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埼玉県の学校の入試が始まり、いよいよ2023年度入試が本格的にスタートしました。今回は既に入試が実施された学校の入試問題から、社会の時事問題と国語の出典につき出題された内容を速報でお知らせします。時事問題については、これから入試がある学校でも同じような問題が出される可能性がありますので、ぜひ参考にしてください。
対象となるのは、以下の学校の入試です。
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栄東中:A日程(1/10、1/11実施)、東大特待Ⅰ(1/12実施)
開智中:先端1(1/10実施)、先端特待(1/11実施)、先端A(1/12実施)
埼玉栄中:第1回(1/10午前実施)、第2回(1/10午後実施)、第3回(1/11午前
実施)、第4回(1/11午後実施)、第5回(1/13午前実施)
浦和明の星女子中:第1回(1/14実施)
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社会の時事問題では、まず沖縄返還から50年をテーマとして、当時の日本の総理大臣「佐藤栄作」の名前を漢字で答えさせる問題が、栄東中A日程(1/11)、開智中先端Aで出されました。どちらの学校も漢字指定でしたので、漢字のミスがないように注意が必要となりました。また、人物に関する問題ですので、佐藤栄作の顔写真から名前を答えさせる問題が今後出題される可能性があります。2022年12月17日配信メルマガ『決定版!2023年入試で出る社会時事はこれだ!予想問題付き』に佐藤栄作の顔写真が載っていますので、参考にしてください。
字の表記という点では、開智中先端1で出題された「こども家庭庁」の「こども」がひらがな表記になる点も注意が必要です。
国のトップに関する問題として、浦和明の星中で韓国の現在の大統領の名前「ユンソンニョル」を選ばせる出題がありました。また、イギリスの現在の首相の名前に関する問題が、開智中先端1で出されました。イギリスの現首相は「リシ・スナク」であるのに対し、首相の名前を現ドイツの首相「オラフ・ショルツ」であるとした選択肢があり、この誤った選択肢を選ばせる問題でした。イギリスの首相はここ数年で目まぐるしく変わっていますので注意が必要です。
日中共同声明発表から50年に関して、浦和明の星中では発表当時の日本と中国の首相の組合せとして、「田中角栄―周恩来」を選ばせる問題が出されました。
イギリスの首相の変化について、また日中共同声明発表から50年については、2022年10月22日配信メルマガ『次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(エリザベス女王が死去、政府・日銀が為替介入、日中国交正常化50周年)』で解説していますので、参考にしてください。
新型コロナウィルスに関する問題では、開智中先端特待で、新型コロナウィルス感染症に対する「考え方」と、現行の日本国憲法下で実現可能な「対応策」についての出題があった他、開智中先端Aで感染拡大を受けて増えた働き方として「リモートワーク」の名称を書かせる問題が出されました。
ロシアによるウクライナ侵攻については、浦和明の星女子中で「ロシアが2014年に併合を表明した地域」として「クリミア半島」を選択させる出題がありました。
浦和明の星中では、周年問題が複数出題されました。沖縄返還から50年、日中共同声明発表から50年をはじめ、サンフランシスコ平和条約発効から70年、香港の中国返還から25年、日本軍のシベリアからの撤退完了から100年が出されています。その他の周年問題としては、2022年が鉄道開業から150年、高松塚の国宝壁画発見から50年である点に注意が必要です。鉄道開業については、2022年11月23日配信メルマガ『次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(健康保険証をマイナンバーカードに一本化、鉄道開業150周年、世界の地質遺産に兵庫の玄武洞と野島断層)』で、高松塚壁画については、2022年4月29日配信メルマガ『次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(国連総会ロシア非難決議を採択、高松塚の国宝壁画発見から50年、初の「電力需給逼迫警報」』で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
栄東中東大特待Ⅰでも周年問題が出されました。こちらは2023年から100年ずつさかのぼった年に起きた出来事を題材とする周年問題で、関東大震災(1923年)、足高の制(1723年)、崇徳天皇の即位(1123年)、三世一身の法(723年)など、13項目が出題対象となりました。
国語の出典では、物語文での頻出作家・人気作家の短編集からの出題が目立ちました。開智中先端Aで出題された『夏の体温』の瀬尾まいこ氏は、『あと少し、もう少し』、『幸福な食卓』などが多くの学校で出題対象となった中学入試最頻出作家の一人です。栄東中A日程(1/11)で出題された『月曜日の抹茶カフェ』の青山美智子氏の作品は、『木曜日にはココアを』が開成中(2018年度)、青山学院(2020年度)などで、『鎌倉うずまき案内所』が栄東中東大Ⅰ(2022年度)などで出題されました。浦和明の星女子中第1回の『タイムマシンに乗れないぼくたち』の寺地はるな氏の作品は『水を縫う』は海城中(2021年度)、市川中(2021年度)、東邦大東邦中(2021年度)、大妻中(2021年度)などで出題され、注目を集めました。
上記作家以外の作品でも短編集からの作品が多く、中学入試での短編集人気が引き続き高いことが示されています。
説明文では伊藤亜紗氏作品の人気の高さが目立ちます。今年度、開智中先端Aでも出題された『目の見えない人は世界をどう見ているのか』が2016年度入試のラ・サール中、巣鴨中などで出題されてから、毎年その著作品が多くの学校で出題されています。今や稲垣栄洋氏と共に、説明文の最頻出作家と言えるでしょう。
A日程(1月10日)
時事問題としての出題はありませんでしたが、「都市鉱山」や「デジタルデバイド」といった近年話題となっている語句の意味を問う選択肢問題が出されました。
A日程(1月11日)
時事問題ではなく歴史分野からの出題でしたが、沖縄がアメリカから返還されたときの、日本の内閣総理大臣「佐藤栄作」の氏名を漢字で答えさせる問題がありました。2022年は沖縄返還から50年でしたので、時事問題としても要チェックです!
東大特待Ⅰ(1月12日)
2023年から100年ずつさかのぼった年に起きた出来事を題材とする周年問題が出され、関東大震災(1923年)、足高の制(1723年)、崇徳天皇の即位(1123年)、三世一身の法(723年)など、13項目が出題対象となりました。
A日程(1月10日)
説明文:金間大介『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』東洋経済新報社 (2022/3/18発売)
物語文:柊サナカ「オセロの女王」(『天国からの宅配便』所収)双葉社 (2022/2/17発売)
A日程(1月11日)
説明文:伊藤亜紗『手の倫理』講談社 (2020/10/9発売)
物語文:青山美智子「拍子木を鳴らして」(『月曜日の抹茶カフェ』所収)宝島社 (2021/9/9発売)
東大特待Ⅰ(1月12日)
説明文:杉山修一『ここまでわかった自然栽培―農業と肥料を使わなくても育つしくみ』農山漁村文化協会 (2022/3/18発売)
物語文:山本幸久『花屋さんが言うことには』ポプラ社 (2022/3/16発売)
先端1
・「こども家庭庁」の名前を書かせる問題が出ました。
・イギリスの現在の首相の名前に関する正誤問題が出ました。
先端特待
新型コロナウィルス感染症に対する「考え方」と、現行の日本国憲法下で実現可能な「対応策」の組合せを答える選択肢問題が出されました。
先端A
沖縄がアメリカから返還されたときの、日本の内閣総理大臣「佐藤栄作」の氏名を漢字で答えさせる問題、「リモートワーク」を答えさせる問題が出されました。
先端1
説明文:中村桃子『「自分らしさ」と日本語』筑摩書房 (2021/5/8発売)
随筆文:森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』新潮社 (2008/10/28発売)
先端特待
説明文:池内了『清少納言がみていた宇宙と、わたしたちのみている宇宙は同じなのか?』青土社 (2021/12/20発売)
随筆文:保坂和志『生きる歓び』新潮社 (2003/8/1発売)
先端A
説明文:伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』光文社 (2015/4/16発売)
物語文:瀬尾まいこ『夏の体温』双葉社 (2022/3/17発売)
第1回
時事問題の出題はありませんでしたが、「副首都構想」に関して、首都一極集中の良くない点を説明させる記述問題が出ました。
第2回
※入試科目が算数・国語の2科目のため、社会はありません。
第3回
時事問題の出題はありませんでしたが、「マニフェスト」の名称をカタカナで書かせる問題が出ました。
第4回
※入試科目が算数・国語の2科目のため、社会はありません。
第5回
時事問題の出題はありませんでしたが、東日本大震災発生から現在までの復興状況をテーマとした選択肢問題がありました。
第1回
説明文:松原耕二『本質をつかむ聞く力』筑摩書房 (2018/6/6発売)
物語文:益田ミリ『アンナの土星』KADOKAWA (2021/2/25発売)
第2回
説明文:日野原重明『十代のきみたちへ―ぜひ読んで欲しい憲法の本』冨山房インターナショナル (2014/5/8発売)
物語文:須賀しのぶ『雲は湧き、光あふれて エースナンバー』集英社 (2016/7/20発売)
第3回
説明文:田中修『植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫』中央公論新社 (2012/7/24発売)
物語文:俵万智『先生の机』(今江祥智編『それはまだヒミツ 少年少女の物語』所収)新潮社(2012/1/28発売)
第4回
説明文:アンデシュ・ハンセン『最強脳』新潮社 (2021/11/17発売)
物語文:椰月美智子『十二歳』講談社 (2002/4/5発売)
第5回
説明文:正高信男『音楽を愛でるサル なぜヒトだけが愉しめるのか』中央公論新社 (2014/7/24発売)
物語文:はらだみずき『ここからはじまる 父と息子のサッカーノート』新潮社 (2018/4/27発売)
第1回
最後の大問が時事問題で、カレンダー別に出題される形式でした。出題内容は以下の通りです(すべて選択肢問題です)。
・「RCEP協定」を選ばせる。
・ロシアのウクライナ侵攻について、「クリミア半島」を選ばせる。
・韓国の大統領の名前「ユンソンニョル」を選ばせる。
・昨年がサンフランシスコ平和条約発効から70年であったことから、同条約についての正誤問題。
・昨年が沖縄返還から50年であったことから、沖縄についての正誤問題。
・参議院選挙に関連して、参議院についての正誤問題。
・昨年が香港の中国返還から25年であったことから、香港についての正誤問題。
・「NPT」の正式名称「核不拡散条約」を選ばせる。
・昨年が日中共同声明発表から50年であったことから、当時の日本と中国の首相の組合せを選ばせる。
・昨年がシベリアからの日本軍撤退完了から100年であったことから、「シベリア出兵」を選ばせる。
第1回
説明文:伊勢武史『2050年の地球を予測する―科学でわかる環境の未来』筑摩書房 (2022/1/7発売)
物語文:寺地はるな『タイムマシンに乗れないぼくたち』(短編集より表題作)文藝春秋 (2022/2/8発売)
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