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今回から速さの単元に入ります。5年内容と比べると、比を利用して解く場面が多くなります。抽象的な数値の扱いに慣れましょう。
今回は特に「考えよう4」から「深めよう2」まででくり返し演習する、「道のりが同じときには速さと時間は逆比の関係にある」ことを覚え込むことが何よりも大事です。この速さの逆比の考え方は、入試問題でも多く問われ、得点できるかどうかが算数全体の点数に深く影響を及ぼすタイプの問題でもあります。逆比の関係がすぐに理解できない場合は、例えば道のりを12㎞などの決まった数において、計算を進めるのでも構いません。とにかく速さと時間の逆比の関係を徹底的に覚えてください。
また、問12の速さのつるかめ算、問18の3人の旅人算は必ず解いておいてください。問18は線分図で内容を整理すると一気にわかりやすくなります。比をメインにしながらも多種の速さの問題を演習する今回は、入試での得点力アップに直結する大事な回です。集中して取り組みましょう!
「考えよう1」は速さの単位換算と、速さの3公式の確認です。ここがスムーズにできない人は5年のテキストに戻って急ぎ基礎を固めてください。特に速さの単位換算は、これから問題のレベルが上がってくると共に、使う頻度がどんどん多くなります。「考えよう1」の問題を全問正解することを目標に、間違えた問題は原因をしっかり確かめて、同じ間違いをしないように都度見直しておきましょう。
「考えよう2」は平均の速さです。道のり全体を時間全体でわるという計算方法を確実に覚えてください。平均という言葉につられて、速さを足して2でわっても正解にはなりません。その正解にならない理由を説明させる問題がテストに出る可能性もあります。あくまで速さの公式にそって、全体の距離を全体の時間でわることを忘れないようにしましょう。
「考えよう3」は旅人算です。式の中に速さの和や速さの差が出てきますが、いずれも一定時間に縮まったり広がったりする距離でもあります。1分や1時間でどれだけ2人の間が広がったり近くなったりするのかと考えるのが算数らしい解き方です。このページの問題がわからない状態だと、次週以降もたいへん苦しいので、苦手な人は十分練習を積んでください。
「考えよう4」から比を利用して解く問題を演習します。今回はこの「考えよう4」から「深めよう2」をどれだけ確実に理解できるかがポイントになります。まずは(1)のように道のりが同じ時は速さと時間は逆比になること、ここを理解し覚えることが今回の目標と言ってもよいでしょう。例えば同じ道のりを12㎞と置くといった方法でも構いません。逆比の関係を徹底的に覚えてください。
また(2)から(4)では、比で表された値であっても実数値と同じように公式通りに数字をあてはめられることを利用します。この比の値を公式にあてはめるという解法は図形の問題でも使いますので、よく覚えておいてください。
「考えよう5」も同様に、3つの要素のうち1つが同じときに他の2つが逆比や同じ比になることを利用するのですが、「考えよう4」と比べて問題文が複雑になります。こうした問題で比を使いこなすためにはとにかく練習量が必要です。問5や『栄冠への道』の問題も解いて、慣れを培いましょう。
「深めよう1」の「予定より早く(遅く)着く」パターンの問題はテストで多く出されます。何が変わらないのかに注目して解くことが大事です。道のりが同じなので、速さと時間が逆比の関係になることを利用しますが、時間の差を正しくつかむように注意してください。時間の比が5:7であれば、その差の2が何分にあたるのか、問題文をよく読んで、とらえ違いをしないようにしましょう。
「深めよう2」の歩幅の問題は初めて解く人も多いでしょう。歩幅×歩数で歩いた道のりになりますが、それが速さの比と同じになります。動く歩道など流水算タイプの問題とミックスされ難問になることも多いので、まずはこの基本レベルをしっかり解けるようにしておきましょう。
問8は問題文に数字が2つしかでてきませんが、うっかりするとミスにつながります。線分図で状況を把握しておけばミスを防ぐことができます。問12も要注意です。速さのつるかめ算なのですが、つるかめ算であることに気づけるかどうかが大切です。速さでもつるかめ算の考え方を使うことをしっかり覚えておきましょう。問18の3人の旅人算も頻出パターンなのでマスターしておきたい問題です。線分図で状況を整理して、AとCが出会ってから3分後にBとCが合わせて進んだ道のりが、AとCの道のりの差でもあることに気づけるかがポイントです。比を使わなくても解けるのですが、比の値で整理すると計算もしやすくなるメリットがあります。
消去算の演習です。数学の連立方程式で言うところの加減法と代入法の両方を学びます。そちらの解法も発想の仕方は共通していて、2種類のうち1種類を消去し、片方だけの式に持ち込むという手順になります。消去算は考え方がシンプルで解きやすく、また解き直しもしやすいので、得点源にできる単元です。逆に消去算での得点力が低いと、テスト全体の点数も上がりきらなくなってしまいます。解法のパターンは決まっていますので、とにかくくり返し多くの問題を解いて、解き方に慣れることです。本科教室にも問題が多く載っていますが、さらに『栄冠への道』も使って問題数を重ねれば、得意分野にすることができます!
「考えよう1」は一方の個数がはじめからそろっているのでそのままひけます。シンプルなかたちですが、式をかいて内容を整理するようにしましょう。簡単な問題だからと思わずに、式をかく練習をしてください。消去算は式をかけば、解法が浮かびやすいタイプの問題です。
「考えよう2」は片方の式を何倍かして、赤玉か白玉のどちらかの個数をそろえます。どちらにそろえてもよいのですが、できるだけ計算が楽になるように、何倍にあたる数が小さい(この問題であれば3倍)方を選ぶとよいでしょう。
「考えよう3」は両方ともそれぞれ何倍かして数をそろえます。最小公倍数の求め方を忘れていないか確かめてください。暗算で最小公倍数が正しく求められればよいですが、不安がある場合にはすだれ算を使いましょう。
「考えよう4」は代入法です。加減法とは式の形が異なるので注意しましょう。加減法のように数をひくのではなく、入れ替えるという手法を使います。加減法と同じく、式をかいて内容を整理する必要があります。式さえかければ、どの値を入れ替えるのかがすぐにわかります。
問1~問13は「考えよう1」~「考えよう4」と難度のレベルが同じです。消去算は演習量が多ければ多いほど慣れが生まれ、速く正確に解けるようになります。くり返しの感覚になると思いますが、問13まではすべて解くようにしましょう。そのうえで余裕があれば、問14以降の3種類の消去算もチャレンジするとよいでしょう。
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