系』と呼ばれる世界共通のルールが決まりました。それは、長さ[m]、重さ[kg]、時間[秒]又は[S]、電流[アンペア]又は[A]の他、温度、物質量、光の強さの合計7つの基本単位が決められたものでした。
18世紀末では、1mは「北極点から赤道までの子午線を1000万分の1にした長さ」と決めていたのですが、1983年には計測技術の進歩の結果、速さがどこでも変わらない光の速度を測れるようになると「光が真空中を約3億分の1秒間に進む距離」と定義が改訂されたのです。
今回は重さの他に、電流、温度、物質量も定義の改定がありました。
基本単位は各国が持つ最先端の計測技術で厳密に定義されています。現在は1秒を「セシウム」という原子が出す光が約92億回振動する時間として定義されていますが、次回の総会では東大の香取教授が開発した160億年で1秒しか狂わない時計が定義改定に使われる可能性があるようです。

『なぜそんな精度が必要なの?』

計測の精度が向上しても皆さんの生活には直接の影響は出ないように思われるでしょうが、極めて微量な物質の計測が可能となれば画期的な新薬、合金、半導体などの開発につながるかもしれませんし、超高精度に時間が判ると、最新GPSの位置精度6cmを超えるようなナビシステムの誕生へとつながっていくかも知れません。気が付かないうちに高機能の製品や新しい作物等色々な分野で恩恵を受けることになることでしょう。

<4K・8K衛星放送開始>

12月1日から「新4K・8K衛星放送」がNHKや民放各社のBS放送でスタートしました。大画面で臨場感あふれる映像を体験された方もいらっしゃるでしょうね。

『4K・8Kってなに?』

現在皆さんが普通にご覧になっている地デジやBS放送のハイビジョンの画面は横1,920 縦1,080の光る点(画素)に区切られています。虫眼鏡で画面を見ると赤緑青が升目の中に並んでいるのが見えます。その赤緑青の1組が1画素なのです。つまりハイビジョンテレビは1,920×1,080=2,073,600と、約200万画素の点の集まりで1枚の絵になっているのです。
4Kテレビは、横縦の画素がハイビジョンの各々2倍(横3,840 縦2,160の画素)なので2×2の4倍の画素数、8Kテレビは、横縦の画素がハイビジョンの各々4倍(横7,680 縦4,320の画素)なので4×4の16倍の画素数となります。各々4倍16倍の精細な画面になっているのです。
さて4Kの名前なのですが、Kはキロつまり1,000を意味する記号で、4Kは4,000のことです。横の画素数3,840は約4,000なので4Kと表示したためです。同様に8Kは横の画素数7,680を約8,000とみなし8Kとなりました。

『その他に変わったこと』

総務省によりますと、現在のハイビジョン放送に比べ次のとおり改善されているのだそうです。

  1. 表現可能な色の範囲が大幅に拡大し、「実際に見える色」に近い表現が可能となります。
  2. 画像の高速表示により最大で120コマの表示に高速化できるので、動きの速いスポーツなども、「ぼやけず」「なめらかに」表示可能となります。
  3. 現在の約1,600万階調に対し、約10億階調へ色や明るさの変化が緻密(ちみつ)になるので、より自然な映像となります。
  4. 映像で表現できる明るさの範囲が大幅に拡大し、より現実に近い明るさの表現となります。

ハイビジョン放送に変換する機能を持つ4K対応チューナーを持てば4K番組を見ることは出来ますが、本格的に鑑賞するには4K・8K対応テレビへの買い替えが必要なので、東京オリンピックを契機に普及が進むのでしょうね。

<ジオエンジニアリング>

二酸化炭素やメタンガスなどの急激な放出による地球温暖化問題が叫ばれています。
30年前の1988年には、国際問題として学術的に議論する「気候変動に関する政府間パネルIPCC」が設立され、1994年には、地球温暖化防止条約などとも呼ばれている「国 連気候変動枠組み条約 (UNFCCC) 」が発効しています。
この様な国際的活動が有り、世界的異常気象が次々と観測されているにもかかわらず、国際政治問題や南北問題といわれる国の貧富格差に翻弄(ほんろう)され、一向に地球温暖化の流れに歯止めがかからないのが現状です。
温暖化ガスの排出抑制が進まない中、積極的に温暖化を抑制する動きが出てきています。

『ジオエンジニアリングってどんなこと?』

人工的に気候を改変し、温暖化を軽減しようと提案されている様々な手法のことを言います。
1991年フィリピンのピナツボ火山の大噴火により、大量の硫黄などを含む物質が成層圏に吹き上げられました。それが細かい粒子となって上空に滞留した結果、この粒子が太陽エネルギーを宇宙へ反射し、翌年の全地球の平均気温が0.5度ほど下がったということがありました。この現象を参考に、「成層圏に人工的に粒子を散布して、地球を人工的に冷やす」という研究を米国ハーバード大学が来年実施するそうです。他にも、海水を上空に吹き上げ、発生させた雲に太陽光を反射させる手法も提案されていますが、どちらも原因となる温暖化ガスを削減しないので、一時的な延命策との意見もあります。
一方、二酸化炭素そのものを人工的に回収する研究が5年前から動きだしています。
スイスのベンチャー企業が開発した二酸化炭素の回収装置により集めた二酸化炭素からガソリンに代わる燃料を合成する技術もドイツに本社のある大手自動車メーカーなどと共同で開発するとのことです。
この回収装置の回収量は年間1,000tと発生量約300億tに対し微々たる量ですが、早く世界的に研究が加速し、空気中の温暖化ガスが減少するよう期待しましょう。

『今後』

純粋に温暖化ガスのみを空中から適度に除去する技術が開発されたとしても、産業革命当時の平均気温まで戻すことが正解なのでしょうか?ジオエンジニアリングについては科学的、技術的問題だけでなく、法律的、倫理的、社会的問題も考慮しなければならないようですね。

<ミノムシから世界最強の糸>

秋の深まる頃、風物詩の昆虫と言えば風に吹かれて揺れている「ミノムシ」を思い浮かべる人は多いと思います。ミノムシの幼虫が作る巣が、わらで作った雨具の「みの」に形が似ているため、ミノムシと呼ばれるようになったのだそうです。
12月5日、医薬品メーカーの興和と茨城県つくば市の農業・食品産業技術総合研究機構は、真っすぐに取り出せないので繊維として使えなかったミノムシの糸を、長さ数百メートルの直線の糸に取り出す技術の開発に成功したと発表しました。この糸がタンパク質からできている自然繊維の中で世界最強とされるクモの糸よりも強く丈夫で、耐熱性にも優れた繊維であることも発見したとのことです。
さらに、カイコは繭(まゆ)から絹糸を取る時にゆでるので死んでしまいますが、ミノムシでは殺さず効率的に糸を採取する方法も見つけられ、さらに共食いをしないので大量飼育が可能なのだそうです。生産効率が良くなれば脱石油社会に貢献する持続可能なバイオ素材の製品となることが期待されているようです。

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