No.1488 芝浦工大附属中学校 2026年度より社会を追加して4科目入試へ(塾対象学校説明会レポート)

校舎外観1(筆者撮影)

実施日:2024年6月21日(金)

今回の内容は以下の7点です。
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1. 2024年度入試結果について
2.2025年度一般入試は変更点なし
3. 2025年度入試 国語・算数・理科・言語技術と探究・英語の傾向と対策
4. 2026年度入試から社会を追加して4科目へ移行、制限時間も変更へ
5.芝浦工大附属ならではの「探究学習」とは
6.大学進学について
7.学校説明会スケジュール
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1.2024年度入試結果について

 2024年度中学入試では、第一志望者に多く合格を出すことを目的として、前年度から以下の変更を行いました。

・2/4の第3回入試を廃止
・上記に伴って、第1回、第2回の募集人数が以下のように増加。
 第1回 75名→90名
 第2回 40名→50名

 2024年度入試では、第1回、第2回の実質倍率が、以下のように増加しました。
 第1回 4.0倍→4.3倍
 第2回 5.3倍→6.0倍

 一方で、合格者に対する入学者の割合が第1回、第2回とも減少し、繰り上げ合格を出しました。
 第1回 87.6%→81.0%
 第2回 57.1%→47.1%

入試結果の詳細はこちらをご覧ください。

2. 2025年度一般入試は変更点なし

・2025年度の一般入試については、2024年度入試から変更ありません。

・2025年度の「海外在住帰国生入試」でこれまでのシンガポール会場に加えて、タイのバンコク会場でも入試が行われることになりました。入試日程は2024年11月9日(土)です。

速報こちらをご覧ください。

3.国語・算数・理科・言語技術と探究・英語の傾向と対策

【国語の傾向】

・国語の大問構成は以下の通りで、2025年度も変更ありません。

大問1 聞いて解く問題
大問2 文学的文章
大問3 説明敵文章
大問4 韻文
大問5 語句・文法
大問6 漢字

・大問1の「聞いて解く問題」の配点は10点で、ポイントは、正確に聞き取ること、聞いた内容を正しく理解することにあります。

・文章を書く力を重視しており、問題文か韻文のどちらかで100字程度の記述問題を出します。
 「論理力(文章内容を読み取って、自分が感じたことや考えたことを、理由を明確にして伝える力)」、「表現力(自分が感じたことや想像したことを、状況にあわせて、感性ゆたかな言葉で伝える力))」の2点について、それぞれ10点配点で採点します。

語句・文法問題では、日本語のきまりを理解しているか、慣用句、ことわざ、四字熟語などの使い方がわかっているかを基準として採点します。配点は15店程度です。

【国語の対策】

 まず本文の内容や言葉の意味、そして設問の条件を正確に読み取る力をきちんと身につけた上で、表現力や想像力を高めて高得点を目指してもらいたい、とのことです。
 また、文章を読んだ後に、自分だったらどうするかどう考えるかについて、日頃から取り組んで欲しいとのことです。

【算数の傾向】

・算数の大問構成は以下の通りで、2025年度も変更ありません。

大問1 聞いて解く問題
大問2 4題 計算問題・角度など(答えのみ)
大問3 5題 比・割合・速さ・図形・場合の数など
大問4 大問(代数もしくは幾何)
大問5 大問(代数もしくは幾何)

・大問3以降の各問では「式や考え方」をかく形式ですが、「式や考え方」に配点があり、答えのみでは満点になりません。逆に答えが間違っていても、「式や考え方」が正しければ得点があります

・合格者は、基礎的な大問2、標準的な大問3でのミスが少ないです。また、近年は応用問題である大問4、大問5での得点率が合否に大きく関わっています

・大問3で作図問題が出されることがあります。定規・コンパスを使って作図する問題となります。

【算数の対策】

・小問は基礎的な問題が出されますので、普段から正確かつ速く解けるように、くり返し練習をしておいて欲しいとのことです。

・図形の小問集合では、平面図形だけでなく立体図形も出題されます。等積変形や面積比などさまざまな問題に触れておいて欲しいとのことです。

・大問では問題把握が難しいものや、計算の手間がかかるものが出題されます。大問に時間がかけられるように、小問集合の時間を短縮する解き方が必要になります。

・大問は3題程度の小問で構成されますが、前の小問がヒントになることが多いとのことです。

【理科の傾向】

・理科の大問構成は以下の通りで、2025年度も変更ありません。

聞いて解く問題 1問
物理分野 2題
化学分野 2題
生物分野 1題
地学分野 1題

・聞いて解く問題は、物理・化学・生物・地学のいずれかの分野からの出題で、実験、観察手順や自然現象に関する説明・会話を聞いてその内容について問う問題です。

・物理分野では、約3割が力学の傾向があります。電気、光、音からも多く出題されます。計算問題で差がつくことが多いです。

・化学分野では、ものの溶け方、燃え方、水溶液などからの出題となります。中和の計算や気体の性質の問題で差がつくことが多いです。

・生物分野では、植物・動物・人体からの出題となります。植物の葉のつくりやヒトの臓器などの問題で差がつくことが多いです。

・地学分野では、天文・土地のつくり・気象からの出題となります。星座や太陽の動きの問題で差がつくことが多いです。

【理科の対策】

以下の4点を重視して対策を進めて欲しいとのことです。
・過去問を何度も解いて、問題形式に慣れる。
・基本問題は素早く確実に答えられること。
・暗記に頼らず、なぜそうなるのか原理を理解した学習に取り組むこと。
・実験対策をしておくこと。

【言語技術と探究の傾向】

大問2題の構成で、いずれも答えが1つではない問いについて、自分の考えを言葉で表現する問題を含みます。

・1つの大問では「テクノロジーに関連した問い」、もう1つの大問では「社会課題に関連した問い」を出題する予定です。

・入試で測定する能力は以下の4つです。
「分析力」
与えられた資料から情報を正確かつ多面的に読み取り、それらを組み合わせる力

「論理的思考力」
筋道立てて考える力=明確な根拠に基づいて、自分の考えを組み立てる力

「表現力」
自分の考えを分かりやすく相手に伝える力

「創造力」
社会課題などに対して、独自性と有用性のあるアイデアを柔軟に考えだす力

【言語技術と探究の対策】

以下の4点を重視して対策を進めて欲しいとのことです。
・新聞やニュースなどに触れ、世界や社会で起きている事柄に幅広く関心を持つ。
・様々な物事に対して「なぜ」という疑問を抱き、根拠に基づく自分なりの仮設を立てる。
・主観や先入観にとらわれず、客観的に物事を見て判断する。
・相手の理解力に依存した表現ではなく、言葉を尽くして自分の意見を説明する。

【英語の傾向】

英検4級から準2級レベルの英語を出題する予定です。

・大問構成は以下の通りです。( )内は配点です。
「リスニング問題」:(3割程度)
選択問題で、5題前後を予定しています。

「リスニング・ライティング混合問題」(4割程度)
選択問題を2題。記述問題を1題の予定です。
記述問題では、流れた音声の内容に関する問いに対して、自分の意見や考えを50~70語で記述します。

「リーディング問題」(3割程度)
選択問題5題前後の予定です。250~280語程度の英文を1つ読み、内容に関する質問に答えます。

【英語の対策】

・リスニングは放送が1度しか流れないため、高い集中力が求められます。日頃から英語を聞く時間を増やすことを心がけて欲しいとのことです。

・自分の意見や考えを英語で表現する問題も出されますので、ライティングの練習にも力を注いで欲しいとのことです。

・リーディング対策として、英検の問題集等も有効活用して、読む経験を増やして欲しいとのことです。

4. 2026年度入試から社会を追加して4科目へ移行、制限時間も変更へ

・2026年度入試より、第1回、第2回入試の試験科目・制限時間が以下のように変更となります。

2025年度(変更前)
国語(60分、120点満点)
算数(60分、120点満点)
理科(50分、100点満点)

2026年度(変更後)
国語(50分、100点満点)
算数(50分、100点満点)
理科(40分、80点満点)
社会(20分、40点満点)

※第1回、第2回の募集人数は変更ありません。

 これまでは、知識問題中心の「社会」が入学後の成長を保証するものかといった疑問があり、受験生の負担を加味した上で、社会をなくして理数系の学校であるイメージも込めて、「3教科」としていました。
 現在は、定期テストの社会で論述問題が増えており、新カリキュラムと共学化で活躍する生徒に、「論理的な社会の思考力」を求めるために、社会を入試科目に入れる決断をしたとのことです。

 社会は「論理社会」として、資料を分析して記述する問題2題を予定しています。

「論理社会」のサンプル問題こちらからご覧ください。

校舎外観2(筆者撮影)

5.芝浦工大附属ならではの「探究学習」とは

 中学校では、「理工教育」「連携教育」「言語教育」「探究学習」の4つが軸となります。
 その中でも「探究学習」についての説明がありました。

・目標とするのは「IT×GCでの学びを駆使して、理工系の知識で社会課題を解決すること」です。

ITとは、ITリテラシーを活用してアイデアを実用化できるエンジニアを育成する教育プログラムです。具体的には、人工衛星データを使ってデザイン思考を学ぶ(中1)、デザイン思考でドラえもんの秘密道具を創る(中1)などのプログラムが実施されています。

GCとはグローバルな視点を持って、長期的な問題解決型学習(PBL)に取り組むことで、コミュニケーション力、発想力、創造力、課題解決力などのスキルを身につける教育を指します。
 中1では「湾岸プロジェクト」として学校近辺の豊洲地区でのフィールドワークを通して調べ学習を実践し、中2では「日本プロジェクト」として、長野での農村合宿などを通して自身の探究テーマを深めます。そして中3では「世界プロジェクト」として、ジェンダー、障害、人種、宗教、経済などの視点から、当事者・支援者とのインタビューや対話を続けて探究活動を深めます。

6.大学進学について

 2024年3月卒業生219名の大学進学は以下のような結果となりました。

・進路決定率 97.3%
・理系進学者 85.8%
・芝浦工業大学への内部進学 60.7%
・国公立大学 14名合格
・早慶上理 32名合格
・GMARCH 36名合格

2023年3月卒業生の進路状況の詳細はこちらをご覧ください。

7.学校説明会スケジュール

※要予約です。

【春夏】
・6/28(金)10:30~11:50
・9/14(土)10:30~11:50

【秋】
・10/26(土)9:30~11:50
・11/16(土)14:00~16:00

学校説明会、その他イベントの詳細はこちらをご覧ください。

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