No.1054 入試で狙われそうな社会時事予想設問付き(ユネスコの諮問機関が日本の二地域を世界遺産の登録にふさわしい旨勧告、G7外相会議が開幕、アスベスト訴訟で最高裁判決)

≪ユネスコの諮問機関が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産の登録にふさわしい旨勧告。(10日・26日)≫

奄美大島に分布するアマミノクロウサギ 画像引用元:鹿児島県HP

 世界遺産登録の可否を事前に勧告するユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)は5月10日、日本政府が自然遺産として推薦していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、登録がふさわしい旨を勧告しました。7月16日~31日に開催される第44回世界遺産委員会(オンラインで開催)での登録がほぼ確実になっています。
 同じく文化遺産として推薦されていた「北海道・北東北の縄文遺跡群」についても登録がふさわしい旨の勧告が26日に出され、同じく正式登録が極めて有力となりました。

【予想問題】
問題1:

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産として正式登録されると、日本での自然遺産登録は2011年以来10年ぶり5件目になりますが、2011年に自然遺産として登録されたのはどこですか。

A.小笠原諸島
B.屋久島
C.紀伊半島
D.富士山

解答:

A

 日本国内の世界自然遺産登録は過去4件で、小笠原諸島(東京都)以外は、屋久島(鹿児島県・1993年)、白神山地(青森県、秋田県・1993年)、知床(北海道・2005年)です。Cの紀伊半島は「紀伊山地の霊場と参詣道」として、Dの富士山は「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」としていずれも「世界文化遺産」としての登録です。

問題2:

 西表島などで見られる、熱帯や亜熱帯の海岸部で海水と淡水が混じる地域で見られる森林の総称を何と言いますか。

解答:

マングローブ

西表島のマングローブ 画像引用元:ウィキペディア

 通常、植物は塩分の含まれている海水で育つことはできませんが、マングローブは海水や汽水(きすい・淡水と海水が混ざったもの)で育つことができます。主に赤道付近に分布しており、東インド諸島・マレー半島で多く見られ、日本では奄美大島などの九州南部から沖縄で見られます。
 マングローブは多くの生物にとって有益な餌となる有機物を作り出すだけでなく、根が入り組んだ独特の形状をしていることから、波の影響を受けづらく、魚が産卵や幼魚を育てやすい場所にもなっています。
 また、海岸部に分布するマングローブは、防風林、防潮林としての役割を担うこともあり、海岸部に住む人々の生活を守る林とも言われています。
 そうした生態系保存、防災のうえでも貴重な存在とされるマングローブですが、東南アジアでの輸出用のエビの養殖地への転換のために伐採されるなどの要因で、その数が減少していることが大きな問題となっています。

問題3:

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつで青森県にある縄文時代を代表する遺跡は何ですか。

A.三内丸山遺跡
B.登呂遺跡
C.板付遺跡
D.吉野ケ里遺跡

解答:

A

三内丸山遺跡 画像引用元:ウィキペディア

 三内丸山遺跡は、青森県青森市の南西部にある遺跡です。これまでの発掘調査で、主に縄文時代(約5,500年から4,000年前)や、平安時代(約1,000年前)の集落の跡が見つかりました。特に、縄文時代の大集落の跡からは、竪穴式住居跡や高床式の大型掘立柱建物跡、また様々な種類の墓などが見つかり、当時の人々の暮らしを知る上での重要な史料となっています。

問題4:

 東北地方初の世界文化遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の中心をなしている平安時代の浄土教建築は何ですか。漢字で答えなさい。

解答:

中尊寺金色堂

 中尊寺金色堂は、岩手県平泉町の中尊寺にある平安時代後期に建立された阿弥陀堂です。奥州藤原氏、初代藤原清衡が1124年に建立したもので、当時の工芸技術が集約されています。
 同じく平安時代の浄土教建築の代表例である京都県宇治市の「平等院鳳凰堂」も、1994年に登録された世界文化遺産「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」の構成物件のひとつですので、混同しないように注意しましょう。

≪G7外相会議が開幕:北朝鮮の「完全非核化」で一致。(4日)≫

G7(2021年)セッションの様子 画像引用元:外務省HP

 主要7カ国(G7)外相会合が現地時間5月3日の夜(日本時間4日未明)、ロンドンで開幕しました。初日は夕食をとりながら北朝鮮やイラン情勢についての議論がなされました。出席した茂木敏充外相は初日の会議終了後、記者会見で、北朝鮮の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」の目標を堅持することで議論が一致したことを発表しました。

【予想問題】
問題1:

 現在G7の加盟国ではない国は下記のどの国ですか。

A.イタリア
B.中国
C.カナダ
D.フランス

解答:

B

 G7とはGroup of Sevenの略で、日本語では「主要7カ国」や「先進7カ国」と呼ばれます。現在の枠組みは日本、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、フランス、欧州連合(EU)で先進7か国+1地域(EU)となっています。
 G7会議が始まった経緯ですが、1970年代に入り,アメリカの金融政策の転換(ニクソン・ショック・1971年)や第1次石油危機(1973年)などの様々な問題に直面した先進国の間で、経済・通貨・貿易・エネルギーなどの課題に対して、いかに政策を協調させるかについて、先進国の首脳レベル間で議論する場が必要になりました。そうした状況から、フランスのジスカール・デスタン大統領(当時)の提案により、1975年11月、フランスのパリ郊外で、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリアの6か国による第1回先進国首脳会議(サミット)が開催されました。
 翌1976年の第2回会議よりカナダが加わり、G7の枠組みとなりました。現在では、首脳の他各大臣による会合などもG7の枠組みで行われています。

問題2:

 2019年大阪でも開かれた「G20」とは、主にどんな内容を話し合うことを目的とした会議ですか。

A.金融や世界経済
B.世界平和や安全保障
C.環境や温暖化問題
D.差別や人権問題

解答:

A

G20大阪サミット集合写真 画像引用元:外務省HP

 そもそもG20とは“Group of Twenty”の略で、正式名称を「金融・世界経済に関する首脳会合」と言います。「G7」とEU、ロシアに加え、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンといった新興国11カ国が参加して開催される会議です。1999年より財務大臣・中央銀行総裁会議として世界的に重要な経済・金融問題について協議する国際会議のかたちでスタートし、その後毎年開催されています。

問題3:

 日本でこれまで開かれたG7(G8)先進国首脳会議の開催地に含まれない都道府県はどこですか。
※1997年から2013年はG7にロシアが加わった「G8」の枠組みでした。

A.東京都
B.三重県
C.北海道
D.愛知県
 

解答:

D

 これまで日本では、1979年、1986年、1993年、2000年、2008年、2016年の6回、議長国としてG7(G8)サミットが開催されています。 1979年より3回は東京(迎賓館が会場)で開催され、2000年には沖縄県名護市(九州・沖縄サミット)で、2008年には北海道洞爺湖町(北海道洞爺湖サミット)、2016年には三重県志摩市(伊勢志摩サミット)で開催されました。
 なお、1997年に参加国となったロシアですが、ウクライナに対する軍事介入やクリミア半島掌握などがG7首脳陣の非難の対象となり、2014年にロシアで開催される予定だったG8サミットが中止になりました。その後、ロシアを除く従来のG7の枠組みへと戻りました。

≪国と企業の賠償責任認める:アスベスト訴訟で最高裁判決。(17日)≫

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って健康被害を受けた元建設作業員や遺族ら計約500人が国と建材メーカーに賠償を求めた4件の集団訴訟(横浜、東京、京都、大阪)で、最高裁は5月17日、国が対策を怠ったと認定し国の賠償責任を認める統一的な判断を示しました。         
 判決では判決では、一部高裁判決を覆し、個人で仕事を請け負って働いてきた、いわゆる「一人親方」も救済対象とし、またメーカーの責任も認めました。

【予想問題】
問題1:

 1993年に成立した、環境保全の基本方針を示した法律は何ですか。

A.公害対策基本法
B.自然環境保全法
C.建築基準法
D.環境基本法

解答:

D

 1992年の地球サミット開催を受け、1993年に施行された法律です。基本理念として、
1.現在及び将来の世代の人間が環境の恵沢を教授し、将来に継承
2.全ての者の公平な役割分担の下、環境への負担の少ない持続的発展が可能な社会の構築
3.国際的協調による積極的な地球環境保全
の3点が掲げられています。
※基本理念は環境省HPより引用

 1967年に制定された公害対策基本法を廃止して、時代の変化とともに多様化する環境問題に対応するために制定されました。

問題2:

 日本最初の公害事件と言われる「足尾銅山鉱毒事件」ですが、被害の中心となったのは何川ですか。

A.鬼怒川
B.渡良瀬川
C.江戸川
D.荒川

解答:

B

田中正造 画像引用元:ウィキペディア

 明治中頃、足尾銅山は日本一の産出量を誇る銅山でした。銅を取り出す際に生まれる廃液が利根川支流の渡良瀬川に流れ込み、流域に大きな被害を及ぼしました。日本の公害事件の原点とも言われています。流域で被害を受けた農民らの再三の請願や、地元出身の衆議院議員田中正造の国会での追及や明治天皇への直訴などがあって、大きな政治・社会問題となりましたが、解決には至りませんでした。

問題3:

 今回のように、第二審の高等裁判所の判決を不服として最高裁判所に訴えることを何といいますか。

A.上告
B.控訴
C.再審
D.最終請求

解答:

A

 裁判を公正に行い、誤りを防ぐために取り入れられているのが「三審制」です。そのため3回まで裁判を受けることができます。第一審は普通地方裁判所(内容によって簡易裁判所・家庭裁判所)が担当しますが、その判決に不服があれば、上級の裁判所に第二審を求めることができます。これを「控訴」と言います。第二審の判決にも不服があれば、さらに第三審を求めることができ、これを「上告」と言います。 
例:地方裁判所→(控訴)→高等裁判所→(上告)→最高裁判所
 なお、民事事件の第二審が地方裁判所で行われた際には、上告は高等裁判所に対して行われます。

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