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新4年SAPIX入室テスト予想問題について
今回・次回と、図形と比について学びます。今回利用する考え方は「高さの等しい三角形は底辺の長さの比と面積の比が等しい」ということです。
「考えよう1」で、単純な図形を例に、その仕組みを理解しながら面積比や長さを求める練習をします。「考えよう2」では台形の分割を扱います。補助線を引くと、高さの等しい三角形が何個かできるので、原理的には「考えよう1」と同じです。実際に解く際は補助線を引かずに、上底+下底の比が面積比と同じになることを利用しましょう。(1)の面積比を求める問題は1回で覚えてくれますが、(2)のような面積比が与えられていてどこかの長さを求める問題はテストになると解き方を思い出せないことがありがちです。
「考えよう3」では三角形を3つ以上に分割したときの面積比を求めます。全体を1と考えるか、部分を1や簡単な整数にして考えるかなどアプローチの仕方がいろいろあります。自分が解きやすい方法を選びましょう。
他に重要な問題としては、問5(2)、(3)は補助線なしで解く方法を身につけましょう。問8、問9は定番問題で、テストで出る確率はかなり高いです。問10は授業で取り上げなかった場合は無理にやる必要はありませんが、入試ではよく出るタイプの図です。力をつけてからじっくり取り組んでもよいでしょう。
今回は比という抽象的な数字の扱いに慣れることも大切です。平方cmなどの単位がつく図形の問題ならかなり複雑なものでも解けるのに、見た目はシンプルな図でも比を利用するとなると難しく感じる人も多いようです。また次回は相似な図形という重要テーマが待ちかまえています。相似について学んだあとに、もう一度今回のテーマに戻ると、より理解が深まると思います。
相似がテーマです。
「考えよう1」では相似の意味と相似比の表し方について学びます。形が同じでサイズが異なる図形どうしの関係が相似です。前回勉強した高さが同じ三角形と混同しないように気をつけましょう。
また相似比とは長さの比です。相似の関係にある図形は対応する長さの比は相似比と同じになります。相似比がa:bなら、辺もa:b、まわりの長さもa:b、高さもa:bです。三角形以外の図形でも成り立ちます。円や半円、正方形などはどんな場合も相似の関係になりますが、三角形や四角形はそもそも相似の関係になっているのかどうか確かめる必要があります。
そこで考えよう1(1)のような三角形の相似条件を問う設問があるのでしょう。これにきちんと答えるとすれば、中学で習う3つの相似条件を書かなければなりません。定義や仕組みを論理的に理解し説明できる力を重視する最近の日能研の流れに沿った問題ですが、あまり深入りしない方がよいでしょう。2組の角が同じになったら相似になるということだけは押さえておきましょう。
「考えよう2」ではピラミッド型と砂時計型の典型問題の練習です。どちらもミスするポイントが決まっているので注意して下さい。
「考えよう3」は相似図形の面積比についてです。くり返しになりますが、前回の底辺比=面積比との違いに注意しましょう。
「考えよう4」は面積の単位換算です。長さが10倍になると面積は100倍になるという相似の知識との関連を意識させたいためにここに配置されていると思われます。授業では覚え方の工夫など色々と説明してくれると思いますが、覚えるのは自分です。いつまでも覚えるのを後回しにしていると6年生のこの時期になっても単位換算が苦手のままです。テストに面積の単位の計算が出ていたらいつも飛ばすという人は、今回必ずマスターして下さい。
その他重要な問題としては、問9は解いておきたい問題です。最後の設問の(8)が求められれば、途中はどんな順番で考えてもよいです。設問が細かすぎてかえってやりにくくなっています。問7、問8も一度経験しておかないと解くのは難しい問題です。
今回のテーマ相似は、平面図形の分野の中で最重要単元です。しっかり基礎を固めましょう。
今回は分数について学びます。小数に関しては第1回から8回まで、回数にして8回分、2か月に渡ってじっくり取り組んできましたが、分数のテーマは今回1回で終わりです。内容としては分数の意味、大きさ比べ、同分母のたし算・ひき算です。もう少し先まで進みたい気がするのですが、こういうカリキュラムです。
「考えよう2」の(3)、(4)では、全体が1のときとそうでないときの違いに注意しましょう。「考えよう3」では分子と分母が同じになったら1にすることに気を付けましょう。なお、この段階では仮分数や帯分数は扱いません。約分や通分も習っていないので、そのような操作が必要な問題は出題されません。したがって計算は非常に簡単なものに限られます。点差がつくとすれば問4のような大きさ比べの問題でしょう。分母が同じときどちらが大きいか、分子が同じときどちらが大きいか区別できるようにしておきましょう。
場合の数がテーマですが、カードの並べ方に題材を絞っています。最初の段階では計算に頼らずにすべて書きだす方針で「数えもれなく」「重複せず」に数えあげる練習になっています。その際に役立つのが樹形図です。何度も図を書くことによりスムーズに書けるようになります。はじめは時間がかかりますが、必ず書けるようにして下さい。書いている途中で同じパターンのくり返しを見つけ、すべて書き上げなくても計算で答が出せることに気づきます。
場合の数の勉強で気をつけたいのは、全て書き出す作業力と工夫して計算で済ます解き方のバランスです。テストで全問樹形図を書いていたら時間切れになります。適度に手を抜く要領の良さも必要です。その一方で、計算のみに頼る方法で常に解こうとするのも危険です。
計算で解けない場合の数の問題はいくらでもあります。むしろ難関校入試では、順列や組み合わせの公式が通用する問題が出題されることは稀です。地道な作業を要求するものばかりなので、今の段階から粘り強く調べ上げる方法も身につけましょう。
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