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第12回は『水深の変化と比』です。今までに学習した水量変化や物体をしずめる問題に比の利用を加えた問題を学習します。
基本的には、直方体の形をした容器を考えますので、[水の体積=底面積×高さ]となります。これは、[距離=速度×時間]の形と同様ですから、「速度と比」の回に学習した、正比例・反比例の関係がここでも使われます。
予習シリーズ126ページ、例題1の前にある説明をよく理解してください。分数は、分子/分母の形で、帯分数は、(整数+分子/分母)の形で表します。
例題3の、グラフのある問題についての解き方をよく理解して、自分でも解けるように学習しましょう。
また、物体をしずめる問題は、「しずめた物体の体積=見かけ上増えた水の体積」を基本として解くことができるように学習しましょう。
基本となる、水深の変化での比の利用を学習します。
容器に水を入れたときの、底面積や水の深さを考える問題です。
(1) 2つの直方体の容器AとBに水を入れます。Aには280mL、Bには200mLの水を入れたところ、水の深さが同じになりました。(水深一定の場合、水の体積の比=底面積の比)ですから、280:200=7:5 より、AとBの底面積の比は、7:5です。
(2) 円柱の形の容器A、Bに、同じ量の水を入れたとき、底面積の比は、4:3で、水面の高さはBの方がAより2cm高くなっています。(水の体積一定の場合、底面積の比と水深の比は逆比)ですから、水深の比は、1/4:1/3=3:4 で、差が2cmです。よって、2÷(4-3)×3=6 より、Aの水面の高さは6cmです。
円柱の形の容器AとBに、Aには150mL、Bには250mLの水を入れたところ、水の深さの比が2:5になりました。比の積・商の関係から、底面積の比=水の体積の比 / 水の深さの比 となりますので、150/2:250/5=3:2 より、AとBの底面積の比は、3:2です。
水の体積とグラフの関係を学習します。水の体積の求め方としては、(直方体の容器の形から) 水の体積=底面積×水の深さ、また、(水の入れ方から) 水の体積=時間単位1あたりの水量×時間、として求めることができます。グラフの与えられた問題では、この2通りを組み合わせて考えることが多いです。
仕切りのある直方体の容器に水を入れる問題です。水を入れる時間と、その時の水の深さを表すグラフが与えられています。一定の割合で水を入れますから、予習シリーズ128ページ3行目の枠内にあるように、水を入れた時間の比=入れた水の体積の比 となります。
また、同ページ末の「よっくんのつぶやき」の通り、水の体積の比=容器の正面から見える長方形の面積の比 となります。そこで、解き方にある、容器を正面から見た図を参照してください。この図を利用すると、水の体積=底面積×深さ=横の長さ×たての長さ となります。
また、たての長さが一定ですので、横の長さの比=面積比 となります。このことがポイントになります。
説明が長くなりましたので、まとめますと、(入水量一定) (奥行き一定) (高さ一定)では、時間比=体積比=容器面積比=横の長さ比 となります。
したがいまして、容器を正面から見た図で、グラフより9分で、横(40+20=)60cm、仕切りの高さ(=たて)24cmの面積に水が入ります。この9分のうちのx分で、Aの部分(図のア)に水が入ります。
アとイの、横の長さの比は、40:20=2:1ですから、時間の比も2:1 で、9÷(2+1)×2=6 より、グラフのxは、6です。同様に、仕切りの高さ24cm(ア+イ)までに9分かかり、y(ア+イ+ウ)までは12分ですので、24:y=9:12 より、y=24×12÷9=32、よって、グラフのyは、32です。
この図を自分でかけるようにしましょう。
物体をしずめる問題を学習します。水に物をしずめると、「しずめた物体の体積=見かけ上増えた水の体積」という関係があります。このことを使用して、いろいろな問題を考えます。
底面積が400平方cm、高さが30cmの直方体の容器に、15cmの深さまで水が入っています。
(1) 体積800立方cmのおもりを水の中に完全にしずめます。800立方cmの(見かけ上)水が増えることになりますので、(水の体積÷底面積=深さ) 800÷400=2 より深さが2cmふえます。よって、15+2=17 より、水の深さは17cmになります。
(2) 底面積が75平方cmの円柱のおもりを、水の中に完全にしずめると、水の深さが18cmになりました。18-15=3 より、深さが3cm増えましたので、400×3=1200立方cmの水が見かけ上増えたことになります。よって、円柱のおもりの体積は、1200立方cmです。1200÷75=16 より、この円柱のおもりの高さは、16cmです。
水に入れる物体が、水面上にでる、つまり、水の中に完全にしずまない場合の問題です。
底面積が300平方cm、高さが20cmの直方体の容器に、12cmの深さまで水が入っています。ここに、底面積が60平方cm、高さが25cmの円柱の棒を、底面が容器の底につくまで入れます。
(1) 入っている水の体積は変化していないことに注目します。棒を立てたことによって、水の入っている底面積が棒の底面積の分だけ減少します。底面積は、300-60=240平方cmになりました。水の体積は、300×12=3600立方cmのままですので、3600÷240=15 より、水の深さは、15cmになりました。
(2) 棒を底から8cm引き上げることによって、この部分の体積(60×8=)480立方cmに水が入りますので、水面が同じ体積分下がります。水面は底面積240平方cmですので、480÷240=2cm下がって、15-2=13 より、水の深さは、13cmになります。
なお、上に述べましたように、水の体積は変化していませんので、比を利用すると、「底面積の比と水深の比は逆比」になることから解くこともできます。
(1) 底面積の比 300:(300-60)=5:4 より、水深の比 1/5:1/4=4:5、よって、水の深さ12cmは、12÷4×5=15 より、15cmになります。
(2) 底面積の比 60:240=1:4 より、水深の比 1/1:1/4=4:1、よって、棒を8cm引き上げた部分に入る水の体積は、水面では、8÷4×1=2cm下がりますので、15-2=13cmになります。
前問と同様に、水の入った容器に、物体をしずめる問題ですが、注意すべき点があります。水の深さについて場合分けして考える必要があるのです。予習シリーズ133ページの解き方にある図を参照してください。
底面積が250平方cm、深さが20cmの直方体の容器に、10cmの深さまで水がはいっています。また、底面積が50平方cm、高さが15cmの円柱の棒が2個あります。
(1) 水の体積は、250×10=2500立方cmです。棒1本を容器の底に立てたとき、棒(高さ15cm)の一部が水面より上に出ると考えます(前問では、容器の高さより高い棒でした)。容器の底面積のうち、水の入る部分の底面積は、250-50=200平方cmとなりますので、2500÷200=12.5より、水の深さは、12.5cmになります。
この12.5cmは、棒の高さの15cmより低いので、棒が水面より上にでていますので、そのまま答えにすることができます。しかし、次の(2)では、(1)と同じように考えられないところが出てきます。
(2) 棒2本を容器の底に立てると、容器の底面積のうち、水の入る部分の底面積は、250-50×2=150平方cmです。よって、2500÷150=(16+2/3)より、水の深さは、(16+2/3)cmとなりますが、棒の高さの15cmより高くなっていて、棒が水面より上にでるとして考えた前提が、間違っていたことになります。
そこで、すべて水にしずむものとして、解き直します。棒2本の合計である、50×15×2=1500立方cmの物体を水に完全に沈めますので、見かけ上増えた水の深さは、1500÷250=6cmです。よって、10+6=16より、水の深さは、16cmになります。
おもりの一部が水面より上に出るかどうかを、確認することに気をつけてください。ここでは、比を利用せずに解きました。比の利用については、予習シリーズの解き方を参照してください。
第12回は『一方にそろえて解く問題(消去算)』です。大きさのわからない数量(=未知数といいます)が2つあるいは3つある問題で、一方の数量の数をそろえて消し去る(消去する)ことにより、残ったもう一方の数量の関係から未知数の片方を求める問題です。
消去する方法は2通り(加減法・代入法)あります。具体的に問題を使って説明します。まずは、文字の入った式を使って問題内容を整頓します。
加減法、代入法、3量の消去算、それぞれ解法がことなりますが、「消去する(消し去る)には、数量をそろえてなくす」ということでは同じです。このことを理解して、トレーニングしましょう。
加減法の解き方を学習します。
え=えんぴつ1本のねだん、け=消しゴム1個のねだん として、
え×1+け×4=220円…式A
え×2+け×5=320円…式B
と整頓します。
次に、Aの式全体を2倍して、えんぴつを2本にそろえます。つまり、
え×2+け×8=440円…A×2
え×2+け×5=320円…B
として、2つの式をくらべます。
440円と320円の差は消しゴム8個と5個の違いです(え×2に差はありません)。よって、(440-320)÷(8-5)=40より、消しゴム1個のねだんは40円となります。ここで、消しゴム1個のねだん40円を、はじめの式Aに代入(代わりに入れる)して、220-40×4=60より、えんぴつ1本のねだんは、60円と求められます。
このように、消しゴムのねだんだけで考えられるように、一方の数量(本数をそろえたえんぴつのねだん)を引いて(加える場合もあり)なくす方法を、加減法といいます。
加減法では、数量をそろえる場面で最小公倍数を利用するところがポイントです。
ミ=ミカン1個のねだん、モ=モモ1個のねだんとして、
ミ×7+モ×4=1300円…A
ミ×5+モ×6=1620円…B
と整頓します。
ミカンやモモにかけてある数をそろえますが、どちらにそろえてもよいのです。今回は、全体の数が小さくなるモモにかけられている数をそろえて進めます。
モモの個数を4と6の最小公倍数である12個にそろえます。そのためには、Aの式全体を3倍、Bの式全体を2倍します。
ミ×21+モ×12=3900円…A×3
ミ×10+モ×12=3240円…B×2
となります。
この2つの式から、(3900-3240)÷(21-10)=60より、ミカン1個のねだんは60円と求められます。また、この60円をはじめのAの式に代入して、 (1300-60×7)÷4=220より、モモ1個のねだんは150円です。
2つの式を2行に並べてかくことで、どの部分が共通しているかがわかりやすくなります。
代入法の解き方を学習します。
ノ=ノート1さつのねだん、え=えんぴつ1本のねだん として、
ノ×1=え×2…A
ノ×1+え×3=350円…B
と整頓します。
次に、Aの関係より、Bの式で、 (ノ×1)のところに(え×2)を代入します。え×2+え×3=350 となります。え×(2+3)=え×5 ですので、え×5=350 となりました。よって、350÷5=70 より、え×1本のねだんは70円です。
また、Aの式で、70×2=140 より、ノート1さつの値段は140円です。
このように、ノートのねだんの代わりにえんぴつのねだんを利用して表す(代わりに式に代入する)方法を、代入法といいます。この代入法は、少し難しく感じるかもしれませんので、基本的な問題をいくつか続けて解くことで解けるようになります。
リ=リンゴ1個のねだん、ミ=ミカン1個のねだん として、
リ×1=ミ×3+10円…A
リ×3+ミ×2=470円…B
と整頓します。
Aの式を3倍して、リンゴの個数をそろえます。
リ×3=ミ×9+30円…A×3
これをBの式に代入します(リ×3 をミ×9+30円にする)。ミ×9+30+ミ×2=470円 で、まとめると、ミ×(9+2)+30=470円 となります。よって、(470-30)÷11=40 より、ミカン1個のねだんは40円です。
そして、Aの式から、40×3+10=130 より、リンゴ1個のねだんは130円になります。
代入法は、途中式をしっかり書いて進めましょう。また、予習シリーズ114ページの解き方にある線分図を参照してください。
3量以上の消去算を学習します。
だ=だんご1個のねだん、ま=まんじゅう1個のねだん、ど=どらやき1個のねだんとして、
だ×1+ま×1 =130円…A
ま×1+ど×1=190円…B
だ×1 +ど×1=140円…C
と整頓します。
なお、このように3行に書いて、3つの種類がたてにそろうようにすると、考えやすくなります。
(1) たてに集計すると、だ×2+ま×2+ど×2=130+190+140=460円 となります。3種類が2個ずつで460円ですから、460÷2=230 より、1個ずつ買うと、230円です。
(2) 230円から、Bの190円を引くと、230-190=40 より、だんご1個は40円です。同様に、Cの140円を引いて、230-140=90より、まんじゅう1個は90円です。同様に、Aの130円を引いて、230-130=100より、どらやき1個は100円です。
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