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新6年生となって最初の組分けテストとなりますので、ぜひともよいスタートとしたいところですが、範囲が限定されないテストであり、また新年度が始まって間もない時期で、新たなカリキュラムに対応するだけでも大変な状況の中、どこから復習を進めればよいか迷ってしまいます。そこで今回は、3月度組分けテスト対策について、ぜひ気をつけて頂きたいポイントを、第5位から第1位までのランキングのかたちでご紹介します。このランキングを参考に重要単元の理解をしっかり固めて、お子様ご自身の復習ポイントをしっかり攻略したうえで、ぜひ万全の構えでマンスリーテストに臨んでください!
また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違いをしないように注意してください。問題は鉄人会のHPで公開中しています。クラスアップのための強力ツールとして、ぜひご活用ください!
予想問題はこちらのページで無料公開中です。
それではランキングの発表です。まずは第5位からです!
得点力をアップさせるポイントは難問を得点する力よりも、まずは、あと一歩で解ける問題を確実に得点する力を養成することにあります。特に今回のテストは範囲が広くなる分、だいぶ前に演習した内容は解き方を忘れてしまっている恐れがあります。問題自体は基本的なものでも、解き方を忘れてしまっていては得点できない可能性が高くなり、結果としてテストの点数が低くなってしまうことにもつながります。
例えば、平面図形の角度の問題。長方形を折り曲げることによってできた角度を求める際に、折り曲げた部分と、もとにあった部分の角度が同じになることや、平行線を使った錯角や同位角の考え方を使って解く問題にあたった際に、どの角度が同じになるのかという関係をより速く確実に思い出せるかどうかが、得点できるかどうかの分かれ道になります。
また、場合の数の問題で、3人がジャンケンを1回する際に、あいこになる場合は全部で何通りになるか、といった問題。ここでは(グー、グー、グー)、(チョキ、チョキ、チョキ)、(パー、パー、パー)の3通りと、(グー、チョキ、パー)の順番を入れ替えた場合が挙がりますが、まずそのピックアップがすぐにできるかどうか。そして(グー、チョキ、パー)の順番を入れ替えた場合が3×2×1=6(通り)となることが、暗算に近い感覚で正確にできるかどうかがポイントになります。
上記のような問題以外にも、年令算や過不足算、流水算などの基本問題といった様々なポイントがあります。
そうした基本問題を確実に、かつスピードをもって解くということが、今回の組分けテストの大きなポイントになります。
基本的な問題で失点してしまうことは避けなけないことはもちろんのこと、後半にある応用問題に少しでも時間を費やせるように、いかに基本問題にかかる時間を短くできるかが、点数をわけるポイントになるのです。
それでは基本問題を復習するには、何に気をつければよいでしょうか。なかなか多くの時間を捻出できない状況にある中で、明らかにお子さんが苦手としている単元であればすぐにピックアップできますが、忘れているかもしれない単元を見つけるのは、意外に難しいものです。
そこで、まずは『基礎力トレーニング』の昨年2月から今年1月までの範囲について、基本的な解き方を忘れていないかどうか、総チェックをしてみましょう。特に、夏休み以前に解いた単元は、解き方から忘れてしまっている可能性があります。解法を再度思い起こすためには有効な手段と言えます。総チェックといっても全て問題を見直す時間はありません。新出を表す「!」のついた問題のみ、また数値換えの問題は省いて、見直しを進めていきましょう。目安としてサピックスの平均偏差値で45に満たない生徒さんは、特にこの『基礎力トレーニング』の復習で、基本をしっかり固め直してください。
ただし、『基礎力トレーニング』の復習だけではテストでの高得点にまで及ぶことができない可能性があります。できれば『基礎力トレーニング』の見直しは、短い時間で毎日でも積み上げていくというルーティンにして、さらにレベルアップした復習にも取り組みたいところです。
『基礎力トレーニング』を復習する中で見つかった、重点的な対策が必要な単元については、デイリーサポートのA、Bレベル、できればCレベルの問題まで、解法を思い出すことに重点を置いて見直しをしてみてください。
ここでもひとつの例題を挙げます。メルマガ上では図を再現できませんので、実際にかいてみてください。単純な直方体で、高さがa、底面の2辺がb、cとなる図です。
問題は以下の通りです。
「直方体の体積が3600立方cmです。この直方体のa、b、cのうち、aの長さを4cm長くした直方体は、もとの直方体よりも体積が720立方cm増え、表面積が216平方cm増えます。このとき次の問いに答えなさい。
(1) aの長さは何cmですか。
(2) もとの直方体の表面積は何平方cmですか。」
問題自体は決して難しいものではありません、ただ、こうした問題の解説で、「展開図」を使った解き方を説明しているケースを見受けることがあります。もちろんわかりやすい解法ではありますが、テストの時間内に展開図をかくことができるのか、という問題があります。特に直方体の展開図はいくつものパターンがあります。その中でこの問題を解くのに使えるパターンは限られています。一度かいてみて、この展開図では解けないから、また別の展開図をかく、といった時間はありません。つまり、図を活用することは重要ではありますが、自分で新しい図をかく際には、本当にその作業が有効かを慎重に判断する必要があるということです。例えばこの問題では、新たに図をかかなくても、与えられた図にかきこみをすることで十分に対応できるのです。
直方体の高さにあたるaを長くするのですから、その通りに、与えられた図の高さを4cm分(だいたいで構いません)上に伸ばし、直方体の体積を増やします。マンションに新たに最上階をつくるようなイメージです。これで図は完成です。
あとは(1)については、増えた720立方cmを高さにあたる4cmで割ることで、直方体の底面積が、720÷4=180(平方cm)と算出できます。そこからもとの直方体の体積が3600立方cmとわかっているので、3600÷180=20(cm)とaの長さが導き出せます。
(2)についても、かき足した部分の直方体に注目します。この図形が加わることで表面積が216平方cm増えたとありますが、実際に増えたのはどの部分なのかがポイントです。増えた部分の上部の面積は、もとの直方体の上部の面積と同じですので、216平方cmは、増えた部分の側面積の合計であることがわかります。この側面積の合計がどのような図形かを知るために展開図を用いるケースが見受けられるのですが、展開図を用いずとも、側面積の合計がひとつの長方形になることは理解できるようにしておきましょう。その長方形は縦の長さが4cm、横の長さが直方体の底面積の一周分にあたりますので、(b+c)×2となります。216÷4=54(cm)が(b+c)×2となりますので、もとの直方体の表面積は、底面積の180平方cmが2つと、(b+c)×2に高さの20cmをかけた側面積の合計になります。結果として、180×2+54×20=1440(平方cm)として求められます。
図をかきたす際は、精緻にかく必要はありません。どのように図形が変化したかがわかればよいので、あまり時間をかけないようにしましょう。
規則性は、組分けテストで何回か出題はされましたが、カリキュラムとしては夏休みの終わりに演習したままになっているので注意が必要です。特にカレンダー(日暦算)を使う問題は苦手としているお子様が多くいらっしゃいます。
例えば次のような問題があるとします。
「花子さんは100円玉と500円玉で4月1日火曜日から貯金を始めます。月曜日から金曜日は、100円玉を1日1枚貯金箱に入れ、土曜日と日曜日は、500円玉を1日1枚貯金箱に入れます。このとき次の問いに答えなさい。
(1) 花子さんは4月1日から4月7日の1週間で合計何円貯金をしますか。
(2) 貯金額がはじめて10000円を超えたとき、貯金箱には100円玉が何枚入っていますか。
カレンダーの要素に、お子様がこれもまた苦手な「お金」の要素が含まれている問題です。一見複雑ですが、(1)をしっかり解くことで、(2)が解きやすくなるパターンです。まず(1)ですが、1週間のうち、平日5日は1日につき100円玉1枚、土曜日と日曜日はそれぞれ500円玉を1枚貯金しますので、100×5+500×2=1500(円)が1週間の貯金額として求めることができます。ここまでは曜日に関係なく解くことができます。曜日が問題に出てきたからといって、すべて日暦算で解くとは限りませんので、問題を
よく読むようにしましょう。
そして(2)ですが、(1)より1週間につき1500円の貯金をしますので、10000÷1500=6あまり1000の式が成り立ちます。この式の意味が、「6週間分と1000円で10000円ちょうどになる」ことをしっかり把握しましょう。1週間につき100円玉は5枚貯金しますので、まずは5×6=30(枚)が貯金箱に入れられることになります。
あとは1000円をどう処理するかですが、ここではじめて日暦算の考え方を使います。火曜日から月曜日までの1週間で考えていますので、あまりの1000円を貯金するには、月曜日の次の火曜日から数えます。平日が火曜日から金曜日までで4日間、ここで100×4=400(円)を貯金し、残りは1000-400=600(円)となります。土曜日に500円を貯金することで、残りの100円は日曜日の500円の貯金で余りが出ますので、ここで合計10000円を超えることがわかります。よって、あまりの1000円分については100
円玉を4枚使ったことになり、30+4=34(枚)が答えとなります。
カレンダーを使う問題で対応しづらい場合には、月、火、水、…と曜日を横並びに書き出して、日数の数え間違いがないようにする方法もあります。ただ、思いのほか時間がかかってしまいますので、できれば日数の計算と曜日を数える作業は、計算で処理できるように練習を重ねておきましょう。
ここでも例題を挙げます。少し長くなりますが、よく問題を読んでみてください。
「花子さんの家から駅までは一本の道で結ばれています。花子さんと妹が同時に家を出発して、それぞれ一定の速さで駅に向かったところ、12分後に花子さんは妹より360m前方を歩いていました。そのとき、花子さんはちょうど本屋の前に着いたので寄ることにしました。それから10分後に本屋を出ると、妹は花子さんより180m前方を歩いていました。花子さんはすぐに最初と同じ速さで歩いたところ、妹と同時に駅に到着しました。花子さんの家から駅まで何mありますか」
ここで、花子さんと妹の動きをダイヤグラムで表す方法があります。縦軸を家からの距離、横軸を時間として、妹は止まることなく一定の速さで駅まで向かったので、妹の動きは一本の斜めの直線でかけます。花子さんは途中の本屋で10分間歩かなかったので、段差のある線になります。このダイヤグラムがすぐにかけるようでしたら、そこから視覚的に長さと時間の関係が把握でき、あまり時間をかけずに解答に行きつけるのですが、ダイヤグラムをかくのはなかなか時間がかかってしまうことが多いです。よ
ほど慣れていない場合には、無理にダイヤグラムをかくのではなく、別の図を使って状況を理解してみましょう。以下にその方法の一例を記します。
上下に平行に2本の直線をかくことになります。まず上に花子さんの動き、下に妹の動きを表す線とします。2人は同時に家を出発しましたので、起点は上下でそろいます。そこから横に線を伸ばして、12分後の時点で一旦線を止めます。この時点で花子さんが360m前方を歩いているので、線の長さも花子さんが妹より360m分長くなるようにします。
図には12分、360mといった値を必ずかき入れるようにしましょう。後で計算する際にやりやすくなります。花子さんはそこで10分止まるので、線の上に10分とかき記します。その間に妹の直線は横に、花子さんが止まっている箇所より180m先までのびます。この時点で2人の速さが導き出せます。最初の12分で2人の距離に360mの差が生まれたので、2人の速さの差が、360÷12=30(m/分)となります。次に妹は10分間で360+180=540(m)歩いたので、妹の速さが540÷10=54(m/分)と導き出せます。そ
こで花子さんの速さも54+30=84(m/分)と求められるのです。
引き続き、2人が駅に着くまでを図で表します。いまは妹の直線が花子さんの直線より180m長くなっている状態ですが、この後、花子さんも歩き出して、2人は同時に駅に着きますので、2本の直線の終点が上下でそろうことになります。ここがポイントですが、180mの差がなくなったことから、花子さんが本屋から駅まで歩いてかかる時間は180mという距離の差を、2人の速さの差で割れば出てきますので、180÷30=6(分)となります。最後に花子さんが家から駅まで歩くのにかかった時間が12+6=18(分)
となることから、84×18=1512(m)として、答えを導き出すことができるのです。
こうした状況図は、一度じっくりかいてみると、非常に効果的であることがわかります。特に今回の問題のように、往復の動きなどがなく、一方向に進み、また起点と終点がそろう場合には、より有効になります。速さを解くための材料として、ぜひこうした図のかき方も試してみてください。
※「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記させて頂きます。
例えば次のような問題があるとします。
「春子さんと夏子さんと秋子さんは、合せて5400円持っています。まず、春子さんは所持金の1/2を夏子さんに渡し、次に、夏子さんはそのときの所持金の1/3を秋子さんに渡します。最後に秋子さんはそのときの所持金の1/4を春子さんに渡したところ、秋子さんの所持金は、春子さんの最後の所持金の2/3になり、夏子さんの最後の所持金の1/2になりました。夏子さんの最初の所持金は何円ですか。」
まず問題文が長いこと、さらにやりとりが多く、その内容が分数で表されていることから多くの生徒さんが苦手に感じてしまうタイプの問題です。こうした問題を攻略するためには、やりとりの様子を図にして整理することが重要になります。ところが、いざ図をかこうとすると、最初の3人の所持金がわかっていないことで、数値をおくことができず、手が止まってしまうという状況になってしまいがちです。
そのような場合でも、わからない数値(この問題であれば所持金)の部分は空欄の四角として図をかいてしまいましょう。
縦並びでも横並びでも構いませんので、春子さん、夏子さん、秋子さんの初めの所持金を四角として並べてかきます。そこから次の段階を矢印で結んで、図を完成させて行きます。
春子さんの四角と、次の段の夏子さんの四角を矢印で結んで、矢印の横に「×1/2」と記し、春子さん自身も最初の四角と次の段の四角を矢印で結び、1-1/2=1/2より「×1/2」とします。このようにやりとりを四角と矢印を使って最後まで完成させます。
ここから四角に数値をうめていくのですが、あらためて問題文を最後までしっかり読んでみましょう。3人の最後の所持金が割合で表されています。そしてもうひとつ、こうしたやりとりの問題での大きなポイントですが、3人の所持金の合計が5400円で変わらない、ということがあります。この2つの要素から、まずは3人の最後の所持金をそれぞれ出してみましょう。
秋子さんの最後の所持金をマル2とすると、春子さんの最後の所持金はマル2÷2/3=マル3、夏子さんの最後の所持金はマル2÷1/2=マル4となり、春子さん、夏子さん、秋子さんの最後の所持金の比が3:4:2となることが求められます。この合計が5400円ですので、5400÷(3+4+2)=600より比の1(マル1)が600円となることから、最後の所持金は、春子さんが1800円、夏子さんは2400円、秋子さんは1200円となります。
ここからは、やりとりを最後から最初に、時間を巻き戻すように整理して、四角に数値を入れていけばよいことになります。最後のやりとりで秋子さんは所持金の1/4を春子さんに渡した結果1200円になったのですから、渡す前の所持金は1200÷3/4=1600(円)となります。春子さんは1600×1/4=400(円)を受け取って1800円を所持したので、秋子さんから受け取る前は1800-400=1400(円)の所持金、夏子さんは最後のやりとりに参加していませんので2400円となります。ここで、3人の所持金の和が、1400+2400+1600=5400(円)となっていることが確認できます。
このように矢印に記した割合を利用し、空欄の四角に数値を入れていくことで、さかのぼってやりとりの様子が図として完成できるようになります。夏子さんの最初の所持金が2200円になることを確認してください。
割合と比の問題では図を活用することが重要となりますが、数値がすべてわかっていなくても図をかくことができます。図をかいて、しっかり問題文を読んで確定できる値を見つけることで、より有効な図を完成させられることに気をつけましょう。
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