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第10回は『総合』です。基本問題において、第6回から第9回までの基本が理解できているか、確認しましょう。
「基本問題 第6回・円(2)の第3問」は、円に関連した長さや面積の問題です。
(1) 頂点Bを中心とする四分円の半径をa cm、頂点Cを中心とする四分円の半径をb cmとします。頂点Dを中心とする四分円の半径は2cmです。aとbの和は、辺BCの長さですから、a+b=10cmです。また、aとbの差は、長方形のたての長さを考えると(AB=CD=aより)、a-b=2cmです。和差算の考えにより、aの長さは、(10+2)÷2=6cmとわかります。また、bの長さは、10-6=4cmです。和差算の考え方はこのように他の単元で用いることが多くありますので、注意してください。かげの部分のまわりの長さは、3つの四分円の弧の長さと、辺AD上の直線の長さの合計です。 (6+4+2)×2×3.14÷4+(10-2)=6×3.14+8=18.84+8=26.84より、かげの部分のまわりの長さは、26.84cmです。
なお、まわりの長さを求める問題では、鉛筆やシャープペンでまわりをなぞることをお勧めします。まわりをなぞることで、まわりの長さにはどの部分が含まれるかがミス無くわかります。弧の長さに気が向いて、半径などの直線部分を入れないミスが多くありますので気をつけましょう。また、この問題の前の第2問でも、まわりをなぞることで、つながる部分が判断できて、計算がまとまります。
(2) 長方形の面積から3つの四分円の面積を引いて求めます。長方形の面積は、6×10=60平方cmです。3つの四分円の面積の合計は、(6×6+4×4+2×2)×3.14÷4=14×3.14=43.96平方cmです。よって、60-43.96=16.04より、かげの部分の面積は、16.04平方cmです。
ここでの計算式のように、円周率の入った計算では、できる限り3.14を最後に計算することを心がけましょう。
「練習問題の第2問」は食塩水の問題です。なお、分数は分子/分母の形で表します。
(1) 6%の食塩水120gに含まれる食塩の重さは、120×6/100=7.2gです。また、15%の食塩水240gに含まれる食塩の重さは、240×15/100=36gです。2種類の食塩水を混ぜると、食塩の重さは7.2+36=43.2gになり、食塩水の重さは120+240=360gになります。よって、43.2÷360×100=12より、食塩水Aの濃さは、12%です。
(2) 変わっていない量が何かに注目しましょう。食塩水のうち何gかを捨てて、同じ重さの水を加えますから、最後の食塩水の重さは、初めの食塩水の重さと同じ360gです。また、濃さが8%になりましたので、360×8/100=28.8より、食塩の重さは28.8gになっていて、このことから、捨てた食塩水の中に、(7.2+36-28.8=)14.4gの食塩が含まれていたことになります。この捨てた食塩の14.4gは、濃さが12%の食塩水でしたから、捨てた食塩水の重さを□として、整頓すると、□×12/100=14.4となります。よって、□=14.4÷12/100=120より、捨てた食塩水Aは120gとわかります。
このような食塩水の問題では、過程をしっかり式にできるように、練習を重ねましょう。
「練習問題の第4問」は、売買損益の問題です。利益=売価(売った値段)-原価(仕入れた値段)です。求めるものは仕入れ値ですが、定価から求める流れで進めましょう。
(1) 定価の3割5分引きで売るとは、割合にして定価の1-0.35=0.65で売ることになり、同様に定価の4割引きで売るとは、定価の0.6で売るということです。原価はどちらの場合も同じですから、利益の差は、定価の0.65と0.6の差ということになります(ここが、ポイントです)。よって、(130-20)÷(0.65-0.6)=110÷0.05=2200より、定価は2200円です。ここで、定価の0.65で売ると130円の利益になりますから、2200×0.65-130=1430-130=1300より、原価(仕入れ値)は、1300円です。売買損益の問題では、最後に何を求めるのかに細心の注意を払ってください。
(2) 仕入れた個数80個をすべて定価で売ると、(2200-1300)×80=72000円の利益になりますが、実際の利益は56600円です。この差の72000-56600=15400円は、定価の2割引きによって、利益が減少したものです。定価の2割は、2200×0.2=440円ですから、15400÷440=35より、35個は値引きして売ったことがわかります。よって、80-35=45より、定価で売ったのは45個です。
なお、この問題の解法は、つるかめ算によるものです。
「練習問題の第5問」は差集め算の問題です。個数と代金どちらも値が異なるところが複雑ですので、個数をそろえて考える方針で進めます。
文字を使って整頓します。チョコレートをA個買ったとすると、アメは(A+6)個買ったことになります。また、アメの代金をP円とすると、チョコレートの代金は(P+150)円となります。式にすると、アメは20円×(A+6)=P円、チョコレートは50円×A=(P+150)円となります。買った個数をチョコレートのA個にそろえると、アメの代金は、6個分安くなりますから、(P-20×6)円、つまり(P-120)円となります。個数の差と代金の差の関係をわかりやすくするためには、アメの20円×A=(P-120)円と、チョコレートの50円×A=(P+150)円、という2つの式を縦に並べてかくとよいでしょう。アメとチョコレート1個ずつの値段の差(1つ分の差)は50-20=30円で、代金の差(全体の差)は、120+150=270円です。よって、A=270÷30=9より、買ったチョコレートの個数は、9個と求められます。
今回は、総合回ということで、練習問題を中心に進めてみました。解くための基本は、基本問題と同じです。問題内容を丁寧に読み解き、整頓することで、正答につなげられる、ということを納得して頂けたでしょうか。
第10回は『総合』です。基本問題において、第6回から第9回までの基本が理解できているか、確認しましょう。
「練習問題の第1問」は、植木算の問題です。
(1) 最初に立てたくいと最後に立てたくいの間の距離は、立てたくいをたどっていく(時計回り)と、420-80=340mとなります。よって、間の数は、340÷10=34です。両はしのくいを入れますから、34+1=35より、くいの本数は35本です。
(2) 池のまわりにくいを立てますので、間の数=くいの本数となります。420÷35=12より、12mおきに立てればよいことになります。
「練習問題の第3問」は、小数や分数の問題です。分数は、分子/分母の形で表します。
(1) 3/5mは、1mの3/5ということです。1m=100cmで、3/5は、5等分したうちの3つ分ということです。よって、100÷5×3=60より、Aさんが取ったリボンは60cmです。
(2) はじめのリボンの長さは1.5m=150cmであるため、Aさんが取った残りのリボンの長さは、150-60=90cmです。90cmの5/6は、90÷6×5=75cmで、これより0.5cm短い長さは、75-0.5=74.5となりますので、Bさんは、74.5cmの長さのリボンを取りました。よって、90-74.5=15.5より、リボンは15.5cm残りました。
「練習問題の第4問」は、正方形や長方形の、まわりの長さと面積についての問題です。一見複雑ですが、問題文の冒頭「まわりの長さが等しい」を利用することで、一気に解きやすくなります。このような問題文の中で利用できる条件を見逃さないようにしましょう。
正方形のまわりの長さは、12×4=48cmで、長方形のまわりの長さもおなじ48cmです。長方形の、たての長さ+横の長さは、48÷2=24cmで、たての長さは9cmですから、24-9=15より、横の長さが15cmとなることを確認して、問題を解き進めて行きましょう。
(1) 長方形の辺EHに注目すると、重なった部分の正方形の1辺の長さは、15-8=7cmとわかります。よって、7×7=49より、面積は49平方cmです。
(2) 問題の図形を、頂点AとGを通る大きな長方形でかこみます。こうしてできた大きい長方形のまわりの長さは、問題の図形のまわりの長さ(図の太線の長さ)と等しくなります。解答解説の冊子26ページにある図を参照してください。この大きい長方形のたての長さは、重なった正方形の長さを考えると、12-7+9=14cmです。また、横の長さは、12+8=20cmです。よって、(14+20)×2=68より、この図形のまわりの長さは68cmです。
今回は、総合回ですので、少しレベルをあげた練習問題を取り上げました。解くための基本は学習済みの内容で、この内容をどのように使っていくか、という部分を理解していただけたでしょうか。
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