No.1347 次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(入管法改正案成立、LGBT法が施行、「こども未来戦略方針」決定)

≪入管法改正案が成立。(9日)≫

入管法等改正案が可決された5月9日の衆院本会議場 画像引用元:ウィキペディア

 外国人の収容のあり方を見直す「入管法」の改正案が、6月9日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。「入管法」の正式名称は「出入国管理および難民認定法」で、日本人を含む出入国の管理をはじめ、外国人が日本に在留するための許可や資格、不法に入国した人への罰則、それに難民認定制度などを定めた、日本に出入国する全ての人を対象とした法令です。今回の改正案には、難民申請中は強制送還が停止される規定について、申請を繰り返すことで送還を逃れようとするケースがあるとして、3回目の申請以降は「相当の理由」を示さなければを本国への送還が可能になることや、難民には該当しないものの紛争などから逃れて来た人を「補完的保護」の対象者として受け入れること、そして施設に収容するとしていた原則を改め、監理人と呼ばれる入管庁が認める団体や弁護士の監督のもとで生活する「監理措置」という制度が適用されることなどが盛り込まれました。

【予想問題】
問題1:

日本の難民認定率を以下の中から記号で選びなさい。

A.約10%
B,約5%
C,約3%
D.1%未満

解答:

D

2018年度の難民認定率比較 画像引用元:認定NPO法人 難民支援協会HP

 日本の難民認定率は上記の通り、G7加盟国、韓国と比べても極端に低く、他の国では認定されるケースでも日本では認定が難しいのが実情です。そのような状況の日本で1回や2回の申請で難民と認定されるケースは極めて少なく、3回以上の申請者を振り落として本国に送還してしまうと、祖国で迫害を受ける恐れが否定できず、難民条約をはじめとする国際法違反であると国連機関や専門家から指摘されています。

問題2:

入管法は1951年に公布され、その後新たな制度の導入など何度か内容が改正されてきましたが、2018年の改正で新たな在留資格が創設されました。この「人材の確保が困難な一部の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる新たな在留資格」(外務省HPより抜粋)の名称を漢字4文字で答えなさい。

解答:

特定技能

特定技能対象の12職種 画像引用元:外務省HP
※上記のうち、「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」は2022年5月に1つの分野に統合されました

 「特定技能」は以下の12職種を対象として、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格を指します。
[対象の12職種]
①介護、②ビルクリーニング、③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、④建設、⑤造船・舶用
工業、⑥自動車整備、⑦航空、⑧宿泊、⑨農業、⑩漁業、⑪飲食料品製造業、⑫外食業
 この新たな在留資格の創設により、日本人が働きたがらない職種について、外国人労働者を新たに受け入れるコストを削減させ、一定期間働き仕事を覚えた外国人により長く働いてほしいという企業側の希望は応えられましたが、日本で働く外国人の環境を改善するためには十分とは言えないとの指摘もありました。

問題3:

韓国人・朝鮮人・台湾人が申請できる在留資格に「特別永住者」があります。この制度は、第二次世界大戦で日本が敗戦して、朝鮮半島や台湾の領土を失ったことをきっかけとして生まれました。日本の朝鮮半島・台湾の領土権放棄を規定した、1951年に成立した条約の名前を答えなさい。

解答:

サンフランシスコ平和条約

 サンフランシスコ平和条約は1951年にサンフランシスコ講和会議で成立した、日本と連合国の間で調印された第二次世界大戦の講和条約です。日本が朝鮮半島や台湾などの領土権を失うことで、日本に定住していた韓国人・朝鮮人・台湾人が日本国籍を離脱することになりました。そうした人々や子孫の状況を鑑みて、1991年に制度化されたのが「特別永住者」です。特別永住者は通常の入管法ではなく「入管管理特例法(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法)」によって規定されます。

問題4:

難民問題では、国連の「国連難民高等弁務所」がその役割を果たしていますが、日本人女性で長年「難民高等弁務官」として活躍した人物の名前を次の中から記号で選びなさい。

A.緒方貞子
B.黒柳徹子
C.市川房枝
D.土井たか子

解答:

A

世界経済フォーラム(2008年6月4日)での緒方貞子氏 画像引用元:ウィキペディア

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、1950 年に設立され、難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援する目的で、世界約 135か国で活動しています。本部はスイスのジュネーブにあります。緒方貞子さんは、1991年2月から2000年12月までの10年間、国連難民高等弁務官として世界の難民の保護と救済に活躍しました。特に、UNHCRの緊急事態即応体制を強化し、各国政府の支持をとりつけ救援物資を輸送する大規模な空輸作戦を展開した功績が高く評価されています。

≪LGBT法が施行、政府が担当部署設置。(23日)≫

LGBTのシンボルとなっているレインボーフラッグ 画像引用元:ウィキペディア

 先の国会で成立したLGBTなど性的少数者への理解増進法が6月23日に施行されました。この理解増進法は、「性的指向およびジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならない」という基本理念に基づいて規定され、性の多様性に関する国民の理解を広げるため、政府に基本計画の策定を義務付けることを柱としています。これを受けて政府は、共生社会を担当する小倉(まさのぶ)大臣のもと内閣府に担当部署を設けました。性的少数者への理解増進に向け、政府は基本計画を定め、施策の実施状況を毎年1回公表するように定められました。

【予想問題】
問題1:

「ジェンダー平等」を実現するために、日本でも、男女共同参画社会の実現に向けての取り組みが進められていますが、日本で「男女平等選挙」が実施されたのは何年ですか。

A.1890年
B.1925年
C.1946年
D.2016年

解答:

C

戦後初の衆議院議員総選挙にて、投票へ向かう有権者 画像引用元:ウィキペディア

 日本で初めて選挙が行なわれたのは、大日本帝国憲法が発布された翌年の1890年に行われた衆議院議員選挙です。この選挙で選挙権が与えられたのは、直接国税を15円以上おさめている満25才以上の男性に限られていましたので、全人口の約1%しか投票できませんでした。その後、1925年には普通選挙法が成立し、納税額に関係なく満25才以上のすべての男性が選挙権を持つようになりましたが、女性には選挙権が与えられませんでした。女性が選挙権を持ったのは、戦後1945年の選挙法改正によります。翌1946年の衆議院選挙から、満20才以上の男女すべての日本国民が選挙権を持つようになりました。

問題2:

日本国憲法では、基本的人権の尊重が三大原則の一つです。特に第14条では、差別禁止・平等に関する規定があります。その第14条第1 項にあたる以下の条文の(  )内に入る言葉を答えなさい。
【1.すべて国民は、法の(  )に平等であつて、(  )、信条、(  )、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。】

解答:

(順に)下(もと)、人種、性別

 日本国憲法第14条は「平等権」について規定するものです。平等権とは、全ての国民が人種や宗教、社会的地位などに関係なく、差別されない権利のことを指します。もちろん「人種」「信条」「性別」「社会的身分」「門地」は代表的な例示であって、これに該当しないからといって差別してよいことにはなりません。条文の中で「信条」とは、信仰している宗教や、思想などのこと。また「門地」とは、家系・血統などの家柄のことです。

問題3:

政府がLGBT法の担当部署を設置したのは内閣府ですが、次の中で内閣府の外局ではないものはどれですか。

A.金融庁
B.消費者庁
C.こども家庭庁
D.気象庁

解答:

D

内閣府庁舎 画像引用元:ウィキペディア

 内閣府は、内閣及び内閣総理大臣の主導による国政運営を実現するため、内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化を目指して2001年に設置された内閣総理大臣を長とする内閣の機関です。Aの「金融庁」は金融が円滑に機能することを目的として2000年に設置され、2001年に省庁改編により内閣府の外局となりました。Bの「消費者庁」は消費者の視点から消費者行政全般を担う組織として2009年9月に発足しました。Cの「こども家庭庁」は、社会全体でこどもの成長を後押しすることを目的として2023年4月に発足しました。Dの「気象庁」は国土交通省の外局です。

≪少子化対策「こども未来戦略方針」決定。(13日)≫

「こども未来戦略方針」について記者会見で説明する岸田総理 画像引用元:自民党HP

 政府は少子化対策の強化に向けて、児童手当や育児休業給付の拡充などの具体策を盛り込んだ「こども未来戦略方針」を閣議決定しました。今後3年をかけて年間3兆円台半ばの予算を確保し、集中的に取り組む一方、財源は歳出改革などで確保するとしています。具体的には、児童手当の拡充や、出産費用のさらなる支援などが盛りこまれています。

【予想問題】
問題1:

日本では少子化に歯止めがかからない状況が続いていますがが、昨年2022年の合計特殊出生率(人口に対して生まれた子供の数を表す指標のひとつ)は次のうちどれですか。

A.1.19
B.1.26
C.1.35
D.1.42

解答:

B

出生率と合計特殊出生率の推移 画像引用元:内閣府HP

 厚生労働省が取りまとめた、2022年の「人口動態統計(概数)」によると、出生数は7年連続で減少、過去最少だった2021年を4万875人下回る77万747人となり、初めて80万人台を割り込みました。合計特殊出生率は過去最低の1.26と、前年の1.30より0.4ポイント低下しています。

問題2:

少子化対策の柱の一つである「□□・□□□□法」の改正が2022年4月よりスタートしました。この法律は、育児や介護をしながら働く労働者に対して継続的な就業を支援することを目的に制定されました。□に入る漢字6文字を答えなさい。

解答:

育児(・)介護休業(法)

 2022年4月より「育児・介護休業法」の改正が段階的にスタートしました。育児・介護休業法の正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」です。これまでも度々改正されてきましたが、2022年10月から、男性従業員が子供の出生日から8週間までに取得ができる「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度が創設されました。また、従来は原則分割取得できなかった育休を、2回まで分割取得することが可能になったこともポイントです。

問題3:

1989年に国連総会で採択された、世界中すべての子どもたちがもつ権利を定めた条約の通称を8文字で答えなさい。

解答:

子どもの権利条約

「子どもの権利条約」のポスター 画像引用元:unicef(ユニセフ) HP

 子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、1989年11月、第44回国連総会において採択されました。この条約の締約国・地域の数は196と、世界で最も広く受け入れられている人権条約です。子どもの権利条約の基本的な考え方は、以下の4つの原則で表されます。
・差別の禁止(差別のないこと)
・子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)
・生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
・子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)
日本はこの条約に1994年に批准しています。

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