この夏、誰にでも出来るひと手間を加えて国語力を大幅アップさせる方法

いよいよ夏休みですね。夏は、算数の実力アップや理社の知識の総まとめなど、ただでさえやることが多くて国語まで手が回らない。国語は、伸ばすのに時間がかかりそうな教科だし…そんな風に思っている方も多いことと思います。

今回は、『接続詞の選択問題』と『抜き出し問題』についてお話したいとと思います。これらは中学受験の国語の王道的な問題タイプですが、同時に、正しく答えられるようになると、文章全体の構造をしっかり把握できるようになり、文章読解力そのもののアップにもつながります。ですから客観問題でありながら、実は記述問題の得手不得手にも深いところでかかわってくる分野なのです。受験生には時間が足りないと感じられる夏休みですが、誰にでも実行しやすいひと手間を普段の勉強に加えることで、国語力の大幅増強をはかりましょう。

■接続詞の選択

ほとんどの中学で数題以上出題される接続詞問題は、漢字などの言語知識と共に確実に点数を取れるようにしたい分野です。塾テキストなどの接続詞の働きを解説するための例文や、基礎的な問題では、接続詞の前と後ろにそれぞれ一文程度や文の短いフレーズがくるようなシンプルなスタイルの文が選ばれていることが多いため、前後のつながりが見えやすく正しい接続詞も選びやすくなっています。しかし、実際の入試や模擬テストで差がつくような問題というのは、そう単純なものばかりではありません。

受験生と接続詞選択の間違い直しをするときに、接続詞の前と後で接続詞に結ばれている部分をそれぞれ、本文の流れをよく考えたうえでカッコに入れるという作業をしてもらいます。そのあとでもう一度接続詞を選んでもらうと、一転して今度は正しい答えを選択できるというケースが多いことに気づかされます。

このことから、接続詞で答えに迷うような問題では、まず結んでいる部分を見極めるため、本文中にカッコを書き込むというひと手間を加えるのが効果的だということが言えます。

例示、言い換え、並立などといったそれぞれの接続詞の機能はよくわかっているのに、なぜか接続詞問題でよく間違えてしまうという人は、接続詞によって結ばれている部分を見極めるときに、結んでいる部分の判断があいまいな状態で選んでしまったり、実際に結ばれている部分よりも短く判断してしまった結果、つながりがわからなくなっているというパターンにおちいったりしていないかを再確認してください。

受験生の皆さんの誤答を見ていると、特に接続詞の前にくる関係部分が長い問題で、短く取りすぎて間違えやすいという傾向が見られます。ですから、特に接続詞の前の部分にカッコをつけるときには、常に細心の注意を払うようにしましょう。 結ばれる部分をカッコに入れるというひと手間で、この夏、接続詞問題の点数アップをはかりましょう!

■抜き出し問題

中学受験の国語では、抜き出し問題は客観問題で主要な位置をしめており、多くの中学の入試で、抜き出しを制することが合格への近道となっています。そして抜き出しは、点数差がつきやすい分野でもあります。抜き出しを苦手とする受験生に、「探すのが下手だ」とか「もっと熱心に探さなければダメだ」などと言って、苦手の原因が探す行為そのものの未熟さにあると考えてしまうことがよくありますが、そうばかりとは言い切れません。

一度バツだった抜き出し問題を直すとき、抜き出しの答えをまず自分で予想してもらいます。すると、自分なりに答えを想像したあとに、テストでは見つけられなかった答えが急にスムーズに見つかるというケースがよく見られるのです。

誰でも経験があることと思いますが、失くしたものを探すとき、ただ漠然と「ノートを探そう」と探すより、「B5サイズで表紙に算数と書いてある水色のノートを探そう」というように、探すものの特徴が具体的に想起できているほど早く探し物が見つかるものです。長文の中から短時間で効率的に答えを見つけなければならない抜き出し問題も、これと同様のことがいえます。

抜き出し問題を苦手とする受験生と勉強していると、探すべき答えを十分にイメージできていない状態でやみくもに探し始めてしまうために、答えのない場所にこだわって時間不足におちいったり誤答になったりということをくり返し、苦手意識を持ってしまっていることが少なくありません。「抜き出しは答えを探すものだ」という考えから、「抜き出しは、答えを探す前にいかに正解に近いフレーズをイメージできるかが勝負だ」と、発想を変えることで、苦手から脱することができるということがよくあるのです。

普段の学習の中でも、答えがわからない場合は、まず抜き出しの答えとなるフレーズを予想して言うように促すことはとても効果があります。出てきた答えが正解から遠いものであれば、それが不充分な答え予測であることを伝え、本文の読み取り不足や読み誤りで見当はずれな答えが出てきているなら関係箇所をよく読み直し充分理解するよう補助してから、再度考えるよう促してあげましょう。そして答えを予想する際に、内容のみならず言葉の形の上でも極力正解の答えに近づけることを目指すのが、この学習の重要なポイントです。

このようなステップを設けることで、正解の予測を明確に立ててから該当箇所を探す習慣ができます。すると、とりあえず探そうという気持ちで答え探しに取りかかり挫折するというパターンは激減していき、探すべき答えが自分の中で具体化することで、正答率も格段にアップします。繰り返し練習を続けていき、字数が問題条件に合う部分を素早く見分けるといった作業的な面での要領も良くなると、ついには抜き出し問題を得意とすることができるようになります。

答えを探しはじめる前に、まず答えの予想をうち立てる。—このひと手間で、この夏抜き出しを得意分野にできるよう、頑張りましょう!

暑くなってきましたので、体調をととのえて学習にのぞみましょう。この夏が受験生の皆様にとりまして合格に近づく大きな一歩となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

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