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第13回のテーマは「速さ 旅人算 ~出会い・追いこし~」です。いよいよ速さの単元も本格化します。今回の内容は「直線上を進む場合の旅人算」「周回の旅人算」「へだたりの進行グラフ」の3点です。これらの内容を扱うときに重要なのは2つのもの動きを整理することです。そのためには、動きの様子を図やグラフを使って考えることが有効な手段となります。
ポイントは「単位時間あたりの2人の道のりの変化する量」です。基本に忠実に考えていけば、効率よく解くことができます。2人が出会ったり追いこしたり、場面が変わる点に着目して、図やグラフを書きながら考えていきましょう。
「学び1」は旅人算の導入です。動くものが2つある状況を想像します。はじめに追いかけっこを想像してください。追いかける人の方が速い場合、だんだんと差を詰めて追いつくことができます。また、追いかける人が遅い場合、どんどん差が開き、追いつくことはできません。遠くの方から人が近づいてきた時はどうでしょう?自分が止まっている時と、自分がその人に向かって歩き出した時とでは、自分が歩き出したときの方が早く出会うことができます。
動くものが2つある状況では、2人の速さと動く向きで様子がかわります。いろいろな状況を想像、体験してみましょう。
「学び2」では旅人算の基礎を学びます。296ページの「やってみよう!」を使って考えてみましょう。
①Aさん(毎分60m)とBさん(毎分40m)が同じ地点にいる場合
●お互いに反対方向(Aさんが左側にBさんが右側)に進む場合
Aさんは1分で左側に60m、Bさんは1分で右側に40m進みます。1分後には2人は60+40=100m離れます。同じ地点から出発したため、2人のへだたりは100mとなります。2分後には2人のへだたりは100m×2=200mとなります。2人が1000m離れるのは1000÷100=10分後となります。
●お互いに同じ方向(Aさん、Bさんともに右側)に進む場合
Aさんは1分で右側に60m、Bさんは1分で右側に40m進みます。 1分後には2人は60-40=20m離れます。同じ地点から出発したため、2人のへだたりは20mとなります。2分後には2人のへだたりは20m×2=40mとなります。2人が1000m離れるのは、1000÷20=50分後となります。
このように、同じ地点から出発する場合、反対方向に進むときは単位時間あたり、速さの和の分だけへだたりが増えることがわかります。また、お互いに同じ方向に進むときは単位時間あたり、速さの差の分だけへだたりが増えることがわかります。これらのことを使うと、時間と2人のへだたりの関係がわかりやすくなります。
②Aさん(毎分60m)がP地点、Bさん(毎分40m)がP地点から右側に1000m離れたQ地点にいる場合
はじめにお互いに反対方向に進む場合を考えます。
●Aさんが左側にBさんが右側に進む場合
Aさんは1分で左側に60m、Bさんは1分で右側に40m進みます。1分後には2人は60+40=100m離れます。はじめに1000m離れていることを考えると、2人のへだたりは1000+100=1100mとなります。2分後に2人は100m×2=200m離れ、はじめに1000m離れていることを考えると、2人のへだたりは1200mとなります。このことは2人の道のりが初めに1000m離れているだけで、①で説明した同じ地点から反対方向に進む場合と同じ考えです。
●Aさんが右側にBさんが左側に進む場合
Aさんは1分で右側に60m、Bさんは1分で左側に40m進みます。2人は近づいているため、1分後には2人の間の道のりは60+40=100m縮むことになります。はじめに1000m離れていることを考えると、1分後には2人のへだたりは1000-100=900mとなります。
同様にして、2分後には2人の間の道のりは100m×2=200m縮むことになります。このとき2人のへだたりは1000-200=800mとなります。したがって2人が出会う(2人の間の道のりが1000m縮む)のは1000m÷100=10分後となります。
次にお互いに同じ方向に進む場合を考えます。
●Aさん、Bさんともに右側に進む場合
Aさんは1分で右側に60m、Bさんは1分で右側に40m進みます。 このとき、BさんはAさんに60-40=20m差を縮められます。つまり、1分後の2人のへだたりは1000-20=980mとなります。2分後も同様に考えると、BさんはAさんに20m×2=40m差を縮められます。
つまり、2分後の2人のへだたりは1000-40=960mとなります。このことから、Aさん が1000m離れた地点にいるBさんに追いつく(2人の間の道のりが1000m縮む)のは1000m÷20=50分後となります。
●Aさん、Bさんともに左側に進む場合
Aさんは1分で右側に60m、Bさんは1分で右側に40m進みます。 左側に進んだ場合、Aさんの方が速いため、2人の差は広がります。このとき、BさんはAさんに60-40=20m差を広げられます。つまり、1分後の2人のへだたりは1000+20=1020mとなります。2分後も同様に考えると、BさんはAさんに20m×2=40m差を広げられます。つまり、2分後の2人のへだたりは1000+40=1040mとなります。
このように、離れた地点から出発する場合、反対方向に進むときは単位時間あたり、速さの和の分だけへだたりが変化することがわかります。また、お互いに同じ方向に進むときは単位時間あたり、速さの差の分だけへだたりが変化することがわかります。これらのことを使うと、時間と2人のへだたりの関係がわかりやすくなります。
「学び3」は周回の旅人算です。299ページの「やってみよう!」を使って考えてみましょう。1周が400mの歩道を歩きます。ここでは、ひなさん(毎分60m)とりこさん(毎分40m)が同じ地点にいる場合を考えていきます。
●お互いに反対方向(ひなさんが左まわりにりこさんが右まわり)に進む場合
ひなさんは1分で左まわりに60m、りこさんは1分で右まわりに40m進みます。1分後には2人のへだたりは60+40=100mとなります。2人が出会うのは、2人のへだたりが400m(1周の道のり)になったときで、400÷100=4分後となります。
●お互いに同じ方向(ひなさん、りこさんともに左まわり)に進む場合
ひなさんは1分で左まわりに60m、りこさんは1分で左まわりに40m進みます。1分後には2人のへだたりは60-40=20mとなります。ひなさんがりこさんを追いこすのは、2人のへだたりが400m(1周の道のり)になったときで、400÷20=20分後となります。
このように、周回の旅人算でも、「学び2」で説明した「①AさんとBさんが同じ地点にいる場合」と同じように考えることができます。
「学び4」では「二者のへだたりのグラフ」について学びます。300ページの「やってみよう!」を見てみましょう。上のグラフは進行グラフでAさんが先に出発して、後からBさんが追いかける様子を表しています(AさんとBさんは同じ地点にいます)。この様子を「時間とAさんとBさんのへだたりの関係」のグラフにします。ここでは正確なグラフをかくのではなく、グラフの形がイメージできればよいでしょう。
下のグラフを見ながら考えましょう。はじめにAさんが出発するため、2人のへだたりは0(ゼロ)からだんだんと増えていくため、右上がりの直線になります。その後、Bさんが出発すると2人のへだたりは減るため、右下がりの直線になり、BさんがAさんに追いつくと0(ゼロ)になります。
次に301ページの「やってみよう!」を見てみましょう。上のグラフは進行グラフで離れた地点をAさんとBさんが同時に反対方向に出発してすれちがう様子を表しています(グラフの傾きから、BさんはAさんよりも速いことがわかります)。この様子を「時間とAさんとBさんのへだたりの関係」のグラフにします。
下のグラフを見ながら考えましょう。AさんとBさんははじめ離れた地点にいます。AさんとBさんは同時に反対方向に向かい合って進むため、2人のへだたりはだんだんと減っていくため、右下がりの直線になります。その後、AさんとBさんが出会うと2人のへだたりは0(ゼロ)となります。その後2人のへだたりはすれちがう前と同じ割合で増えていき、右上がりの直線となります。BさんがAさんがはじめにいた地点に到着すると、Aさんだけが動くため、2人のへだたりが変化する割合は小さくなります。
最近の入試では、この時間とへだたりのグラフを使った問題も出題されます。進行グラフと違い、グラフだけでは状況が捉えにくいため難易度も上がります。必要に応じて、線分図を書くなどして十分に練習を積んでおきましょう。
演習としては303ページから306ページは必修です。特に303ページの問1、問2、304ページの問3、問4、305ページの問5は今回のテーマである旅人算の基本となる問題のため、できるまで何度も練習するとよいでしょう。309ページの問1、310ページの問2、問3、311ページの問4問、問5はグラフを活用して考えましょう。312ページ以降も問題は続きます。時間と2人のへだたりの関係をグラフにした問題は入試でも出題されるため、315ページの問12、問13には触れておきましょう。
第13回のテーマは「文章題 つるかめ算」です。ここでは「つるかめ算を表を使って解けること」「つるかめ算を面積図を使って解けること」が目標になります。つるかめ算は速さの問題や売買の問題、図形の問題でも姿を変えて出題されるテーマです。
解法を覚えることも重要ですが、考え方を理解することで、今後学ぶ数学にもつながって行く単元です。落ち着いてじっくり考えていきましょう。
「学び1」はつるかめ算の導入です。214ページのモンスターA、Bの問題を見てみましょう。毛が3本のモンスターAを6匹発見しましたが、何匹かが毛が5本のモンスターBに変身してしまったそうです。そして、6匹の毛の合計は22本になったようです。
つるかめ算とは、2つの物がある場合に、不確定な情報が2つある問題です。ここではモンスターAとモンスターBの合計は6匹、毛の本数の合計は22本です。モンスターA、Bそれぞれの個体数や毛の本数はわかりませんが、それぞれの合計数はわかっています。
この問題を考えるために215ページの上段の表を見てみましょう。つるかめ算ではこの表がとても重要になります。はじめに表の説明をします。モンスターA、Bは合わせて6匹います。表ではモンスターAとモンスターBの和が6になるようにモンスターAとBの数を順番に決めていきます。いちばん左の列からモンスターAが6匹、モンスターBが0(ゼロ)匹、毛の本数は3本×6=18本となります。左から2列目はモンスターAを1匹減らして5匹とします。モンスターAとモンスターBの和は6のため、モンスターBは1匹となり、毛の本数は3本×5+5本×1=20本となります。
ここで毛が3本のモンスターAを1匹減らして、毛が5本のモンスターBを1匹増やすと、5-3=2本ずつ合計の毛の本数が増えていくことがわかります。3列目以降も毛が3本のモンスターAを1匹減らして、毛が5本のモンスターBを1匹増やす操作を繰り返すため、合計の毛の本数は2本ずつ増えていきます。
ご家庭では、ひとつずつ丁寧に計算して表を作っても構いませんが、つるかめ算の考え方を理解するために、毛の本数の合計がモンスターAとモンスターBの1匹あたりの毛の本数の差の分だけ変化していくことは覚えておきましょう。
表からモンスターの毛の本数の合計は22本のためモンスターAは4匹、モンスターBは2匹であることがわかります。つまり、変身したモンスターAは2匹です。
「学び2」ではつるかめ算の具体的な解法について学びます。再び215ページの上段の表を使って説明します。
〈もし〉モンスターAが1匹も変身していなかったら(モンスターAが6匹のとき)、毛の本数は3本×6=18本となります(表の1番左側の列)。「学び1」でも説明したように、左から2列目は毛が3本のモンスターAを1匹減らして、毛が5本のモンスターBを1匹増やしたため、5-3=2本ずつ毛の本数が増えていきます。
〈現実〉の毛の本数は22本のため、もしモンスターAが1匹も変身していなかった時と比べると毛の本数は22-18=4本増えることがわかります。モンスターBが1匹増えるごとに毛の本数が2本ふえることから、毛の本数が4本増える時、モンスターBは4÷2=2匹増えることがわかります。したがって、モンスターAは6-2=4匹となります。
このように、「〈もし〉と考えたときの毛の本数と〈現実〉と考えたときの毛の本数の差」と「モンスターAとモンスターBの1匹あたりの毛の本数の差」を比べることでそれぞれのモンスターの数を決めることができます。
「学び3」ではつるかめ算を面積図で解いていきます。218ページを見てみましょう。つるかめ算の面積図では縦が1あたりの量、横が個数や人数を表します。モンスターの面積図では縦がモンスターA1匹の毛の本数(3本)、横にモンスターAの数をかきます。
面積は、モンスターA 1匹の毛の本数(3本)×モンスターAの数=モンスターAに生えている毛の本数の合計を表しています。モンスターBの場合もモンスターB 1匹の毛の本数(5本)が変わるだけです。
面積図を使って、「学び1」のモンスターの問題を解いていきましょう。219ページの上段にある面積図で説明します。左側の長方形がモンスターAの面積図、右側の長方形がモンスターBの面積図を表しています。はじめに面積図に数字を書き込んでいきます。モンスターA 1匹の毛の本数は3本のため左側の長方形の縦の長さは3です。モンスターB 1匹の毛の本数は5本のため右側の長方形の縦の長さは5です。
また、モンスターAの数とモンスターBの数の合計は6匹のため、2つの長方形の横の長さの和の部分(左端から右端まで)は6です。モンスターの毛の本数の合計は22本のため2つの長方形の面積の和は22となります。
ここでモンスターAの面積図の縦の長さ(モンスターA1匹の毛の本数3)に合わせてモンスターBの面積図に直線を書き込みます。すると、縦の長さが3、横の長さが6の長方形が現れます。この長方形の面積は3×6=18です。2つの長方形の面積の和は22のため、縦の長さが3、横の長さが6の長方形の上のはみ出した部分にある長方形の面積は22-18=4となります。この長方形の縦の長さは5-3=2となることから、横の長さは4÷2=2となり、モンスターBの数は2匹となります。
つるかめ算の面積図は使えるようになると複雑な問題でも容易に解くことができるツールです。十分に練習しておいてください。
演習としては220ページから221ページは必修です。表を使って考えることはもちろんですが、単に計算するというよりは、規則性を見つけていきましょう。また、222ページの問1、223ページの問2、問3では表を書きながら考えていきましょう。
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