No.802 予想問題付き!サピックス6年生 6月20日(木)マンスリーテストの攻略ポイントベスト5を発表します!

何が何でもおさえておきたいポイントをランキングにまとめました!グラフ問題や規則性、場合の数から難問の出題が予想されるマンスリー攻略のためにも、ぜひご覧ください!
また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。くわしい解説も準備しますので、問題を解く→解説を熟読する→もう一度問題を解く、のサイクルで、解法をしっかり身につけてください。問題は鉄人会のHPで公開しています。クラスアップのための最強ツールとして、ぜひご活用ください!

予想問題はこちらのページで無料公開中です。

それではランキングの発表です。まずは第5位からです!

【第5位 規則性に関する問題(群数列):内容を整理できるような書き出しができていますか?】

規則性の単元からは、次のような植木算のように見えて実は群数列の考え方を使って解く問題が出されることがあります。

「長い紙テープを、10、10、20、10、20、30、10、20、30、40、10、…(単位はすべてcmです)と、ある規則にしたがって左から切っていきます。例えば、20cmのテープを3本切り取るには、8回切る必要があります。このとき、60cmのテープを2本切り取るには、何回切る必要がありますか。」

規則性の問題では、書き出しが効果的になることがあります。この問題でも、まずは書き出しをしてみましょう。問題で挙げられた規則から、数字をグループ分けしていきます。1番目のグループは10、2番目が(10、20)、3番目が(10、20、30)、…となりますが、見やすくなるように、各グループの1番はじめの数である10がたてにそろうように、グループごとにたてにかき並べてみましょう。すると、グループを表す数を10倍した数が、グループの最後の数として、右端に出てくることがわかります(3番目→30が右端、4番目→40が右端)。ここで60が最初に出てくるのが6番目のグループの最後、2回目に出てくるのが7番目のグループの6番目となります。そこで、60cmのテープを2本切り取るための回数は、6番目のグループの最後の数までの個数の和に、7番目のグループの6を加えることで求められます。数の個数は1番目に1個、2番目に2個、…となりますので、6番目の最後までの個数の和は、(1+6)×6÷2=21、よって21+6=27より、テープを27回切る必要があるのです。
内容を整理しやすいかたちで数を書き出すことで規則を確実に把握し、式を立てられるように練習を重ねましょう。

【第4位 場合の数(3段つるかめ算):対象が3つになっても面積図がかけていますか?】

早速、例題を挙げてみましょう。

「ある文房具屋では、えんぴつを1本80円、シャープペンを1本180円、ボールペンを1本240円で販売しています。A君はこの文房具屋で、えんぴつとシャープペンとボールペンを合計20本買ったところ、支払った金額は2920円でした。A君が買ったと考えられる本数の組合せを答えなさい。ただし、買わない種類があってもよいこととします。答え方は、えんぴつ、シャープペン、ボールペンの順に、例えばえんぴつを2本、シャープペンを3本、ボールペンを15本買った場合は、(2、3、15)と表すことにします。」

それぞれの単価と合計の個数、合計の金額がわかっていることから、つるかめ算を用います。対象が3種類になるつるかめ算(3段つるかめ算)でも、面積図で内容整理することに変わりはありません。
実際に面積図をかいてみましょう。かき方は、対象が2種類の際と基本的には同じです。まず単価の一番安いえんぴつを左端に、そこから右にシャープペン、ボールペンそれぞれの金額を表す長方形をかき並べます。えんぴつは、たて80円×横a個、シャープペンは、たて180円×横b個、ボールペンは、たて240円×横c個の長方形になります。そして3つの長方形を並べた際の横の合計が20個、となります。
ここからがポイントですが、この3つの長方形から成る面積図を、普段使い慣れている2つの長方形から成る面積図に変形させます。方法としては、下から高さ80のところで図形全体に横の線を引きます。この線から上にある部分、シャープペンのたて100円×横b個、ボールペンのたて160円×横c個の2つの長方形を利用するのです。わかりやすいように、2つの長方形が並んだ部分に斜線を引いてもよいでしょう。2つの長方形の合計金額は、2920-80×20=1320(円)になります。本来のつるかめ算であれば、2つの個数の和(b+c)がわかっているのですが、ここでは20-aであることしかわかりません。
そこで式にしてみます。100×b+160×c=1320となります。ここで、数を小さくするために全部を20で割って、5×b+8×c=66とします。ここからは数の組合せで、b、cに入る数値を求めて行きます。b、cともに整数になるので、組合せが無限にあるわけではありません。かといって、ただ闇雲に数をあてはめて検証しようとすると、時間だけが過ぎてしまいます。何かしらの条件づけが必要になります。この条件づけが、このパターンの問題を解くうえで大きなポイントになります。5×bはもちろん5の倍数になるので、一の位は5か0です。5×bの一の位が5になると、和が66と偶数であることから、8×cが奇数にならなければならず、成り立ちません。そこで5×bの一の位は0、つまりbは必ず偶数になります。しかも合計で66ですので、bは0から11の中から見つければよくなります(b=12とすると、8×c=6となってしまうため)。そこで数の組合せを(b、c)とすると、式を満たす値の組合せは(10、2)(2、7)のみとなります。最後にa+b+c=20から、それぞれの場合のaの値を出して、答えは(8、10、2)(11、2、7)と求められます。
まずは面積図をかいてみること、そこから図を変形させ、数の組合せでは、できるだけ数を限定させるための条件を見つけ出すこと、といくつかの手順はありますが、その意味をしっかり理解しておけば、十分に得点源にできるパターンの問題です。

【第3位 点の移動:長さの比から正解を見つけ出しましょう!】

ここでは以下のような例題を挙げてみましょう。

「長方形ABCDの辺AB、辺CD(いずれもたての線です)の真ん中の点をそれぞれ点E、Fとします。辺ABは20cm、辺ADは80cmです。点P、Q、Rはそれぞれ点D、E、Bから同時に動き始めます。点Pは辺AD上をDからAまで、点Qは直線EF上をEからFまで、点Rは辺BC上をBからCまで動きます。点Pの速さが毎秒5cm、点Qの速さが毎秒3cm、点Rの速さが毎秒4cmのとき、3点P、Q、Rが初めて一直線に並ぶのは、3点P、Q、Rが動き始めてから何秒後ですか。」

3点の動きとなるとかなり複雑に感じられますが、ここでは相似の関係から導き出される「長さの比」をフル活用して解き進めましょう。
実際に長方形ABCD、直線EFを図にして、そこに初めて3点P、Q、Rが一直線になった状況をかき込んでみましょう。3点の速さからPDの長さをマル5、EQの長さをマル3、BRの長さをマル4と表すことができます。ここで1本の補助線を図にかき入れることが、問題攻略のポイントとなります。
その補助線とは、点PとBを結んだ線のことです。さらに直線PBと直線EFの交点をSとします。これで様々な三角形が図の中に出てきました。その三角形の相似の関係を利用することが解法の軸となります。
三角形PBRと三角形PSQが相似の関係になることから、SQの長さはマル4×1/2=マル2となります。そこから、ESの長さはマル3-マル2=マル1、三角形BSEと三角形BPAが相似の関係になることから、AP=マル1×2=マル2となります。するとADの長さがマル2+マル5=マル7となり、これが80cmなので、点Pが動いたDPの長さは80×5/7=400/7(cm)となります。よって求める時間は、400/7÷5=80/7=11・3/7(秒後)と求められるのです。
求める状況(今回の問題であれば3点が初めて一直線に並ぶこと)を図にしてみることで、3点の動きという複雑な問題を、相似の標準的な問題へと変えることができるのです。

【第2位 規則性に関する問題(応用):書き出しと計算を織り交ぜながらチャレンジしましょう!】

今回のマンスリーでは、規則性の問題で難しいと感じたものについて深追いすることは危険です。ただし、難問でも(1)、(2)までは正解できるチャンスはあるので、その見極めの時間を持てるようにチャレンジしてみてください。
例えば、次のような問題はどのように対応すればよいでしょうか。

「下のように、ある規則にしたがって分数が並んでいます。
  1/800、3/797、5/794、7/791、…
このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 左から数えて90番目の分数を求めなさい。
(2) はじめて1より大きい分数が出てくるのは左から数えて何番目ですか。
(3) 1より小さい分数のうち、7で約分できる分数は何個ありますか。」

規則性の問題には、難度が高くてもある程度書き出しをすることで正解に行き着くきっかけが得られるものもあります。
まず(1)ですが、分子を見ると、1、3、5、7、…と、1から始まり2ずつ数が増えていく数列になっています。分母はというと800、797、794、791、…と、800から始まり3ずつ数が減っていく数列になっていることがわかります。そこで(1)の問題ですが、左から数えて90番目ということで、分子、分母それぞれの数値を出してしまいましょう。分子は1+2×(90-1)、分母は800-3×(90-1)より、179/533と答えが導き出せます。決して難しい問題ではないことはわかりましたでしょうか。ただ、等差数列の値を求める式が曖昧ですと時間がかかってしまいますので、式の立て方は確認するようにしておきましょう。
次の(2)も難しい問題ではありませんが、注意をしないといけない落とし穴のような部分があります。まず問題にある、はじめて1より大きい分数が出てくる、という状況ですが、分数が1より大きいということは、分子が分母より大きくなることを意味します。1番目の分数の分子は1、分母は800で、ここから分子は2だけ増え、分母は3だけ減りますので、ひとつ順番が進むごとに分子と分母の数の差が2+3=5ずつ縮まることになります。この考え方は、旅人算に近いもので、はじめの差を、1回に縮まる差の5で割る、という方針が成り立ちます。式にすると、(800-1)÷(2+3)=799÷5=159あまり4となります。ここからがポイントです。式から導き出した159あまり4が何を表すかを確認しましょう。これは、最初の1/800という分数から、159+1=160(個)「進んだところで」、はじめて分子が分母より大きくなる、ということです。求めるのは、「何番目の分数か」ですので、160に1を足して、161番目と答えなくてはなりません。ここで焦って160番目としてしまわないように、徹底的に注意してください。時間がないと余計に焦ってしまいますので、式で求められた答えが何を表しているのかを認識することを、普段から気をつけておくようにしましょう。
そして最後の(3)です。1より小さい分数ということで、(2)より160番目の分数までが対象になります。7で約分できる分数、とありますが、これをすべて計算で導き出そうと考えていると多大な時間が過ぎてしまいます。この場合、まずは7で約分できる1番小さな分数、1番はじめに出てくる分数を見つけてみます。すると問題のはじめに挙げられていた4つの分数のうち、7/791が該当することがわかります。これは計算ではなく、書き出し、あるいは見つけ出しの作業になります。
7で約分できるということは、分子、分母ともに7の倍数になります。最初の分数7/791から分子の変化にだけに注目してみると、7の次にくる数は、7の倍数でもあり、7から2ずつ増えていく数でもあります。ここから、分子は7から始まり、7と2の最小公倍数である14ずつ数が増えていくことになります。ひとつ順番が進むことに分子は2ずつ増えていきますので、14ずつ増えるということは順番にして7つずつ進むことになります。
次に分母も同じように見ていくと、分母は791から始まり、7と3の最小公倍数である21ずつ数が減っていくことになります。ひとつ順番が進むことに分子は3ずつ減っていきますので、21ずつ減るということは順番にして、やはり7つずつ進むことになります。
ここから、7で約分できる分数は7/791から始まり、7つずつ順番が進んでいく、ということがわかります。7/791は4番目の分数、1より小さい分数は160番目まで、ですので、式にすると、(160-4)÷7=22あまり2より、22+1=23(番目)の分数が最大になります。これより、答えは23個と導き出せます。(1)、(2)に比べると、いくつもハードルがありますので、チャレンジ問題として位置づけた方がよいでしょう。

【第1位 変化のグラフ:水深変化の問題で断面図を活用できていますか?】

得点の分かれ目になりそうなのが、水そうの中に仕切りがあるパターンです。このパターンでは立体のままで考えるよりも、仕切りに垂直な断面図をかいてみると、断然解きやすくなることが多いです。例題を挙げてみましょう。説明から立体の図形とグラフをまずはかいてみてください。

「たて10cm、横45cm、高さ12cmの直方体のかたちをした水そうがあります。この水そうには容器の底面に垂直に立つ長方形の仕切りがあり、左から順にA・B・Cに分けられています。Aの部分の横の長さは15cm、Bの部分の横の長さはアcmです。またCの部分には十分に重い直方体のおもりが置いてあります。この水そうのAの部分に毎分300立方cmの割合で水を入れていったところ、Aの部分の水位の変化が次のようなグラフになりました。
グラフは、たて軸が水位で単位がcm、横軸が時間で単位は分、ここからグラフ上の点を(分・水位)で表すことにします。グラフの横軸の5と12の間の、5に近いところにイを置きます。まず(0、0)から(3、6)に直線を結びます。次に(3、6)から(5、6)に横軸に平行な直線、(5、6)から(イ、9)に斜めの線、(イ、9)から(12、9)に横軸に平行な線、最後に(12、9)から最初に引いた線より若干傾斜のゆるやかな線を引いて、水位が12cmになったところで止めてください。斜め、横、斜め、横、斜め、の5本の直線が引けたでしょうか。ここから問題です。ただし、仕切りの厚さは考えないものとします」
(1) アの値はいくつですか。
(2) イの値はいくつですか。
(3) 直方体のおもりの体積は何立方cmですか。」

この問題では、毎分300立方cmの割合で水が入ることがわかっています。これはこのパターンの問題を解くうえで、とても有益な情報です。テストの終盤にこのタイプの問題があって、水の量がわかっている場合には、できれば(1)は解いてみましょう。得点のチャンスが広がります。
まず(1)ですが、ここで先に触れました断面図をかいてみます。水そう全体の断面図は、たて10cm、横45cmの長方形から、上の部分の辺をとったかたちになります。左から10cmのところに仕切りを表すたての線を入れます。この仕切りの高さは何cmにすればよいでしょうか。グラフで、3分までは水位が上がり、そこから5分までの間、水位が変化していません。3分でAの部分が満水になり、そこから2分かかってBが満水になったことがわかります。そのため、AとBの間の仕切りの高さは、グラフのたての値から6cmとわかります。さらにそこから水位が上がり、イ分から12分までが水位が9cmで変わらないことから、BとCの間の仕切りの高さが9cmとなることもわかります。
断面図に戻って、左から15cmのところに高さ6cmの仕切り、そこからアcm右に高さ9cmの仕切りとします。断面図はこれで完成です。(1)ではCに置いたおもりは関係ありませんので、記入する必要はありません。
問題を解くにあたって大前提となるのが、水が一定の割合で入れられていることです。断面図のたて6cmのところに水槽の左端から9cmの仕切りのところまで、横の辺に平行な線を引きましょう。これが水位6cmになっている最後の状態です。この状態になるまで時間にして5分になります。断面図でAの部分にたて6cm、横15cmの長方形、Bの部分にたて6cm、横アcmの長方形が出来上がりました。この2つの長方形の面積比はわかりますでしょうか。グラフからAの部分を6cmにするのに3分、Bの部分を6cmにするのに5-3=2(分)かかることがわかります。水の入る割合が一定なので、2つの長方形の面積比は3:2となります。間違えないように長方形の中にそれぞれマル3、マル2とかき込んでおきましょう。高さが6cmで同じですから、横の長さの比が3:2となり、ここからアの長さが15×2/3=10(cm)と求められます。
次の(2)でも、(1)でかいた断面図をそのまま使います。グラフのイ分の時点では、どのような状態になっているでしょうか。イ分は水位が9cmの最後の状態ですので、BとCの間の仕切りの高さまで水がいっぱいに入った状態になります。断面図の9cmの高さのところに水そうの左端から9cmの仕切りの最上部までを、横の辺に平行な直線を引きましょう。(1)で使った2つ並ぶ長方形の上に、ふたをするように大きな長方形が乗るようなかたちになりました。下部の2つの長方形にあたる量の水を入れるのに合計5分かかっています。その高さは6cmで、求めるイ分後には高さが9cmになりますので、5×9/6=7.5(分)としてイの値が7.5と求められます。
最後の(3)ですが、実はこの問題も(1)(2)で求められた値を使えば、決して難しい問題ではなくなります。まずアが10cmであることから、Cの部分の横の長さは45-15-10=20(cm)とわかります。さらにイが7.5分であることから、Cの部分の9cmの高さまで水を入れるには12-7.5=4.5(分)かかることがわかります。これで材料はそろいました。Cの部分の高さ9cmまでの体積は、20×10×9=1800(立方cm)になります。それに対して実際入れた水の量は、300×4.5=1350(立方cm)となることから、この差の1800-1350=450(立方cm)が求めるおもりの体積となります。

変化とグラフの問題は、多くの時間を要してしまう難問もあります。ただし、今回の例題のように、与えられた情報を使い切れば、一見難しそうでも解けないことはない問題もあります。まずは、標準レベルまでの問題をくり返し練習して、グラフの変化が何を表しているかを把握できるように、さらに断面図などを活用する方法を覚えたうえで、時間のあるかぎりは難問にもチャレンジしてみてください。

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