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第13回は『仕事算』です。仕事算は、大きく2通りあります。1つ目は、ある仕事の全体量を1として各人の仕事量を比で表して考える問題(必修問題1~3)。2つ目は、各人の仕事量を1として全体の仕事量を表して考える問題(必修例題4)です。
また、全体量が増加しつつ、減少していく問題(ニュートン算)も学習します。メルマガでは、分数は、分子/分母の形で表します。
仕事算の基本的な解法の流れは、次のようになります。まず、仕事の全体量を1として、各人の1日の仕事量を求め、比で表します。次に、この比を利用して、仕事の全体量を新たに作る、というものです。
「必修問題1」は、基本的な仕事算です。
まず、仕事の全体量を1とします。A 1人で20日かけてこの仕事をしますので、A 1人で1日では、1÷20=1/20の仕事量です。同様に、B 1人で30日かけてこの仕事をしますので、B 1人で1日では,1÷30=1/30の仕事量です。このことから、1日あたりの仕事量の比は、A:B=1/20:1/30=3:2となります。
この比の数値を利用して、仕事の全体量を作り直します。A 1人で20日かかるので、仕事の全体量は新たに、3×20日=60となります (当然にBでも2×30日=60) 。ここまでが準備です。
(1) AとBの2人がいっしょに仕事をすると、1日に3+2=5の仕事ができます。よって、60÷5=12より、2人ですると、仕事を終えるまでに12日かかります。
(2) はじめに、Aが8日しますので、3×8=24の仕事量が終わりました。残りの仕事量は60-24=36で、これをBは、36÷2=18より、18日間かかります。よって、8+18=26より、この仕事を終えるまでに26日かかります。
「必修例題2」も、前問と同様の問題です。
準備として、1日の仕事量の比 A:(A+B)=1/24:1/15=5:8より、1日の仕事量をAは5とすると、Bは8-5=3、そして、全体の仕事量は、Aの1日の仕事量から計算して、5×24=120となります。
(1) 120÷3=40より、Bが1人でこの仕事をすると40日かかります。
(2) Aがa日間仕事をすると、5×aの仕事量、Bがb日間仕事をすると、3×bの仕事量、2人合わせて、a+b=28日間で、5×a+3×b=120の仕事をすることになります。
日数(かける数量)の合計が与えられ、仕事量(積=かけ算の答え)の合計が与えられているので、つるかめ算を使って解きます。
Bが28日間仕事をしたことにすると、3×28=84の仕事ができます。差である、120-84=36は、Bより1日に、5-3=2ずつ多く仕事ができるAがしたことで終了しました。よって、36÷2=18より、Aは18日仕事をしたことになります。
「必修例題3」は、登場人物の3人がいっしょに仕事をしますが、途中で仕事を休む人がいる問題です。
準備として、1日の仕事量の比A:B:C=1/20:1/60:1/30=3:1:2より、1日の仕事量を、Aを3とすると、Bは1、Cは2と表されます。そして、全体の仕事量は、Aの1日の仕事量から計算して、3×20=60となります。
以下の方針で進めて行きます。1日も休まなかったCの仕事の日数、つまり求める日数にAとBの仕事の日数をそろえて、増えた日数分の仕事量を全体の仕事量に加えます。こうして作った新たな仕事量は、A、B、Cの3人がCの仕事日数分働いた量ですので、これを3人の1日分の仕事量の和で割ることで答えに行きつくことができます。
仮にAが4日休まず、Bが6日休まなかったとすると、全体の仕事量は 3×4+1×6=18増えて、60+18=78になります。これを、1日に3人合わせて3+1+2=6ずつ仕事をすることになりますので、78÷6=13より、13日となります。
この仕事を休む人が含まれるパターンの出題はテストで頻出ですので、解き方をしっかり理解しておきましょう。
仕事の最小単位(基本的には、1人が1日にする仕事量)を1として、これをもとに、全体の仕事量(のべ量といいます)を表して考える問題を学習します。帰一算ともいいます。
「必修例題4」は、帰一算の問題です。
1人が1日にする仕事量を1とすると、12人が5日間でする仕事量は、1×12×5=60です。この仕事を10人でしますから、60÷(1×10)=6より、6日かかります。
なお、はじめの設定である、1人1日の仕事量の1は、省略してもかまいません。つまり、人数×日数を全仕事量としてもよいです。
「必修例題5」は、増加(わき出す水)する量があるとともに、減少(ポンプでくみ出す)する量がある問題で、ニュートン算といわれる問題です。予習シリーズ126ページの解き方にある説明図を参照してください。
ニュートン算は、「(減少量-増加量)×時間=はじめの量」のかたちに整頓すると、考えやすくなります。ただし、ここの減少量・増加量は時間単位1あたりの量を表します。
問題の300Lがはじめの量、毎分5Lのわき出す水が増加量、ポンプ1台で1分ごとにくみ出す量が減少量となります。
(1) ポンプ1台で1分ごとにくみ出す量を□Lとして整頓すると、(□-5)×30分=300Lとなりますので、逆算をして、300÷30+5=15より、ポンプ1台がくみ出す量は、毎分15Lとなります。
(2) ポンプ2台でくみ出す時間を□分として整頓すると、(15×2-5)×□分=300Lとなります。逆算をして、300÷25=12より、泉は12分で空になります。
ニュートン算では、線分図で内容を整頓するかどうかで、理解のしやすさが圧倒的に変わってきます。予習シリーズの図を参照して、自分でも図をかくようにしましょう。
第13回は『割合(1)』です。たとえば、「10の3倍は30」という文章において、10をもとにする量、3倍を割合、30をくらべる量とします。言葉を使って式にすると、(もとにする量)×(割合)=(くらべる量)となります。文章を読む場合、「AのBはCです」というかたち(式にすると、A×B=C)に整頓し直して考えるとよいです。この場合、もとにする量=A、割合=B、くらべる量=Cとなります。特に、 「Aの~」と「の」がついた部分がもとにする量となることに注意しましょう。
また、問題文の中で、もとにする量、割合、くらべる量がどの値かを正確につかめるように、まずは問題文をよく読んで、割合の文章に慣れることが大事です。
メルマガでは、分数は、分子/分母の形で表し、帯分数は、(整数と分子/分母)と表すことにします。
「必修例題1」は、トレーニング問題です。求める数を□として整頓して考えます。
(1) 75×2=□ですから、□=150(円)です
(2) 40×□=240より、240÷40=6、よって、□=6(倍)です。
(3) □×7=105より、105÷7=15、よって、□=15(m)です。
「必修例題2」は、割合についての問題です。はじめに説明しましたように、(もとにする量)×(割合)=(くらべる量)ですから、ここでは、(割合)=(くらべる量)÷(もとにする量)を計算します。定員の30人がもとにする量、各問題の人数がくらべる量です。
(1) 60÷30=2より、割合は、2(倍)です。
(2) 25÷30=25/30=5/6より、割合は、5/6(倍)です。
(3) 42÷30=1.4より、割合は、1.4(倍)です。
以上のように、割合を表す数は、整数、分数、小数のいずれでもかまいません。ただし、分数の場合は約分を忘れないようにしましょう。
「必修例題3」は、割合の文章題です。予習シリーズ100ページの解き方にある線分図を参照してください。
(1) 「太郎君の年令はお父さんの年令の2/7です。」を「お父さんの年令の2/7は太郎君の年令です。」と読み直すと、A(もとにする量)=お父さんの年令、B(割合)=2/7、C(くらべる量)=太郎君の年令となります。太郎君の年令を□才として式にすると、42×2/7=□となります。□=12ですから、太郎君の年令は12才です。
(2) 「去年のねだんの1.6倍は今年のねだん」と読み直せますので、A=去年のねだん、B=1.6、C=今年のねだん です。今年のねだんを□円として式にすると、750×1.6=□となります。□=1200ですから、今年のねだんは1200円です。
「必修例題4」は、前問と同様、割合の文章題です。
「クラス全体の人数の2/9が(欠席した)8人」ということになりますので、A=クラス全体の人数、B=2/9、C=8となります。クラス全体の人数を□人として式にすると、□×2/9=8と整頓できます。逆算して、□=8÷2/9=36より、クラスの人数は36人です。
単位あたりの量の問題です。単位あたりの量は、「わり算の商(答え)は、(わる数1つ分)に対する(わられる数の量)を表す」ことを利用して考えます。たとえば、「450円を9人で分ける」という問題は450円÷9=50円となりますが、この50円は1人あたりの金額ということです。
「必修例題5」は、単位あたりの量を求める問題です。1単位あたりの量を□として整頓して考えてみます。予習シリーズ102ページの解き方の線分図を参照してください。
(1) 1mあたりの重さを□kgとして、整頓すると、□kg×3=2.7kgです。逆算して、2.7÷3=0.9より、この針金1mの重さは、0.9kgです。ここでは、m単位の数で、kg単位の数をわることになります。
(2) 1Lあたりのねだんを□円として、整頓すると、□円×(2と1/3)L=420円です。逆算して、420÷(2と1/3)=420÷7/3=420×3/7=180より、このジュース1Lのねだんは、180円です。ここでは、L単位の数で、円単位の数をわることになります。
単位あたりを求める問題では、「答えとなる単位(kgや円)のついた量を、もう1つの単位(mやL)のついた量でわり算すること」と覚えておいてください。
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